おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

最近「これは読んでよかった」と思った本たち

乱読、積読、多読の日々を送っています。毎日何かしらの本を読んでいます。

「これは…!」と思う本に出会うと、興奮のあまりブログ記事に書こうとするのですが、5日に1回しかブログ更新しないと自分に制約をかけてしまった以上は全ての本はブログに書けないので、こういう形でまとめることにしました。

 

私の乱読っぷりがにじみ出るめちゃくちゃなラインナップですが、ご笑覧ください。

※仕事関係の本は除きました!身バレ防止のため…笑

 

目次

 

ワイルドサイドをほっつきあるけ

書き出しが秀逸です。「おっさんだって生きている」「おっさんたちは何かと悪役にされてきた」「おっさん側にも言い分はあるだろう」と。

著者はあのぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を書かれたブレイディみかこ氏。期待を裏切らない面白さ&読み応えでした。 イギリスの「おっさんたち」に焦点をあてたノンフィクションです。

英国のパブが「パブリック・ハウス(公共の家)」の略称であることを初めて知りました。

 

存在しない女たち

Twitterでオススメされているのを見かけて読み始めたのですが、もう目から鱗がぼろぼろぼろぼろと落ち続けるような本でした。悪意なく、一般的に、「人間」という言葉は男性を指している…という話です。そして結果として自動車の安全試験に使われるダミー人形は男性の体格が基準になっていたり、医薬品の開発で被験者が男性に偏っていたり、公共交通網が男性のライフスタイルに合わせて整備されたりしている、そして女性の命や健康が知らないうちに脅かされている、という話が、さまざまな事例や分析とともに紹介されています。 

最近私と話した友人は男女問わず「絶対にこの本を読んだ方が良い」とオススメされています。

 

すごすぎる天気の図鑑

私は最近、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」を毎日見ているので、この本を読むのも楽しくてたまりません。  

そしてこの本のp174に私の名前が載っているので、お手元にある方はぜひ見てみてください。

 

 

恐れのない組織

心理的安全性についての本です。めっちゃ面白かったです。心理的安全性がない組織で発生した不幸な事象(フォルクスワーゲンの不正、ウェルズ・ファーゴ銀行のスキャンダル、ノキアの敗北、NASAのスペースシャトル・コロンビア号の事故、福島第一原子力発電所の事故など)が紹介されています。逆に心理的安全性のある組織(「フィアレスな職場」)としてピクサーやグーグルX、ハドソン川の奇跡などの事例が紹介されます。

自分が組織のマネジメントをする立場にある人だけでなく、組織のいち構成員であっても心理的安全性を作ることに貢献できる(時には、よい質問をするだけでいい場合もある)とのこと。そして職場での心理的安全性だけでなく家庭での心理的安全性も大事だよなあ…と思います。

この本のp246に「心理的な安心感をほんの少し高めるために、誰もが使えるフレーズ」が紹介されています。

・わかりません。

・手助けが必要です。

・間違ってしまいました。

・申し訳ありません。

自分の弱さをさらけ出すことで、他の人も「間違いをする人間であることを許す」表現とのこと。この本を読んで以来、ちょっと意識的に「ごめんお母さんにもわからないわ」「間違えちゃった!」「助けてほしい」と言うようにしています。

  

LEAN IN

なんで今更LEAN INを読んだかというと、こんなに有名なのに(私の友人女性のおそらくほとんどが既読なのに)、実は私は読んだことがないことに最近気付いたからです。

いやー素晴らしい本でした。全世界で読まれている理由がよくわかりました。すっごく良い本ですね。

しかも私はシェリルさんの次の本(OPTION B)を読んだことがあるので、彼女がLEAN INで書いていることを、「その後」を知っている状態で読めてしまうのです。例えば彼女が最初の結婚生活が破綻して25歳で離婚したときの話。下記の文章を読んだときは大泣きしました。

そしてそれは、プライベートだけでなく社会的にも大変な失敗だと感じられた。これから仕事でどんなに結果を出そうと、私の背中には「バツイチ」と大書されていて、仕事上の成功などかき消してしまうだろう…(それから10年ほど経ってようやく、(中略)デーブ・ゴールドバーグとしあわせな結婚をした)

 (LEAN IN p33より引用)

私はデーブがその後2015年に心不整脈で急死することも、シェリルがその死から立ち直るのに大変な困難を抱えたことも、そして立ち直ってから素晴らしい本を書いたことも知っています。

www.shiratamaotama.com

  

汚れなき子

久しぶりに読んだミステリー小説なんですが、ページをめくる手を止められなくて一晩で読んでしまいました。ドイツのベストセラーがつい最近日本語になったものです。

絶対にネタバレしたくないので内容はここには書きませんが、母親の強さや子供たちの未来を信じる力を感じる読後でした。 

下記はネタバレしないギリギリの線で、今思っていることを書きます。ネタバレの気配があるものは絶対に無理、という人は飛ばしてください。※文字サイズを小さくしておきます

拉致監禁事件の被害者が美しくて真面目で学業態度の良い女性であれば「可哀そう」「助けてあげたい」と思われる、一方で学業態度が悪かった、男遊びをしていたといった噂・情報が出てくると一気に「自業自得」という評価になるんですよね。被害者には落ち度が許されない、100%の善人・正しい行動をとり続けていた無辜の人間でなければバッシングされなければならないのだろうか。人間は弱いしずるい。どんな人間にも間違えることはあるし道を踏み外すことはあるし、それでも生命や身体の安全は絶対に守られなければならないのに…と思います。

 

そして実は、このドイツのミステリー小説を日本語に翻訳された長田紫乃さんは、東京大学の先輩でもあります。なんと紫乃さんは拙ブログを長く読んでくださっているそうで、ある日こんなメッセージをいただいたのです。

お久しぶりです。 いつもブログ、読んでます。 私は先日ドイツで二人目が生まれ、子供が2歳差女の子二人になったのですが、実は一人目の時から、(おたま)ちゃんのブログにとてもお世話になっています。 「乳首を乾かしてからしまうこと」は出産前から胸に刻んでいました。また、「くもんカード」も日本から取り寄せて娘と遊んでいます。

(中略)

私、毎夜の娘の授乳中にBluetoothイヤホンを耳に、Audibleでドイツのミステリー小説を聴き漁っていました。それが編集者へのプレゼンに繋がり、今回の出版に繋がりました。授乳時間を利用してAudibleで読書するというのも、実は(おたま)ちゃんのブログを読んでやってみようと思ったことなので、とてもとても感謝してます。

 (紫乃さんのメッセージより引用、私の名前の部分を(おたま)に置き換えました)

ええー、めっちゃ嬉しい!!! 

ドイツで乳児を育てながらドイツ語で小説を聞き、自分から編集者にプレゼンして日本語訳の出版を実現した…というのは素晴らしいなと思います。

紫乃さんがいなければこの小説が日本語で読める日は来なかったかもしれないし、そう考えると私のブログは日本に素晴らしい本を一冊増やす一助になったのだ、と感動しました。

ミステリー好きな方には是非読んでみていただきたいです。

  

きょうだいリスク

私にとっては、私の弟の存在は資産であると思います。でもそれは、私も弟も「今のところ」安定した職についていて、それぞれにパートナーがいて、健康で、親の介護が必要ないから「弟がいてくれて良かった」と単純に思えるだけなのかもしれません。今後、これらの条件が崩れた時に、姉弟の関係がどう変化していくのか。この本を読んでいると色々と考えさせられました。

そして「未婚化や雇用の不安定化で、自立できず頼る家族も持たない『きょうだい』が増えている」「きょうだいの不安定化が幸せを左右する時代に今から備えなければ」という著者の問題意識はよくわかりました。

息子2人を育てる母としては、できれば兄弟仲良く支え合って生きていってほしいですけどね。親と子の相性とか、子供同士の相性とか、色々あるんだなあ…と。

 

きのう何食べた?

昔、1〜5巻くらいまで読んだことがあったのですが、ついに1〜18巻を紙で揃えてしまいました。よしながふみさん大好きです。

18冊を数日かけて読み通して、だんだん歳をとっていくシロさんとケンジの生活をそっと覗かせてもらっているような気持ちになりました。

このマンガのおかげで毎日のご飯作りが楽しくて楽しくて…。

スーパーで買い物する時もご飯を作っている時も、脳内でシロさんが「これはケンジが好きだから」「出でよ白だし」「おっと煮崩れちまう!」などと呟いています。

私たちは食べたものでできてるんだなあ、と思います。

 

紹介しきれない!

まだまだあるんですが、ブログが長くなりすぎるのでこの辺にします。

今、本棚から持ってきて写真を撮りました。※ワイルドサイドときょうだいリスクは本棚のどこかにはあるはずだけど探すのが面倒なので諦めました

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世界には素晴らしい本とマンガが溢れていて幸せです。

 

 

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