セサミストリートってありますよね。
米国発の子供向け教育番組とのことですが、真っ赤なエルモ、青いクッキーモンスターや黄色いビッグバードは日本人でも一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
※画像を見た方が早いと思うので、セサミ公式のTweetを引用させてもらいます
メリークリスマス!🎄 pic.twitter.com/sKFaSACGy7
— セサミストリート公式 (@sesamejapan) December 25, 2021
さて、セサミストリートに、自閉症のキャラクターが登場していることをご存知でしたか?
私は昨日知りました。
アメリカでは68人に1人の子どもが自閉症スペクトラムと診断されています。(中略)
セサミストリートでは、(中略)2015年「ジュリア」という自閉症の特性があるキャラクターが誕生しました。
自閉症の特性があるキャラクター「ジュリア」の描き方がとても良い
ジュリアが初登場する動画、日本語吹き替え版がこちら。
「自閉症ってなに?What's autism?」と素直に質問するビッグバード、そしてそれに答えるアランたちの説明がとても良いなと思いました。
「ジュリアはね、何か聞かれてもすぐには答えられないことがあるんだよ。Well, for Julia, it means that she might not answer you right away.(以下省略しますが是非全部聞いてみてください)」
自閉症の定義を語るのではなく、"for Julia"とジュリア個人の特徴を説明しています。一言で自閉症と言ってもいろんな人がいるわけですからね。
自閉症の特性を持つ人は、あなたの期待する行動を取らないかもしれないけど、あなたのことが嫌いだからじゃないんだよ、というメッセージがわかりやすく伝わってきます。
※一応、自閉症の定義も置いておきます。
自閉症とは、①他者との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害です。
(引用:(7)自閉症・情緒障害:文部科学省)
元の英語で見たい方はこちら。
ジュリアの操作と声を担当しているStacey Gordonさんは、自閉症の息子を育てている母親だそうです。
Stacey Gordonさんと息子さんが登場するニュース動画も見つけました。
息子さんがインタビューに答えて「Someone like me is on Sesame Street」(僕みたいな人がセサミストリートにいる)と話しています。良い笑顔。
自閉症を持つキャラクターがセサミストリートの一員としてその場に普通に存在することは、実社会における自閉症への理解をすすめるだろうなあ、と思いました。例えばうちの息子が今後初めて自閉症の特性を持つ人に出会う時、事前にジュリアを知っているかどうかで「自閉症」への親近感は大きく異なるだろうと思います。
養子を迎える回もありました
そしてYouTubeの自動再生に任せてボーっとしていたら、次に再生されたのがこれでした。Ginaという登場人物(女性)が、養子の赤ちゃんを迎える話です。
エルモの「養子縁組(Adoption)ってなに?」という質問に大人たちが手を止めて回答します。
「Adoption is when a child needs someone to love and take care of them.」
「And then there's someone who wants a child to love and take care of.」
まずlove and take careを必要とする子どもがいて、そしてlove and take careをしたい大人がいる。正しい説明の順番だなあと思いました。
(日本語だと「愛とお世話」になると思いますが、和訳するとちょっと違和感がありますね)
もし私がなにかのタイミングで息子に「養子縁組ってなに?」と聞かれたとして、つい「赤ちゃんが欲しいけど授からなかった人がね…」と大人側の説明から始めてしまいそうな気がします。でもこのセサミ動画を観て、そうだよね養子縁組は子どものための制度であるべきだよねと思ったので、いつか息子に質問されたら、まず子ども側の説明から始めようと思います。
子どもには、大事にしてくれて、お世話をしてくれる大人が必要だよね。でもそういう大人に恵まれなかった子どももいるんだよ、と。
例えば日本の特別養子縁組についての厚労省サイトを見てみたら、「子どもの福祉の増進を図るため」と明確に言ってますね。
「特別養子縁組」とは、子どもの福祉の増進を図るために、養子となるお子さんの実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。
(引用:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169158.html)
見ておいて良かった、セサミストリート。
大人になった今だからこそ、改めてセサミストリートを見てみたくなってきました
私は子どもの頃にセサミストリートの番組をちらっとみて「あんまり好きじゃないな」と思ったので全然セサミを見ずに成長しました。賑やかな感じが苦手だったのかな。
でも自分が大人になってみて、子ども用のTV番組とあなどってはいけないな、というか、今見るとすごく面白いし勉強になるな、自分の価値観をアップデートするのにとても役に立つな、と思いました。
セサミストリートの公式サイトを見ていたら、1970年に初の黒人パペットが登場して以来、HIV陽性のキャラクター、貧困により食料不安を抱えるキャラクター、服役中の父親を持つキャラクター、薬物依存の母親を持つキャラクターなど、とても多様なキャラクターが登場していることを知りました。
参照:https://www.sesamestreetjapan.org/Diversity-Inclusion.html
全然知らなかった。
今後もちょっとずつセサミストリートの動画を見てみようと思っています。
英語がとても聞き取りやすいので、うちの子たちにも良いかもしれません(まだ見せてないです)。
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