こちらのTweetが、2万人以上にイイネされています。
今読んでる本に書かれている実話。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 28, 2021
英国で、88歳の独居男性が寂しさに耐えかねて自宅の窓にポスターを貼った。
「私には家族も友人もいません。話す相手が誰もいないのです。私にとって、一日24時間家が静まり返っている状況は、まるで拷問のようで苦痛です。どなたか助けてくださいませんか」
さらに地元の新聞にも広告を出した。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 28, 2021
数日で電話とメールが殺到。電話が鳴り止まず、食事を取る時間もないほどに。
地元の小学校の先生とのやりとりが始まり、小学校を訪問して子供たちに話をすることになって喜んでいると。
おおー、すごい。
これを読んで、「私は孤独です」「助けてください」と言える人は強いなと思いました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 28, 2021
私もちゃんと「助けてください」と言える人間でありたい。
引用元はこちらの本です
上記は、この本のp77に書かれている事例です。2021年7月発売。
多賀 幹子『孤独は社会問題 孤独対策先進国イギリスの取り組み』 (光文社新書)
ロンドンに住むトニー・ウィリアムズさんは88歳。数か月前に愛妻ジョーさんをがんで亡くした。(中略)
トニーさんは、孤独から抜け出さなくてはいけないと考えた。まずは、自宅の道路に向いた窓に一枚の大きなポスターを貼り出した。そこには、こう記した。
「私は、先日愛する妻でありソウルメイトだったジョーを失いました。私には家族も友人もいません。話す相手が誰もいないのです。私にとって、一日24時間家が静まり返っている状況は、まるで拷問のようで苦痛です。どなたか助けてくださいませんか」
さらに地元の新聞に同様の広告を出した。
それから数日がたった。反響は予想以上で、すっかり圧倒されてしまった。電話が鳴りやまず、食事をとる時間もないほどだった。(中略)
多くの人が、トニーさんの孤独な状況がよく理解できるという。
(『孤独は社会問題 孤独対策先進国イギリスの取り組み』p77-78より引用)
英国のニュースサイトも確認しました
試しに「Tony Williams lonely」で検索してみたら、下記のようなニュースを複数見つけました。2020年9月の記事ですね。
窓に貼ったポスターが想像以上にオシャレで驚きました。
英語のニュースを見つけました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 28, 2021
男性の年齢は75歳と書いてある。本には88歳と書いてあったけど、たぶん75歳が正解ですね(複数の英語サイトで75歳と書いてあるので)
Lonely widower posts sign in window seeking friendship amid pandemic https://t.co/ALUqtJv9JI #FoxNews
多賀幹子さんに、「ご著書でトニーさんの年齢を間違ってませんか?」と教えてあげたいです。
手紙とメールと電話が殺到して「overwhelmed」してる。嬉しそう。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 28, 2021
Lonely pensioner who asked for friends after wife died overwhelmed by responseshttps://t.co/JWz4oApUu7 pic.twitter.com/QZIN6ibMl5
良い笑顔ですね。
トニーさんは物理学者として大学で長く教えていましたが、今は年金生活をしています。
子どもはいません。
上記の記事によると、「窓にポスターを貼った」のは色々と試した末の最後の手段だったようです。
・まず、話し相手を探して地元紙に広告を出したが返事はなかった
・スーパーに行ったり散歩に行くときに名刺を作って数十人に配った
・最後の手段として、窓にポスターを貼った
ポスターの原文(英語)は下記の通り。
I have lost Jo
My lovely wife and soul mate
I have no friends or family
No one to talk to
I find the unremitting silence
24 hours a day
unbearable torture
Can nobody help me?
このポスターを貼ったことで話題になり、複数のニュースサイトに取り上げられました。
・受信トレイが一杯になるほどのメールを受信し、世界中から電話がきた
・米国、ドイツ、オランダ、オーストラリア、エジプト、インド、日本の人から連絡を受けた
・新しい友達が世界中に増えて嬉しい
・コロナが落ち着いたら、是非会いに行きたい
同じことはきっとしないけど
自宅の窓に「私は孤独です」「助けてください」と貼るのはなかなか勇気がいるだろうと思います。プライドもあるだろうし、悪意を持った人が近づいてくるリスクもあるだろうし。
(トニーさんの住んでいるエリアの治安や経済状態を知らないので、トニーさんの行為がどのくらいリスクのあるものだったのかは私には分かりません)
もし私がトニーさんと同じような孤独な状態になったとして、自宅の窓にポスターを貼ることはしないだろうなと思います。
でも、困ったときに「助けてください」と言える人間でありたいな、と思います。
そして息子たちも必要なときには「助けてください」と言える人間になってほしいです。
男女差はありそう
もちろん個人差はありますが、周囲を見ていると、「夫を亡くした妻」よりも、「妻を亡くした夫」の方が孤独になりやすい印象があります。
そして私の両親を見ていると、もし孤独になったときに「私は孤独です」「助けてください」と人に相談するのは父よりも母の方が得意そうだなと思います。
女性の方が、弱みを人に見せることに抵抗が少ない人が多いんでしょうか。
女性が長生きなのは、人との「つながり」を作るのが上手なことも関係すると下記の本には書いてありました。
おしまい
色々書きましたが、トニーさんが2021年の今も楽しい日々を過ごしていることを願っています。
そして早くコロナが落ち着いて、トニーさんが世界中の新しい友達を訪問できるようになりますように。
…と書いていたら、トニーさんから返信がありました。
トニーさんとメール交換しています
実は、記事の中にあったトニーさんのメールアドレス宛にメールを送ってみました。「あなたのことを本で知ったのでTwitterに書いたら、多くの日本人に読まれている」「あなたの勇気ある行動に感銘を受けた人が多い」と書きました。
なんと1時間後に返信が届きました。私のTweetも見てくれました(トニーさんはTwitterアカウントは持っていないそうです)。トニーさんは一年前に貼った窓のポスターをきっかけに多くの電話やメールをもらうようになりましたが、コロナのために対面で人と会うことができないのはやっぱり寂しいそうです。
本当に、早くコロナを気にせずに人と会えるようになってほしいですね。
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