逃げ恥の新春スペシャル、やっと見ました!
主人公・森山みくり(新垣結衣)は 独身の会社員・津崎平匡 (星野源) の家事代行の仕事をきっかけに秘密の契約結婚をスタートさせた。一緒に暮らすうち本当の恋人になった二人は「共同経営者」として共働きになり2年、幸せな日々を過ごしていた。そんな中、みくりの妊娠が発覚。二人はついに正式に“結婚”することに…。一方、みくりの伯母・百合(石田ゆり子)も人生の大きな転機を迎えていた・・・。
(TBS番組内容より引用)
非常に多くのテーマが描かれたドラマでしたね。
現代でも職場の人手不足で「妊娠の順番待ち」をしなければならない現実や、選択的夫婦別姓がなかなか実現しないこと。男性がつらさを人に見せられないこと。同性愛(男性同性愛も、女性同性愛も)、子宮体ガン(毎年の検診だけでは発見できない)や、「ひとりで生きていく」人の話。妊娠出産への男女の意識差。男性育休の取りづらさ。そしてコロナ禍の新生児育児。
コミカルなシーンでは大笑いして(私は星野源が「無計画じゃないか!」と叫んだ破水のシーンで一番大きな笑い声を上げました)、そのほかのシーンではかなり泣きながら視聴しました。
すごいなあ、ドラマでこんな風に現代社会を描けるんだなあ、と感動しました。
コロナ禍の部分はドラマオリジナル
原作の漫画はコロナ禍直前で完結しています。
登場人物たちがコロナ禍に直面するストーリーの部分は、ドラマのオリジナルで描かれたそうです。
(参照:『逃げ恥』海野つなみが語る、現実の“曖昧さ” 「2人は子どもがいない夫婦になる選択肢もあった」|Real Sound|リアルサウンド ブック)
男性育休について
主人公の津崎さん(星野源)が、妻の出産に合わせて育休を取得します。しかし職場の上司(プロジェクトリーダー)である灰原さんは、男性が1週間以上の育休を取得することに否定的です。
そのときの登場人物たちの会話が本当に素晴らしかったので、思わずPCを立ち上げてほぼ全文をメモしてしまいました。ドラマ開始から1時間8分くらい。太字は私が特に良いなと思ったところです。
==(以下、書き起こし)==
灰原:リリースまであと1年 非常に時間がありません。さらにまあ いずれわかることなのでお伝えしておきますが、弊社のスペシャリストが途中で1ヶ月も仕事を休むことになってまして。いやあ1ヶ月もなんて、もう困っちゃいますよ ねえ?
津崎:灰原さん、上には伝えたんですが 7月に妻が復職するのでその頃また2ヶ月の育休を取る予定です。
灰原:はあ、まじ?増えてんじゃん。つかなに?そのさも当然みたいな顔
沼田:ねえ、なんで灰原さんは怒ってるの?
灰原:いや怒ってないです
沼田:じゃあ、もやもやしてる?もやりてぃ?
灰原:まあ…
沼田:そのもやりてぃの原因は?
いち、長く休みを取るから
に、男が育休を取るから
灰原:さん!男が「長く」育休を取るから!
沼田:それさあ、育休だから嫌なの?じゃあ他の理由だったら?
灰原:他?
沼田:例えばね、突然の事故
家族の病気介護
自分自身の体調が崩れる場合もあるよね?
育休でも他の理由でも同じ
いつ誰が長い休みを取るかなんてわからない
働いてるのは人間なんだから
そういうことでしょ?
そのとき何が大事かって言ったら
誰が休んでも仕事は回る
帰ってこられる環境を普段から作っておくこと
それが職場におけるリスク管理
日野:リスク管理って誰の仕事?
風見:プロジェクトリーダーじゃないですか?
日野:あ、灰原さんか!
沼田:日野くん、灰原さんはね、それができると見込まれてるからプロジェクトリーダーなのだよ。だよね〜?
灰原:…もちろんです!
沼田:じゃあこの話は解決 会議を始めましょう
灰原:はいっ
==(書き起こし終わり)==
引用:2021年1月2日放送『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』
あああ、めっちゃ良い。
男性が育休を取ることの是非を論じるのではなく、本来職場にいる人間がいつどんな事情で長く休むことになったとしても仕事が回るようにしておくべきという議論に持っていき、最後はプロジェクトリーダーを褒めて前向きに締める。私もこんな風に場の空気を変えられる人間になりたい!と思いました。
私は、男性が育休を取るのが当たり前の社会になってほしいと思っているし、育休以外のどんな理由であっても(それが介護でも勉強でも副業でも趣味でも)、個人的な理由で仕事を休む・勤務時間を短縮することのできる社会であってほしいと思っています。
以前、男性育休について書いた記事がこちらです。良かったら読んでください。
名ゼリフの宝庫でした
なお、上記の男性育休にまつわるセリフは私が個人的にまた読み返したいなと思って書き起こしましたが、他にも名ゼリフが山盛りでしたね。
この記事がとても良かったので未読の方は是非どうぞ。
みくりを目指したい
逃げ恥スペシャルは「強者のドラマ」だった(=金銭的・社会的に豊かな人しか登場しない)とか色々批判もあるようですが、私個人としては学ぶものが多い良ドラマでした。
特に、主人公の女性(みくり)が「自分は職場の同僚や友人たちにつらい時にはつらいと言って話を聞いてもらったけど、夫にはそういう相手はいたんだろうか」と気づくところは私もどきっとしました。
男性はつらい時につらさを表明しない人が多いようですが、夫や息子たちが「つらい」と言いたい時には言える相手でありたいなーと思いました。
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