「知っている人は知っている」ミュージカルだったはずが
Wickedの知名度、日本ではどうなんでしょう?
今までは劇団四季のおかげでミュージカルファンへの知名度はかなり高かったように思います。とはいえ「ミュージカルファンが熱狂的に支持している作品」にとどまっており、一般的には「なにそれ?」「オズの魔法使いと関係ある話なの…?」というくらいの認知度だった気がします。
先日、私の母に「Wickedって映画知ってる?」と聞いたら「知らない。ウィキッドってどういう意味?」と言われたので、「英語で邪悪という意味だよ」と伝えたところ「面白そうね…」と言ってました。面白いよ。
どんな話なのか、というのは下記の映画公式サイトの説明がもっともシンプルで分かりやすいと思います。
名作小説「オズの魔法使い」で少女ドロシーがオズの国に迷い込むずっと前に遡り、この国で最も嫌われた“悪い魔女”と最も愛された“善い魔女”の過去をふたりの視点から描いた物語「ウィキッド」。感動と興奮に満ちたエンターテインメント超大作でありながら、私たちが持つ物事の見え方を一変させ、今を生きるあらゆる世代の心に、深く残る作品に仕上がっている。
突然のWicked大流行
2025年3月7日に日本で映画が公開されるのに合わせて、突然あちこちでWickedコラボのイベントを見かけるようになりました。
ミッドタウン日比谷はピンクと緑の花で飾られ、スタバのコラボ商品は炎上し、ユニバーサルスタジオジャパンでもWickedコラボイベント、キタムラがWickedコラボの牛皮バッグを出し、citizenがコラボの時計を出し、3coinsにはWicked特設コーナーが設けられ、zozoやAZULでもコラボ商品が出ています。どうしたんだ。
私は2012年にNYのブロードウェイでWickedの舞台を観て以来ひそかなファンだったのですが、突然の日本でのWicked大流行に戸惑いつつも心が沸き立っております。
※スタバの件が気になる方はこの辺りの記事がわかりやすいかと。
「とても残念」「知らなかった」スターバックスと映画『ウィキッド』のコラボが物議を醸したワケ | 女子SPA!
Wickedはただの楽しいエンタメ作品ではなく、割と社会情勢を反映した骨太なメッセージが込められた作品でもあるんですよね。
そして、1995年に刊行された『ウィキッド』の原作小説では湾岸戦争を、2004年に初演となったミュージカルはイラク戦争を反映しているという話もあり、今回の映画からまさにイスラエルによるパレスチナのガザ地区への侵攻、それに至る国際的な状況を連想した人もいる。「パワーバランスが明らかに一方的」な様と迫害が描かれ、それがさらなる悲劇へとつながることを想像させるからだ。
映画館で観てよかった
素晴らしい映画でした。舞台だと1幕・2幕あわせて約3時間ですが、映画だと今回公開されたPart1だけで約3時間近いので、舞台では描き切れなかったディテールや登場人物の繊細な心の動きが丁寧に描かれます。
さらにさすが映像作品ならではのダイナミックさで、マンチキン国(900万本のチューリップが実際に栽培された!)やエメラルドシティ、シズ大学などの広大な風景が描かれ、”重力に逆らって”空を飛ぶシーンも素晴らしい緊迫感とリアリティで映像化され、もうこれは舞台では決して見られないであろうディテール&ダイナミックさです。Wickedを映像化してくださって本当にありがとうございます…という気持ちです。
映画館の大スクリーンと素晴らしい音響設備でこそ存分にこのディテール&ダイナミックを味わえると思うので、是非是非映画館で観てください。
字幕と吹替と、あと4DXという選択肢もあります。私は妊婦なので4DXはルール上観ることができず、おとなしく普通に字幕版で視聴しました。でも4DXで観た方からの評判もすごく良いようなので、アトラクションが好きな方は4DXも是非選択肢にどうぞ。
私の友人は字幕で観るつもりが間違って吹替で観てしまったそうなのですが(笑)、高畑充希さんや海宝直人さんの吹替が素晴らしかったそうです。私も吹替も観たいな…。
原作小説も読むことにしました
映画を見終えてから、とりあえず即座にパンフレットを購入(タイミングによっては売り切れていることもあるようです、すごい人気ですね)。990円というお手頃価格なのに文字多めで読みごたえあって最高です。
さらに3coinsでチュールポーチ(2種/各660円)を買いました。ピンクと緑とどちらの色にしようかな…と悩んだのですが大人なので両方買いました。可愛いです。
そして原作小説も買いました。Amazonでも楽天でも一時的に売り切れていたので近所の本屋さんに行ったらラスト1セット(上下巻)置いてありました、嬉しい。
もともと自宅にあったブロードウェイオリジナルキャスト版のCDも引っ張り出してきて、並べて写真を撮りました。
いやー楽しい。
主人公の名前「エルファバ」についての豆知識。
ウィキッドが大流行していて大歓喜してるので、私が10数年前に買ったブロードウェイ版CDの歌詞カードに書いてある豆知識をひとつ書かせて下さい。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) March 15, 2025
>ちなみにエルファバの名前は《オズの魔法使い》の著者であるLyman Frank Baumのイニシャル、エル(L)・エフ(F)・ビー(B)にその起源がある pic.twitter.com/RlYV32U97n
Wickedファンが日本で爆増することを願っています。
長い長い「幕間」が始まりますね
ちなみに映画の後編がアメリカで公開されるのが2025年11月なので、日本での公開は2026年になるのではないかと思います。舞台でもDefying Gravityで1幕が終わって観客席が拍手に包まれたあと、2幕が開くまでは現実に戻り切れないような時間を過ごすことになりますが、まさかの映画版は幕間が1年近くもあると…。
まあ私はこの幕間の期間に第三子の出産がありそうなので、小説片手に後編公開を待つことにします。後編は4DXで観たいなー。
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