おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

BBCドラマのレ・ミゼラブルを第8話まで見終えました。素晴らしかったです。

このタイトルのブログを読み始めてくれた方は、

①BBCドラマのレミゼを全部見た、感動のあまりレミゼについて書いているブログを読み漁っている人

②BBCドラマのレミゼの評判が良かったので、今からでも録画しておいたものを見るかどうか決めるために検索している人

③上記どちらでもないけど、ブログ「おたまの日記」をずっと読んでくれている人

の3種類かと思います(それ以外の方がいたらすいません!)。

 

①の方はどうぞ読んでください。本当に素晴らしかったですね…。

②の方は、こんなブログを読んでいるヒマがあったら今すぐドラマを見ることをオススメします。50分×8話で400分です。あなたの人生のうち400分をこのドラマに使っても、絶対に後悔しないと思います。

③の方は、いつもありがとうございます!!でもドラマを見てない方が読まれると意味不明かと思います、ごめんなさい!!

 

第1話、第2話までを見て書いたブログはこちらです。

www.shiratamaotama.com

 

ここから先は、第3話から8話までを見て書いたメモです。

(実はリアルタイムで視聴してブログも毎回書いていたのですが、他にブログで書きたいことがたくさんあったのと3日に1回しかブログ投稿しない自己ルールを守ろうとした結果、第3回~第8回の視聴メモをまとめて公開することになってしまいました。もはやただの自己満足ブログです)

 

第3話

・「バルジャンを見つけた」と報告したジャベールが、「人違いだ、バルジャンなら4日前に逮捕された。もっと慎重になれ」と叱られます。このとき、ジャベール以外の警察官が全員白人なので、ジャベールを見る冷たい目線には人種差別もあるのだろうか…と感じさせる演出でした。

・幼いマリウスがつけぼくろをつけている。可愛い。当時は上流階級でつけぼくろが流行していたようですね。もともとは天然痘の跡を隠す用途だったのが、肌の白さを強調するお洒落アイテムになったとか。(参照:パッチ化粧(つけぼくろ)とは? | ポーラ文化研究所

・マリウスのお父さんが亡くなるの、早い。原作ではマリウスが16~17歳くらいのときに亡くなるのに、ドラマ版だとマリウスはまだ12~13歳くらい。※これは鹿島さんのコラム④に詳しいです

・ファンティーヌは、「どうせ身売りするなら歯と髪を残しておくべきだった」、その通り。私もずっとそう思っていました。「そんな姿の女に誰が金を出す?」との代筆屋の指摘が厳しいですね。。でもギリギリまで身を売りたくなかったんですよね。

・バルジャンが名乗り出るかどうか悩む心境がBBCドラマ版ではあまり説明されない。原作では結構ここの悩みは丁寧に描かれます。①自分がバルジャンだと名乗り出れば逮捕されるが、誤認逮捕された無実の男を救える。でも自分が逮捕されれば工場が閉鎖されて多くの人が職を失うだろう。ファンティーヌも救ってやれない。②名乗り出なければ、自分の代わりに無実の男が終身刑になる。そして自分の魂も終わりだ。

・バルジャンが自分でコゼットを迎えに行かず、工場の女工長にコゼットを迎えに行くように指示してる。そして女工長はバルジャンの言葉に背いて迎えに行かない…!

・バルジャンがアラスの法廷で名乗り出る現場にジャベールが立ち会ってる!!!(原作ではジャベールはここにはいない)

 

 第4話

・バルジャンの脱獄シーンがない(いつのまにか脱獄してる。原作では溺死を装って脱獄)

・コゼットが見つめている人形、「本物の人毛を使ってるよ…歯が欲しい人はいるか…?」との売り口上。ファンティーヌの髪と歯を買った商人じゃないですか!!コゼットが見つめる先には、母親であるファンティーヌの歯が売り物として並んでいるんだろうか、と思うとドキドキしました。

・ああ、天使のように可愛かったコゼットがすっかりみすぼらしくなっている…。「レ・ミゼラブル」といえば有名な、コゼットがほうきを抱えた絵を思い出す方が多いと思いますが、この絵が描かれた当時、「ほうきが大きすぎるのではないか」との批判もあったそうです。詳しくは鹿島さんのコラム5をご覧ください。

・まさかバルジャンがコゼットに買ってあげた人形は、ファンティーヌの髪を使ったものだったりして…?髪色が黒いから、さすがに違うかしら。一部でも母親の形見が残っていたら良いのに。

・ぎゃああ、テナルディエがバルジャンの寝室にコゼットを呼ぼうかともちかけた…原作ではさすがに児童買春までは描かれていなかったので、ショックでした。そういう解釈もありか…。

・バルジャンがコゼットを引き取るためにテナルディエ夫妻に払った1500フランは、現代の貨幣価値に換算すると約150万円とのこと(参照:鹿島さんのコラム5

・バルジャンとコゼットの住んでいるアパートの管理人がおせっかい婆さん。よくぞあんな似顔絵でバルジャンだと分かりましたね…。原作ではジャベールが自らバルジャンを探し当てますが、BBC版では管理人が通報します。

・壁を超えて侵入した修道院で、フォーシュルバンじいさんではなく、ファンティーヌを看取ったシスターに再会する。原作と全然違う。

・修道院長みずから庭師の仕事を提案してくれた!!ここでも「愛のバトン」が渡されるのね。

 

第5話

・修道院の様子、映像で見るとわかりやすい…。こうやってベッドにひざまずいて祈るんだ。

・マリウスが父親のことを知る経緯がドラマチック。さすがドラマ版。

・コゼットに「閉じ込められたまま生きたくない」と言われたバルジャンは、牢獄にいた自分と重ね合わせたんだろうか。原作ではコゼットはあまりこういう自己主張をしなかったので、ドラマ版のコゼットはとても現代的な若い女性だなと思いました。

・マリウスの下宿の管理人が、昔バルジャンを通報したおせっかい管理人だ!

・コゼットを見るマリウス、ちょっと気持ち悪いストーカーみたい…私はこのマリウスとは恋に落ちる気がしないぞ。

 

私は毎回、ドラマ放映後に公開されるNHKサイトの鹿島さんのコラムを楽しみに読んでいるのですが、コラム6の『ちなみに、この時代には「恋」が許されていたのは既婚女性のみ』という文章だけは意味がまったく分かりませんでした。結婚してから夫以外の男性に恋をするの?不倫が容認されていたということ?良く分かりません。もっと当時のパリの社会風俗を知りたい…!

なお、鹿島さんのコラムのおかげで、ユゴー自身は金髪だったが、「成熟した青年には黒髪こそがふさわしい」というユゴーのコンプレックスのためにマリウスは黒髪の青年として描かれたのだ、という指摘があることを知りました。

 

第6話

・「コゼットがファンティーヌに似ている」と初めて思った。世間知らずで、男で身を滅ぼす危なっかしさをもっている。ファンティーヌは身を持ち崩したけど、コゼットはたまたま相手がまともだったのと、バルジャンに守られていたおかげで幸せになる。

・バルジャンは困窮を助けてほしいと頼んできた男が悪党テナルディエであると完全に分かっていながらテナルディエのもとを訪れる、という描写。ここは原作とちょっと違う。

・マリウスが拳銃を撃った!!!原作では最後まで撃てないのに!!!

・テナルディエが感染症(コレラ)の死者に扮して脱獄する。これは原作にはなかった描写だけど、新型コロナウイルスで大騒ぎになっている今見ると、かなりの説得力。鹿島さんのコラム7によると、当時のパリでは本当にコレラが大きな社会問題だったとのこと。首相もコレラで死亡したそうです。

 

第7話

・学生たちのバリケードは「初めから負ける覚悟」だったのかと思っていましたが、鹿島さんのコラム8を読むと、実は市中でのバリケード戦の勝敗は5分5分だったそうです。アンジョルラスたちは、市民が立つと信じてたんですよね。

・エポニーヌがマリウスを守ろうとして撃たれるシーン。原作ではエポニーヌは手のひらで弾を受けて、銃弾が腕を貫通したはず。BBCドラマ版では胴体を撃たれた感じかな。

・革命の失敗をさとって、アンジョルラスはちゃんと家族がいる人を帰すんだよね…。(原作でもそう) ここは日本人とはちょっと感覚が違うのかな。

・マリウスがガブローシュの遺体を回収したとき、バルジャンがマリウスを見る目が変わったような気がする。「なよなよした若者だと思っていたが…」と見直したのかな。

・エポニーヌの遺体がガブローシュの遺体のそばに並べられた…。死後、姉弟は一緒になれたのか。

・フランス語で原作を読んだ人にしかわからない演出が、鹿島さんのコラム8に!!

BBC版は英語なので、細かいニュアンスが伝わりませんが、原作では、ジャベールがこのとき「敬意を示す」二人称のVousを知らぬ間に用いていたことになっています。相手をVousで呼ぶというこのエピソードは、ミリエル司教からVousで呼びかけられてジャン・バルジャンが感動する冒頭のエピソードと正確に対応しているのです。

~今こそ、ドラマ『レ・ミゼラブル』~第8回コラムより引用)

 

鹿島さんのコラム、素晴らしかったです…。コラムがここで終わってしまうのがとても残念でした。最終回(ドラマ第8話)の解説も読みたかったです。

 

第8話

・バルジャンがジャベールに、マリウスが自分にとって「幸せを奪いに来る存在」だと打ち明けている。バルジャンとジャベールの関係性が、なんというか…しっとりしている。

・ジャベールが最期に書いた、囚人の扱い等の改善要望書が実務的で具体的で、これから死ぬ人とは思えない淡々とした文章だった。

・マリウスがバルジャンを冷淡にあしらう場面はドラマでは描かれなかった。原作だと結構ひどい扱いをしますよね。バルジャンがコゼットを訪問するたびに、部屋の暖炉から火が消えていたり、イスが消えていたり。

・バルジャン、最期にコゼットに会えてよかったね。ミュージカルだとここであの歌が聞けるんだけど、ドラマ版は静かな終わり方。

・ラストシーン、物乞いの男の子2人が「お恵みを」と手を出し続けるのに、通行人は足を止めてもくれない。この終わり方は現代にも続く「レ・ミゼラブル」を表しているのかな。

 

ああ、素晴らしいドラマでした…。全8話、家の録画機に永久保存してたまに見返そうと思います。作ってくれたBBCと、放映してくれたNHKに大感謝です。

 

おまけ:原作小説の終わり方

原作では、バルジャンが亡くなるシーンは下記の通りです。BBCドラマ版よりもマリウスの存在感があります。

「(略)…もっと近くにおいで。私は楽しく死ねる。お前たちのかわいい顔をかして、その上にこの手を置かして下さい。」

コゼットとマリユスとは、そこにひざまずき、我を忘れ、涙にむせび、ジャン・ヴァルジャンの両手に各々すがりついた。そのおごそかな手はもはや動かなかった。

完全版『レ・ミゼラブル』(豊島 与志雄翻訳)より引用

そして原作ではまだこの続きが少しあるんですが、なかなか味わいのある終わり方です。ユゴーは詩人だなあ、と思わされます。BBCドラマ版とは全く違うので、関心のある方は是非とも原作小説を読んでみてください!

 

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