私が国際子ども図書館の存在を知ったのは数日前なのですが、早速家族4人で行ってきました。
国際子ども図書館とは
・日本初の国立の児童書専門図書館
・2000年に開館(国立国会図書館の支部)
・1906年に帝国図書館として建てられた明治期ルネサンス様式の建物を再生・利用
先日Twitterで知った「国際子ども図書館」に初めて行ってきました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) November 8, 2020
・入場無料、予約不要
・日本で唯一の国立の児童書専門図書館
・明治〜現代までの「絵本史」が見られる
・建物がとても美しい(東京都の歴史的建造物に指定。改修には安藤忠雄が参画) pic.twitter.com/ijuO7uYsaz
絵本史がとても面白い
2階の「児童書ギャラリー」は、明治から現代までの日本の子どもの本の歩みをたどる常設の展示室になっています。絵本史と児童文学史に分かれていて、展示されている1500冊の絵本や児童書を手に取って読むことができます。とても見ごたえのある展示でした。できれば子連れでなくひとりでゆっくり再訪したいです。
今回は絵本史の方しかじっくり見られませんでした。
私が面白いと思った絵本史のこと
・日本で絵本の対象が3歳未満に拡大したのは戦後、乳幼児への教育が注目されるようになってから
・当時は「保護者は絵本を介さず、じかに子どもと向き合うべき」と、幼い子供に絵本を与えることへの懐疑的な声もあった
・その後研究が進んで、幼い子どもに絵本を与えることの価値が認められていった
・戦後~1950年代までは「現代絵本の出発」期。敗戦後まもない時期から、子どもたちの心を満たそうと、とぼしい物資をつぎこんで、絵本や児童雑誌が次々と刊行された
・1960~1970年代は日本の絵本の「黄金期」。戦後、欧米の絵本作りに学んできた成果。高度経済成長を背景に生き生きとした喜びを伝える絵本が生まれる
・1970年代の「絵本ブーム」で、絵本の出版点数が年間1,000点を超える
・1980年代の少子化とテレビゲームやアニメの普及で「子どもの活字離れ」が語られるようになり、絵本ブームは収束。一方で戦後から積み上げてきた絵本研究の実りの時期でもあり、日本の絵本の国際評価は高まる。
・1990年代には絵本をアートとしてとらえる見方が広まる
・2000年代はじめのふたつのブーム:①大人の絵本ブーム、②読み聞かせ絵本ブーム(家庭だけでなく集団を対象に)。
絵本は時代の空気、社会を反映する文化でもあるとのこと。
令和時代の絵本がどうなっていくのか、興味津々です。
期間限定の展示会がとても面白いです
3階で開催されている展示会「平成を彩った絵本作家たち」が12月27日までです。
懐かしの絵本がたくさん並んでいるので、絵本好きな方にはたまらないと思います。
ちゃんと子供の目線の高さにガラスケースに入って絵本を展示してくれているので、3歳長男も1歳次男も展示を楽しむことができました。特に長男は「これ、保育園にもあるよ!」とか、「これ読みたい!」とか言いながら見ていました。
「子どものへや」
これは1階にあります。
子どものへやには、国際子ども図書館の約40万点の蔵書から、おもに小学生以下の子どもを対象とし、広く親しまれてきた絵本や読み物、理解を深める知識の本を約1万冊集めています。(引用:子どものへや・世界を知るへや|各室の利用案内|利用案内|国立国会図書館国際子ども図書館)
天井が、「部屋のどの位置にいても影ができないよう工夫した光天井となっている」そうで、明るく開放的な雰囲気の図書室です。
コロナ禍で「滞在時間の短縮にご協力ください」と公式サイトに書いてあるのであまり長居はしませんでしたが、本当はこの部屋で1時間くらい本を読んで過ごしたかったです。
「世界を知るへや」
「子どものへや」の隣には「世界を知るへや」があるのですが、これが帝国図書館時代には貴賓室として使用されていた部屋とのこと。床板が寄せ木細工になっています(すごい)。「旧帝国図書館の中で最も格式が高く、一般の利用には供されていなかった」部屋を、国際子ども図書館として開館するにあたって開放したそうです。
「世界を知るへや」には各国語の本が並んでいて面白かったです。特に私は「世界で読まれている日本の子どもの本」コーナーが好きでした。
例えば有名な『きんぎょがにげた』が数ヵ国語でずらっと並んでいるのですが、アラビア語版の表紙だけ、絵が反転しています。アラビア語が右から左に読む言語なので、それに合わせたのでしょうか。※これ、図書館の方に質問したら「そうです」とのことでした(11月16日追記)
また、『みんなうんち』という絵本も各国語で並んでいましたが、台湾語では「大家来大便」と書かれており、字面のインパクトがすごいな…と思いました。
『魔女の宅急便』は国によって絵のタッチが全く異なっており、見比べるのも面白かったです。
長男と次男が「これ読んで~」と色々本を持ってくるのですが、そもそも何語なのかも分からない本があったりして、なかなかできない体験をしました。(雰囲気で読みきかせました)
アクセス
国際子ども図書館は上野駅から徒歩10分です。上野公園に隣接しているので、遊び場も昼食場所も豊富にあり、子連れで1日過ごせると思います。
すぐ隣には黒田記念館もあるので、黒田清輝の絵画が好きな方は是非寄ってください。年に3回しか公開されない特別室があり、運よく見ることができました。次の公開は1月ですね。
コロナ禍の対応
現在、整理券を配布した入館制限を実施していますが、私達が行ったときは空いていて普通に入れました(天気の良い週末の10時頃)。
3歳以上の子どもは原則としてマスク着用です。(嫌がるなら無理にする必要はありません、とのこと)
ガイドツアーや子どものためのおはなし会等のイベントは休止です。
期間限定でVR見学ができるようになっています
国際子ども図書館に関心があるけど遠い!という方へ。期間限定ですが、図書館内をVRで見られます。
夢の図書館―東京上野・国際子ども図書館をおうちで見学
・コロナ休館した施設を支援する一般社団法人VR革新機構の協力で作成
・2020年12月末まで公開予定
私も見てみました。残念ながら「平成を彩った絵本作家たち」の展示は見られませんが、建物の美しさは存分に味わえますし、2階の児童書ギャラリーは中に入って見ることができました。試してみると面白いと思います。
オンライン見学会も
また、国際子ども図書館の、オンライン見学会が開催されるみたいです!
図書館見学会_ONLINE(国際子ども図書館)にようこそ!
平日日中ですが、私はたぶん参加します(在宅勤務の昼休みを使って)。
・11月16日(月)13:30-14:00
・事前の申し込みは不要
楽しみです。
国際子ども図書館、まだ一度行っただけなのにこんなに語ってしまいました。たぶんまた行くと思います。
絵本好きな方であれば、大人でも子どもでも楽しめる図書館だと思います。是非行ってみてください。
【2020年11月16日追記】
オンライン見学会に在宅勤務の昼休みを使って参加しました。すごく面白かったです。メモをTwitterで7ツイに分けて連投したので、興味ある方はどうぞ。
オンラインツアー面白かったです!
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) November 16, 2020
個人的なメモ
・「東洋一の図書館」を目指して明治39年に建てられた帝国図書館の建物を利用
・1990年代の子どもの読書離れの懸念から、国際子ども図書館として開館
・開架のほか、蔵書(絵本、児童書、教科書、研究所)のほとんどは書庫にあり、申請すれば閲覧可能
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