おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

30歳、両親の介護について考える

『母さん、ごめん。』という本を読みました。副題は「50代独身男の介護奮闘記」とあり、認知症の母親を自宅で2年半介護した経験を、「理系の男性目線」で詳細に語っています。

 自分の失敗(認知症に気づくのが遅れた、気づいた後の対応も間違えた等)に基づいて、読者に対して非常に実用的なアドバイスをしてくれているので、是非読んでください。

 

私がこの本を読んで勉強になったこと

・65歳以上の老人は介護保険制度を利用できる →うちの母(65歳)はもう対象だ!

・認知症の症状が出たら早めに最寄りの地域包括支援センターに相談すべき →これは本当にそう思う。詳しくは後述します。

・代替医療は効かない。知人が認知症になっても、「認知症に効くサプリ」とか贈ってはいけない。認知症のお見舞いをあげたいなら現金か商品券がもっとも喜ばれる。(介護には想像以上にお金がかかる)

・家電を買い替えると使えなくなる。著者が母親に良かれと思って洗濯機を使いやすいものに買い替えたら、どう頑張っても使い方を覚えられず、水浸し事件が頻発。→家電の買い替えは、親が元気なうちに。

・認知症が進んだら、過食・火事対策が必要(自分が料理を終えたら必ずガスの元栓を閉めておくなど)

・兄弟がいると助かる(介護を一人で抱え込まない。グループホームの入居費用を兄弟で分担できる。※著者の場合は、親の年金全額と、3人の兄弟が1人につき15,000円/月の負担で入居できた。これ、一人っ子だったら毎月45,000円だったと思うと兄弟で分担できるのは強い。。)

・平均寿命と健康寿命の差(男性なら9年、女性なら12年)→父親を9年、母親を12年は介護する覚悟を持つ。ただし、ずっと自宅介護はきつい。

・どんなに健康に留意しても、認知症になる人はなる。お酒の飲みすぎや睡眠不足は認知症の発症確率を上げるが、認知症になった人を努力不足と責めてはいけない。ただ、長時間労働をさせるブラック企業等の対策は社会全体で必要

・介護は本当に精神的にも肉体的にも重労働。知り合いや職場に介護をしている人がいるなら、ほんの少しでも気遣いを。

 

その日が来る前にやっておくこと

自分の母親を「早く死ねばいいのに」と思い、手を上げるまで追い詰められてしまった経験を、ここまで冷静に振り返りながら共有してくれたことに私は驚きました。そして、同じ轍を踏まないよう、著者が「その日が来る前にやっておくこと」としてオススメしていた「地域包括支援センター」に行ってみることにしました。

※私の両親はまだ60代ですし、現時点で認知症の症状は一切ありません。ただ、いざ認知症を疑う症状が出始めたときに、私が仕事と育児で忙しいと、著者のように対応が後手後手になりそうだと思いました。いま育児休業中で平日自由に動けるうちに、一度地域包括支援センターで「いざ、そのとき」の動き方を学んでおこうという趣旨です。

 

地域包括支援センターに電話しました 

早速、「〇〇(居住地域) 地域包括支援センター」で検索。

出てきた番号に電話をかけました。

私「初めてお電話します、おたまと申します。自分の親はまだ介護が必要な段階ではないのですが、いざ認知症かもと思ったらどの病院にかかったら良いのか、介護が必要になったら地域包括支援センターでどんな支援をしていただけるのか知りたいんですが、一度うかがってもよろしいですか?」

職員さん「はい、どうぞ!いついらっしゃいますか?」

私「今日の10時半頃っていかがですか?」

職員さん「大丈夫ですよ、ではお待ちしてます~」

私「ありがとうございます!(めっちゃスムーズ…)」

 

地域包括支援センターに行ってみました 

たまたま代休をとって家にいた夫と、下の子を連れて地域包括支援センターを訪れました。(平日なので、上の子は保育園です)

 

うちの地域の地域包括支援センターは老人ホームを併設しており、生後2か月の息子はおばあちゃんたちのアイドルになってました。子連れで行くとこんなに喜ばれるんですね。

しばらく赤ちゃんタイムを楽しんだのち、面談室のようなところで、女性職員さんがいくつかパンフレットをくれながら、地域包括支援センターについて説明してくれました。我が家にとって非常に有用だった情報は下記4つです。

 

地域包括支援センターで教えてもらった有益な情報4つ

・認知症の専門病院は「精神科」になる。ただ、精神科受診を嫌がる高齢者は多いので、もし認知症の症状が出たらまずはかかりつけの内科に相談する手もある。内科でもほとんどの医師が簡単な認知症テストを実施してくれるし、内服薬を処方することもできる。

・なお、近所には認知症の専門病院としてA病院とB病院がある。A病院は古くからある精神科専門病院で、鉄格子があるなど、「A病院に行くのは嫌だ」と言う高齢者は多い。B病院は新しく、施設も綺麗で開放感があるので、どちらかといえばB病院をお勧めする。ただしB病院は予約が必要で、予約は1か月待ちになることもある

・認知症発症を防ぎ、進行を遅らせるには、薬よりも刺激が効果的。人との会話や新しい経験、孫育てはとても良い。同じことを繰り返す学校の先生や市役所の職員は認知症になりやすい。←これはちょっと意外。私の同世代で学校の先生をしている友人をみると、「同じことの繰り返し」なんて全くしていないと思う…。まぁ年代的に、いま認知症になっている世代の先生方は同じことの繰り返しが多かったのだろうか?

・認知症になると、同じことを何度も聞いたり、以前できていたことができなくなったりする。それを注意しても覚えていられない。しかし、「注意された」ときの嫌な気持ち、辛い気持ちは少しずつ溜まっていき、コップに溜まった水があふれるように、ある日「周辺症状(暴言、徘徊など)」になって表れる。周辺症状が出ると介護する側のストレスも一気にたまるので、まずは物忘れや様々な衰えを優しく受け止め、安心させてあげることが有用。←私は勝手に「認知症=暴言、徘徊」だと思っていたので、適切に対処すれば認知症であっても周辺症状が出ないというのは新たな発見でした!

 

最寄りの地域包括支援センターに一度行ってみてください

というわけで、(親御さん宅の)最寄りの地域包括支援センターに一度行ってみるのは大変オススメです。遠方の方は電話相談もできるそうです。地域の病院情報や、介護予防のイベントなど、様々な情報をとても親切に教えてくれました。

一緒にいった夫も、「地域包括支援センターに行こうと言われたときは、さすがにまだ必要ないのではと思ったが、これは一度来てみて本当に良かった。勉強になった」と言っていました。

 

4人の親の誰かは認知症になるかもしれない 

ありがたいことに私と夫の両親は4人とも元気で、介護はまだ先の話だとは思います。でも、厚労省の推計では、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症患者になるそうです。4人の親のうち、誰かは認知症になるかもしれないという覚悟をもちました。

私の母方の祖父(故人)は要介護3でしたが、認知症にはなりませんでした。一方、祖母は要介護1ですが、認知症です。祖父の方が要介護度は高かったのですが、介護を主に担ってくれている叔父夫婦のストレスは祖母の介護の方が大きいようです。この本でも詳細に書かれているように、認知症患者の介護は本当に大変です。

最後まで親を好きでいたいし、「早く死んで欲しい」と思いたくないので、早めに公的支援に頼ること、自分なり兄弟なりが1人で介護を抱え込まないようにすること、そしてなるべく働き続けてお金を貯めておくこと。親を気にかけて、認知症の前兆があったら早めに対応すること。親が元気なうちに、旅行に行ったり美味しいものを一緒に食べたりすること。

 

職員さんに褒められました 

なお、地域包括支援センターの職員さんが「こんなに意識の高い若い方は初めてです。皆さんもっと気軽に地域包括支援センターに来ていただきたいのですが、普通、存在も知らないですよね?」と驚いてらしたので、『母さん、ごめん。』という本を読みまして…と説明したら、大変納得されてました。

1時間もあれば読めると思うので、是非読んでみてください。オススメです。

 

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