おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

最近「これは読んでよかった」と思った本たち 2022年2月版

相変わらず乱読、積読、多読の日々を送っています。毎日何かしらの本を読んでいます。

「これは…!」と思う本に出会うと、興奮のあまりブログ記事に書こうとするのですが、5日に1回しかブログ更新しないと自分に制約をかけてしまった以上は全ての本はブログに書けないので、こういう形でまとめることにしました。

 

私の乱読っぷりがにじみ出るめちゃくちゃなラインナップですが、ご笑覧ください。

2021年7月に書いた同趣旨のブログ記事はこちらです。

www.shiratamaotama.com

 

目次

 

多様性の科学

面白すぎて一気に読みました。

ダイバーシティ&インクルージョンって流行ってますけど、「多様性があるとなにがいいの?」「多様性がないと何が悪いの?」という素朴な疑問に120%答えてくれます。

例えばアメリカのCIAは最高の人材を採用してきたのに、結果的に「白人、男性、アングロサクソン、プロテスタント」ばかりの組織になってしまったために9.11の兆候を見逃した、という指摘。(その後CIAは人材の多様性を高める取り組みを実施)

例えば多様性のあるグループと画一的なグループで課題を解く実験で、画一的なグループは「気持ちよく話し合いができ」「自分たちの答えにかなりの自信を持っていた」が正解率が低く、多様性のあるグループでは話し合いが「大変だった」し「自分たちの答えには強い自信を持っていなかった」が正解率が高かった、という実験結果。

例えば1980年代の英国で導入された「人頭税」が社会の大混乱を招いたが、この導入を決めた政界のエリート集団は皆裕福な家庭出身で名門校を卒業した頭脳明晰な「画一的な」集団だった、という指摘。

読めば読むほど、自分が今いる環境への危機感や、今後目指したい方向性について新たな視点を得られる本でした。

とても印象的だった例え話が、「社交的ではない天才族」と「天才ではないが社交的なネットワーク族」のどちらがイノベーションを起こしやすいか、という話。本書のp204に書いてあります。

 

三体

ついに読み終えました、三部作。世界中でベストセラーになっている中国のSF小説です。

超面白かったです。読み終えた時はしばらく呆然としました。ネタバレしたくないので内容には触れません。『SF思考』(←これも面白かったです!)という本によるとバラク・オバマ氏もマーク・ザッカーバーグ氏も『三体』の大ファンとのこと。

この小説で描かれた、いくつかの考え方や場面が脳内にずっと残っています。今後もずっと残るだろうと思います。

 

自分の意見で生きていこう

私はちきりんさんの本はほとんど全て読んでますが、最後の著作となる(とご本人が言っている)この本もとても面白かったです。

特に「意見と反応は違う」というのが明確に描かれていて、私が自分自身の発言を「これはただの反応だな」「これはちゃんと意見を言えてるな」と評価できるようになったのは大きな収穫でした。

Twitterの引用RTってほとんどが「反応」であることが多いので、その中に「意見」が混ざっていると、例え私とは違う意見の人であっても「おおっ」と思いますね。

 

AIの雑談力

この本はめちゃめちゃ面白いので単体でブログ記事を一つ書こうと思っていたのですが、もう諦めてここでさらっと紹介するにとどめます。超面白いです。あの『シン・ニホン』の著者である安宅和人さんが推薦されてます。

・人の会話の60%は雑談

・AIが相手でも人はつい雑談してしまう

・AIが自己開示すると、人も自分のことを話し始める

うちの息子たち(4歳、3歳)も最近はすっかり一人前の口調で私と「雑談」をすることがありますが、「状況の理解、対話内容の理解、対話相手の理解をしたうえで、なにを話せば良いかを考え、適切なタイミングで返答する、ということを一瞬でやっている」わけです。

AIがこれをするのは本当に大変。人間ってすごい。

 

でもどうしてもオンラインだと雑談が減るんですよねー。仕事でもプライベートでも、もっと雑談したいです。

 

あなたを変える行動経済学

大竹文雄先生の新刊です。予約していたのがついに届いて一気に読みました。

私が初めて行動経済学の本を読んだのは大竹先生の新書『行動経済学の使い方』だったわけですが(以前ブログに書いてます)、今回の新刊は高校生からの悩み相談をもとにされていることもあり、若者向けでとても読みやすかったです。

※あ、子育て×行動経済学の本は頑張って書いてます!以前アンケートにご協力いただいた皆様ありがとうございます!!日々私の育児で行動経済学の実践と失敗と成功を繰り返しつつ、書き進めております。

 

ヘルス・ルールズ

私は津川友介先生の本は『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』で初めて読みましたが、徹底してエビデンスに基づいて「今の科学でわかっていることをひたすら書く」姿勢をとても信頼しています。

今回の本は健康習慣について。

・睡眠不足による生産性低下は「自覚できない」

・1日1万2000歩くらいまでは「歩けば歩くほど死亡率が下がる」

・糖質制限ダイエットは死亡率を高める

・鼻うがいは水道水で行ってはダメ

・サプリメントは基本的に無意味(例外:妊娠する可能性がある女性の葉酸サプリや、医師に推奨された場合) など

私が完全に初耳だったのは、「妊娠初期の女性は熱い湯に長時間つからない方が良い(熱いお風呂に定期的にはいる習慣のある女性から生まれてくる赤ちゃんは神経の障害リスクが約2.8倍高かった)」という話です。知らなかった… 今後妊娠予定のある方は、とりあえず妊娠12週くらいまではお風呂の温度を39度未満にしておくと安心かと思います!

前著『究極の食事』で書かれていた「牛肉や豚肉や白い炭水化物(白米など)は健康に悪いが、魚や茶色い炭水化物(玄米や全粒粉)は健康に良い」という話はこの本にも載っているので、どちらかを読むなら新しい方(『ヘルス・ルールズ』)をお勧めします。

 

セラピストのための子どもの発達ガイドブック

私はセラピストではないし、今のところ子どもの発達に悩んでもいないのですが、0歳から12歳までの子どもの発達段階についてちゃんと書かれた本を一度は読んでおこうと思って買いました。これはずっと手元に置いておきたい本ですね。

「発達を早めることはできないが、発達が遅くなることはある」「発達はスキルによって定義されるものではない」などの原則から、トイレトレーニングやジェンダーと性の発達、どんなことが「この年齢で普通に見られる難しさ」で、どんな場合に「専門家による支援が必要」と考えられるのか、など具体的なことまでわかりやすく書かれていて大変勉強になりました。

巻末のハンドアウト資料「3歳から12歳の特徴」は、セラピストが資料をコピーして保護者に配布するためのものだそうで、1人の保護者として熟読させていただきました。本当に勉強になりました。(ネット上での配布はしないでくださいと書かれているので中身は引用しません)

 

おしまい

他にもいろいろ読んではいるのですが、キリがないのでこの辺にします!

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私は基本的に紙の本が好きですが、忙しいときは音声で本を「聴く」こともあります。

AmazonのAudible(オーディブル)を使うと家事をしながら/ウォーキングしながら耳で本を聴けるので、忙しい方にはおすすめです。

初月無料で本が聴き放題になるので、未体験の方は是非。

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