おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

マンガを母語で読める幸せを噛み締めながら、一生かけても読みきれないマンガの広大さと深淵さに呆然としています

『日本マンガ全史』というとんでもないタイトルの新書を読みました。

副題には『「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで』と書かれています。 

鳥獣戯画(12世紀)から鬼滅の刃(21世紀)ですよ…。マンガの歴史、すごいです。

 

読みながらずっと思っていたこと

もし私が億万長者だったら、この新書に出てくるマンガを全て買い集めて図書館を作りたいです。そしてこの本に出てくる順番通りに並べて、この本を片手に順番に読み進めます。鳥獣戯画から鬼滅の刃まで。少年漫画も少女漫画も青年漫画も掲載されている全作品をひとつずつ読みながら、日本のマンガ史の流れをじっくりたどっていきます。そして、この漫画家の他の作品も読みたい!と思った場合はメモしておきます。

1周目が終わったら、今度はメモしておいた漫画家の他の作品も可能な限り買い集めて、登場する順番通りにもう一度読み進めます。2周目はとんでもなく時間がかかると思いますが、とにかく全部読みます。

そして私がこんな贅沢な1周目と2周目を楽しんでいる間に、日本ではさらに新しいマンガが続々と生まれているに違いないので、新たなマンガもどんどん蔵書として増やしていきます。翻訳された作品も読み比べたい。(私が英語しか読めないから、とりあえず英訳されているものだけ集める…しかし将来的にはドイツ語とか中国語とか韓国語とかいろんな言語に翻訳された日本のマンガを各国語で読み比べたい)

 

図書館には友人を招いて、私が読んで感動したマンガを勧めたり友人のお勧めマンガを教えてもらったり、マンガ史や出版社の戦略や今後のマンガ界の予想など好きなだけ語り合います。

億万長者だから、一流のシェフを雇ってグルメ漫画に出てくる食事を作ってもらったり、登場人物が食べているメニューを再現してもらったりしてマンガの世界に浸ります。

 

ずっとこんな妄想をしながらこの本を読み通しました。億万長者になりたいです。

 

読みながらツイートしました 

 

私が特に面白いと思ったこと(一部)

手塚治虫のお母様に大感謝

・手塚治虫の母親は「マンガをおもちゃ代わりに買ってきてくれ、しかも、声を出して読んでくれもした」

→私も最近息子たちにマンガを読み聞かせましたが(これです)、絵本と違って擬音語も多いのでマンガの読み聞かせって難しいなあと思っています。マンガを200冊以上買い集めて読み聞かせてくれたお母様のおかげで手塚治虫氏が小さい頃からマンガに親しんだと思うと、お母様ありがとうございます…という気持ちになります。

 

マンガへの批判

・1950年代後半に悪書追放運動がピークを迎え「児童マンガは子どもの思考力を低下させる」というレッテルが貼られた

→国際子ども図書館の絵本史の展示で、戦後すぐの時代には「『保護者は絵本を介さず、じかに子どもと向き合うべき』と、幼い子供に絵本を与えることへの懐疑的な声もあった」と書かれていたことを思い出しました(以前のブログに書いてます)。令和の時代には子供への絵本の読み聞かせは肯定的に捉えられているし、児童マンガが子どもの思考力を低下させるという批判はあまり聞かないですね。時代の流れを感じます。

 

ストーリーを作る人と絵を描く人を分ける

・1960年代に牧野武郎氏(編集長)が「原作・作画分離方式」を導き出した。筋書きを作るのが得意な者と、画を描くのが得意な者とで才能の分業をする。

→例えば『巨人の星』はこの方式で製作されたそうです。得意分野で分業するのは非常に合理的だなと思います。ストーリーも絵も得意な漫画家さんって本当にすごいんだな…と改めて思いました。

 

少女マンガの発展 

・マンガ文化は少年誌・青年誌を中心に展開してきた。少女マンガが独自の存在となるのは1960年代以降であり、やがて少女マンガが少年誌・青年誌にまで影響を及ぼすようになる

→少女マンガについて第7章でじっくり語られますが、この章を読むのは本当に心躍る時間でした。私はやはり女性なんだなと認識しました(少年漫画も好きだけど、やっぱり少女漫画にワクワクしてしまう!)。億万長者にはなれなかったとしても、この章に出てくるマンガは一生かけてでも全部読みたいです。一条ゆかり、山岸涼子、竹宮惠子、萩尾望都、吉田秋生、川原泉…、もはやお名前を見ているだけでテンションが上がります…!

 

キャプテン翼はすごい 

・『キャプテン翼』が始まった1981年は日本にはJリーグはまだ存在せず、サッカーは子どもたちの人気スポーツとは言えなかった。キャプテン翼は少年のサッカー人口を増やすことに貢献し、中田英寿、ジダン(フランス代表)、メッシ(アルゼンチン代表)、フェルナンド・トーレス(スペイン代表)など日本国内にとどまらず世界中のサッカー選手に感化を与えてきた

・イタリア代表のアルベルト・ジラルディーノは「小学校のクラスメイト全員が翼に夢中だった」と述べている

→マンガの影響力の強さ、すごいですね。マンガをきっかけに将来の職業を志すようになった人、サッカー以外でも見聞きします。

 

翻訳の難しさ

・日本では海外の市場を意識して作品を作る余裕はなく、米国では民間のファンが先導して日本製アニメ・マンガのファン仲間を地道に増やしていった。タテ書き右開きの日本マンガを、ヨコ文字左開きのフォーマットに落とし込むのが第一の課題。採用されたのは「反転させて印刷する」方法だった

→これはびっくりしました。イラストを反転させると随分雰囲気が変わってしまうように思いますが、反転された英訳マンガをぜひ読んでみたいです。

・また、日本語や日本文化を理解しながら、米国の読者に訴える言葉を探す作業は大変だった

→マンガの翻訳作業を地道に辛抱強く取り組まれた翻訳者の方々、尊敬します。最近では鬼滅の刃の英訳が話題になりましたね。

 

電子コミックの時代へ

・2017年に、コミックの市場規模で「電子が紙を上回った」(紙市場の落ち込み&電子出版の伸び)

→これは初耳でした。私も家のスペースの関係でマンガをKindleで読むことが増えてきました。それでもどうしても気に入ってしまったマンガは紙で購入しています。紙で読む方が断然好きです。最近紙で買ったのは鬼滅の刃です。

 

最後に

この本を読み通すのに数日かかったわけですが、日本マンガの歴史に圧倒され、呆然としながら読み終えました。

日本のマンガを読みたくて日本語を学ぶ海外の方も少なくないとのこと。これだけの量と質に恵まれたマンガを母語で読める幸せを改めて噛み締めています。

この本に出てくるマンガを全て読みたいし、この本には掲載されていないマンガもまだまだあるそうなので、きっと私の一生をかけても「読みたいマンガを全部読む」ことはできないのだろうと思います。

 

私が億万長者になったら、この新書に出てくるマンガを全て買い集めて図書館を作りたいです。そして後世に残します。

 

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