おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

BBCドラマのレミゼラブルとコラムが極上の娯楽です本当にありがとうございます

ドラマが素晴らしすぎて観ないともったいないです

NHKで毎週日曜に放送されている、全8回のドラマ『レ・ミゼラブル』が素晴らしいです。BBCが2018年に制作したもので、映像が美しい上にドラマのオリジナリティも垣間見えてものすごく面白いです。このドラマ脚本を書いた人、絶対にミュージカル版のファンだと思います(歌詞がセリフになって随所に…!!)

www4.nhk.or.jp

 

コラムも絶対読んでください

ドラマ自体も素晴らしいんですが、このドラマに合わせて鹿島茂さん(日本が誇るフランス文学研究者)が最高のコラムを書いているので絶対に読んでください。ドラマの放送に合わせて順次公開されています。

原作小説も読んだしミュージカル舞台も映画版もとにかくレミゼと名の付くものはみんな観たよ、という方であっても、鹿島さんの文章を読んだら必ずひとつ以上の「へええええ、知らなかった…!」という感動ポイントがあるはずです。私はいっぱいありました。

 

NHKの新サービス、NHKプラスで7日間は見逃し配信されます

2020年3月1日に始まったNHKプラス、ご存知ですか?NHKの受信料を払っている人なら無料で使えます。NHKの番組が放送から7日間は見放題になります(すべての番組ではないようですが、レミゼは対象です)。

公式サイト:https://plus.nhk.jp/

見逃し配信には事前の登録が必要ですが、3分で登録できます。登録すればすぐ見られるようになります。数日後にNHKから確認のハガキが来ます。ウェブサイトはちょっと分かりにくいけど、登録する価値ありだと思います。

今ならまだレミゼ第2話は見られますよ!(見なくても鹿島さんのコラムを読めばついていけますが)

 

私がドラマ版レミゼを見たメモ

さて、需要があるかは分かりませんが、私がBBCドラマ版のレミゼを見ながら、「ここは原作小説とはあえて変えてるんだろうな」「これはミュージカル版には出てこないけど原作小説に忠実に描かれてるな」などと思ったところを、(すべてではありませんが)メモしたので公開します。

でもこんなメモを読んでいるヒマがあったら鹿島さんのコラムを読んでくださいね。

コラムも読んだしドラマも見た、とにかくBBCドラマ版について何でもよいから読みたい…!というテンションの方はぜひ読んでください。そして他にお気づきの点があれば教えてください。

私が第1話を見たメモ

原作小説と違うところ

・なんと原作ともミュージカル版とも異なり、ワーテルローの戦場のシーンから始まる! ※これについては鹿島さんのコラム①に詳しいです

・マリウスの幼少期が描かれる(天使のように可愛い)

・若く幸せな頃のファンティーヌが、マリウスのお父さんと街ですれ違ってる…!(幸せな時代だったらふたりは義理の家族として仲良くできたのかな、と思わされました)

・ジャベールが黒人。びっくりしました。 ※これについても鹿島さんのコラム①をご覧ください

・バルジャンが看守をわざと生き埋めにした!!そしてその日にジャベールに呼び出されていじめられてる…なにこの展開。

・ファンティーヌとフィーリックス(孕ませて逃げる最低男)の出会いのシーンが描かれている。友人からちゃんと忠告されるのに、結局身を持ち崩すファンティーヌの愚かさよ…。

・バルジャンが荷下ろしを手伝って7スーのはずが5スーしかもらえなかったけど、原作では「1日30スーもらえるはずが25スー」なので、金額がえらく違うなと思いました。たぶん労働時間の差。

・司教様の妹が出てこない(マグロワールしかいない)

・司教様がバルジャンに「ヤギの乳を出そう」と言っている。原作では「家の牝牛から取れる乳を一杯あたかかくして差し上げましょう」と言っているので、ここはなぜか牛乳からヤギの乳に変えたのかしら?原作をフランス語で読んだ方がいたらヤギなのか牛なのか教えてください。

 

私が第2話を見たメモ

原作小説と違うところ

・ファンティーヌが出産後に男に捨てられてる(原作では妊娠中に捨てられる)。フィーリックスは、赤ちゃん(コゼット)を捨てることに躊躇わなかったんでしょうか。原作だとフィーリックスはファンティーヌの妊娠を知らなかったはずなので、このドラマ版の展開には驚きました。

・ファンティーヌが街についた日にバルジャンが市長に就任してる

・ジャベールが初めからマドレーヌ氏の正体に気付いてる様子。鋭すぎる。

・工場の女工長がわざわざコゼットに会いに行ってる(原作ではおせっかいな門番の女がコゼットを見に行く)

・ファンティーヌをバルジャンが直接雇用・解雇してる(あの悪いセクハラ工場長が出てこない)

・ファンティーヌがコゼットのために黒ビーズで小鳥のおもちゃをつくってた。(もしやこれが新商品として大ヒットして、ファンティーヌが企画部長として出世して…というアナザーストーリーを思い浮かべてしまいました)

 

原作に忠実で、ミュージカル版には出てこないところ

・バルジャン、司教様に救われた直後には改心しない。ミュージカル版だと司教様に救われてすぐに歌いながら改心してしまいますが、原作では違います。BBCドラマ版は原作通りの展開。ただしバルジャンが司教様に「がおー!」と吠えたのには驚きました。

・ちゃんとプチ・ジェルヴェが出てきた!

・ガヴローシュがテナルディエ夫妻の息子としてちゃんと登場(ミュージカル版は観たけど原作は読んでない方だと、ガヴローシュがテナルディエ夫妻の息子であることを知らない人が多いようです。テナルディエ夫妻は結構子だくさんで、エポニーヌとアゼルマ姉妹の下に男の子が3人くらい産まれるんですが、どうしても可愛がることができなくて売り飛ばしてしまうのです)

 

ぜひぜひ観てください

あー、日曜夜の第3話が楽しみです!ドラマとコラム、絶対みてくださいね!

 

ドラマでレミゼの面白さにハマりつつある方は、是非ぜひ原作小説も読んでください。すっごく面白いです。

ジャン・ヴァルジャンはすすり泣きし戦慄しながら徒刑場にはいった、そしてまったく没感情的になってそこから出てきた。彼はそこに絶望をもってはいり、そこから沈鬱をもって出てきた。

彼の魂のうちにはいかなる事が起こったのであったか?

(豊島与志雄訳『レ・ミゼラブル』第二編 墜落より引用)

 

【合わせて読みたい】

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com