おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

小学生の母になったので、学習指導要領をじっくり読みました

学校の先生の視点を知りたくて、学習指導要領を読んでみました。

改めて読むと、「そうか教育の目的はそういうことなんだ」とか新たな気づきが色々あります。

平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説):文部科学省 (mext.go.jp)

 

ちなみに文科省はこんな解説サイトも公開しています。「保護者の皆さまへ」という項目もありますね。

平成29・30・31年改訂学習指導要領の趣旨・内容を分かりやすく紹介:文部科学省

 

私は解説サイトでは物足りなかったので本文に挑戦しました。

 

学習指導要領を読んでみた

小学校の学習指導要領は、全部で337ページありました。長い!

まあ末尾にある関係法令などを除けば189ページです。うん、読める読める。特に1年生に関係する部分だけの拾い読みなら30分かかりません。

 

まず冒頭には教育基本法が掲載されています。

教育基本法

(教育の目的)
第一条 教育は,人格の完成を目指し,平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

崇高ですね。

 

 (義務教育)
第五条 国民は,その保護する子に,別に法律で定めるところにより,普通教育を受けさせる義務を負う。

私も国民のひとりとして息子に普通教育を受けさせる義務を負っているわけです。どきどき。

 

 

本文で、私が特に面白いと思ったのはこのあたり。

幼児期との接続

特に,小学校入学当初においては,幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが,各教科等における学習に円滑に接続されるよう,生活科を中心に,合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など,指導の工夫や指導計画の作成を行うこと

引用:小学校学習指導要領(平成29年告示)p21

「合科的」という言葉を初めて見ました。なにこれ?

 

合科学習
ごうかがくしゅう

複数の教科を統合し、ひとまとまりのものとして学習させること。

合科学習(ごうかがくしゅう)とは? 意味や使い方 - コトバンク

これのことかな。

 

入学当初の生活科を中核とした合科的な指導は、児童に「明日も学校に来たい」という意欲をかき立て、幼児教育から小学校教育への円滑な接続をもたらしてくれる。

小学校学習指導要領における「幼児教育との接続」や「スタートカリキュラム」に関連する主な記述:文部科学省

ほほー。そういうことまで考えてくれてるんですね。

確かに新一年生になった6歳長男、授業初日に唯一持参をもとめられた教科書は「生活の教科書」でした。どんな授業だったのか興味津々です。

 

各教科の目標も面白い

例えば国語。

1年生&2年生の目標の中に、「言葉がもつよさを感じる」という表現がありました。いいねいいね。

第 1 第 7 節 国語

〔第1学年及び第2学年〕
1 目 標 

⑶ 言葉がもつよさを感じるとともに,楽しんで読書をし,国語を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする態度を養う。

引用:小学校学習指導要領(平成29年告示)p28

 

長男の国語の教科書を見せてもらうと、確かに文字の書き方や助詞の使い方、句読点の使い方などの解説もたくさんありますが、詩を音読したり味わったりするページもあって、なるほどこれは「言葉がもつよさ」を感じてもらいたいのだなあ…と思いました。

ちなみに私は以前のブログに書いた通り、「漢字文化圏に生まれ育った醍醐味」を息子たちと共有できる日をとっても楽しみにしています。

www.shiratamaotama.com

 

1年生でもこれだけの漢字を習うわけですね。楽しみ~!

学年別漢字配当表(学習指導要領p42)

 

教科の記載順について

ちなみに学習指導要領の教科の記載順は、国語→社会→算数→理科→生活→音楽→図画工作→家庭→体育→外国語でした。

一般的な会話では「国語、算数、理科、社会」と言うことが多いですよね?この順番は何順なんでしょうね。

とりあえず国語が最初に書いてあるということは国語がすべての教科の基礎になるということなんだろう、と想像しています。

 

集団行動についても記載を発見

これは体育の教科の記載の一部です。

集合,整頓,列の増減などの行動の仕方を身に付け,能率的で安全な集団としての行動ができるようにする

引用:小学校学習指導要領(平成29年告示)p155

なるほどねー。

先日の入学式で、「起立・礼・着席」の連続に若干の軍隊っぽさを感じるなと思っていたのですが、日本の学校はこういう規律正しさ、能率的な集団行動をすごく重視しますよね。災害時の炊き出しできちんと列を作って並ぶ、秩序が保たれる、というのもこうした教育の成果なのかもしれません。

私自身もこういう教育を受けて育ってきたので、秩序だった整列や「起立・礼・着席」にはある種の居心地の良さを感じる部分はあるんですが、一方ではなんとなく我が子が部品の一部として工場に組み込まれていくような不安な気持ちもあります。

これまで保育園でのびのび、本当にのびのびのびの~びしてきた我が子を見てきたからかな。

 

学習指導要領、おすすめです

だいぶ話がそれましたが、学習指導要領をこんなにちゃんと読んだのは初めてでした。

長男の学年があがったら改めて読んでみても面白いかなと思います。

 

学習指導要領は、プログラミング教育や英語など新たな必修科目が加わるような改訂ではよく話題にあがりますが、そもそも全部読んでる人があまりいないだろうと思います。

お時間のある方は是非!

 

【合わせて読みたい】

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com