愛の不時着、全16話を見終えました。
1話につき、短いもので1時間10分。一番長かった最終話はなんと1時間50分。全16話を観るのにかかる時間は22時間26分です。
私の人生のうち22時間半を、このドラマに捧げて良かった…と心の底から思っています。
ネタバレ一切なしの感想
・めちゃめちゃ面白かったです
・歴史もの以外の韓国ドラマを始めて観ましたが、こんなに面白いならもっと観たいです
・コメディあり、アクションあり、政治劇あり、恋愛あり、エンターテイメントとして純粋にのめりこめるドラマ
・北朝鮮の暮らしを垣間見れて非常に勉強になった(多くの脱北者が協力、出演しているそうで、北朝鮮の生活がリアルに再現されていると評判です)
・あー、韓国語と北朝鮮語が聴き分けられたら良いのにな…
・登場人物の涙目率が高い(男女問わずみんなよく泣く)
・登場人物の肌がみんなつるぴか。光り輝いているみたいな肌
そして誰にも共感してもらえないと思いますが、リ・ジョンヒョク(主人公。北朝鮮の軍人さん)氏の横顔と雰囲気が夫に激似です。数年前、まだお付き合いするかしないか…の頃の夫のことを思い出して勝手にときめいています。
夫にこの話をしたら「じゃあ1話だけ見てみる」と愛の不時着1話を見ましたが、「この人に似ていると言われても…自分ではよくわからん」とのこと。うん、そういうところが似てると思うよ…と思いました。
そして夫は見事に愛の不時着にはまり、いつの間にか最終話まで観ていました(途中までは一緒に観ていたのですが、追い抜かされました笑)。夫の人生で初めて韓国ドラマを観たようです。
ちなみに私の母にも愛の不時着を勧めたところ、父にも波及したようで、父も人生で初めて韓国ドラマにはまっているようです。
愛の不時着、すごいです。
北朝鮮への関心が高まりました
私は大学生のときに軍事境界線(38度線)を訪れたり、北朝鮮出身の方に会ったりしたことがあります。それからも北朝鮮について関心はずっと持っていました。
例えば私の過去のTweetを「北朝鮮」で検索してみたら、下記のようなスピーチやドキュメンタリー映画を観ていました。どれも一見の価値ある内容だと思いますので、関心ある方はリンク先へどうぞ。
今朝のTEDは、「脱北者となった私の人生」。世界一豊かな国だと信じていた北朝鮮から中国へ脱出したとき、彼女は14歳だった。今では韓国で脱北者支援活動をしている彼女が、脱北までと、脱北からの人生を語る。http://t.co/bm912k5Otw
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) March 21, 2013
ドキュメンタリー映画「北朝鮮強制収容所に生まれて」みてきました!
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) March 9, 2014
政治犯同士が「表彰結婚」させられた結果生まれた主人公は、生まれながらの政治犯として収容所で成長する。家族同士も監視し合う環境で、彼の告発によって母と兄は脱走準備罪で処刑される。
今朝のTEDは、「北朝鮮で教師として働くということ」。2011年、金正日が死去する直前の6ヶ月間を平壌で英語教師として過ごした女性が語る、当時の彼女の経験と、生徒たちへのメッセージ。http://t.co/OMWOijW1Xx
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) June 8, 2015
今回、愛の不時着のおかげで北朝鮮の人々の暮らしを想像したり、 登場人物に愛着を持ったり共感したりしたことで、今まで以上に北朝鮮への関心が高まっています。
愛の不時着で初めて韓国ドラマを観た、初めて北朝鮮の人々に関心をもったという方も少なくないようです。優れたドラマの持つソフトパワーを実感しています。
ネタバレありの感想(1話ずつ)
さて、ドラマを観ながらスマホにメモを取っていたので、自分用にここに置いておきます。
ネタバレが無理な方はここから下は読まずに、さっさとネットフリックスに登録して愛の不時着を観始めることをお勧めします。初月無料ですよ。
あまり人様に見せることを想定せずに自分用にとったメモ、ほぼそのままなので、だいぶお見苦しい箇条書きになっています。すいません。ドラマを観ていたときの感情をそのまま保存しておきたいのでこのままにしておきます。
第1話
・主人公のユン・セリが美しすぎる。これは眼福。そして私と同い年!(1989年に1歳のお誕生日のシーンがあった)
・北朝鮮の軍人さんがすっごいイケメン。夫に似てる。髪型は違うけど(不思議な前髪をしている。あれが北朝鮮スタイル?)
・韓国語が結構聞き取れる。例えば字幕で「後継者の発表」と書いてあるところで、「こうけいしゃ はっぴょー」という音が聞こえた。他にも「出所」は「シュッショ」、「家族」は「カゾッ」、「約束」は「ヤクソク」と聞こえるような気がする。
・軍人さんが!麺を!自分で!作ってる!なにそのヌードルマシン…欲しい…。
第2話
・ユン・セリが「知らない人の前で泣くことになるなんて」と大泣きしたときに、軍人さん(リ・ジョンヒョク)がロウソクを指で消して「心配するな もう見えない」と言ったのすごいときめいた…指、熱くないのかしら…。
・北朝鮮では韓国製の炊飯器を買ったらめっちゃ怒られる。「モチモチのご飯の誘惑に負けまして…」という言い訳で笑ってしまった。
・729ナンバーの車、すごい。交通誘導員が全員女性なのも驚いたけど、「あの車を停車させたら首がとぶ」と赤信号を青に変えるとか、村人がみんな車を見に来るとか、本当に北朝鮮ではこんな感じなのかな。
・リ・ジョンヒョク「僕の婚約者になんの真似ですか」きゃー!!!!「銃を下ろしてください」きゃー!!!!!かっこいい!!!!!!
・南男北女、という言葉があるのを初めて知った(男は韓国の男がかっこいい。女は北朝鮮の女が美しい)
第3話
・髪の毛結んであげるの、きゃー!!!!なにこれめっちゃときめく!!!
・字幕で「ざんばら髪」が出たとき、絶対「ざんばら」って聞こえた。これも音が共通なのね
・「アフリカにも南極にも行けるのに あなたはよりによってここにいるのね」切ない…。韓国人にとって、北朝鮮はすぐ隣にあるのにアフリカより南極より遠い国。
・「もう会わないから言う エリーゼの為にの暗譜を偉そうにいうな 上手の中に入らない」私もそれ思ってたよリさん…。
第4話
・「共和国の新芽を芽吹かせていたのですか?」 ←爆笑しました
・「肉を食べられるのは誕生日くらい」ということに、北朝鮮の食料事情の厳しさを感じました。韓国でユン・セリが一日2回肉を食べているというのを「ホラだ」と思うくらい、肉は貴重品なのね。
・聞き取れる単語が多い。「もちろん」は「ムロン」、「調査」は「チョウサ」、「意見」は「イケン」と聞こえる(ような気がする)
・大きな貝を地面において、直接火をつけてキャンプファイヤーにして食べて、焼酎を殻に注いで飲むの楽しそう。やってみたい。
・みんなが食べてるシーンでも、リ・ジョンヒョクだけはあんまり食べないよね。なんでだろう。イケメンは大きな口でモノを食べてはいけないのが韓国ドラマのルールなのかしら。ユン・セリはたくさん食べてる。
第5話
・聞き取れたのは「比喩」が「ピユ」、「列車」が「レッシャ」とか。だんだん書き留めるのが面倒になってきた(あまりにたくさん聞き取れるから)
・列車が停電で10時間止まるのは北朝鮮では普通
・列車が停電で止まると、草原の向こうから大勢の物売りが走ってくる。飲食物、毛布、薪など。電車の中も暖房がきかずに寒いので、客は外に出て火を焚いて暖を取る。
・リ・ジョンヒョクが強くて優しくてたまらない… 本当に夫に似てる気がするんだけどどうしよう…
第6話
・女性同士がケンカすると髪を引っ張るという風習(?)が韓国と北朝鮮で共通している。国がふたつに分かれたとはいえ、文化を共有している
・北朝鮮の人はサンタクロースを知らない。「サンタクロースとは?」と聞かれて「煙突から入ってくる老人」と説明したら「盗賊?」という発想になるのね…。そしてプレゼントをくれるという話を聞いて「ああ、義賊か!」と納得するの面白い。
・ピクニックに!生きた子豚を連れていって!殺して食べる!!!!
※北朝鮮では冷蔵が難しいので、遠足には豚を連れて行くとのこと
・ユン・セリが子豚が可哀そうといって魚をとらせて食べたけど、あの子豚ちゃんは結局近いうちに貴重な食料になるのでしょう
・リ・ジョンヒョク「約束したんだ 見えてる間は守ると」かっこよすぎる…
第7話
・輸血用の血液を患者の付き添いが自分で調達しなければいけないことに驚いた。北朝鮮では献血の仕組みが整ってないということかな
→しかし『韓国社会の現在』という本によれば、韓国でも少子化等の影響で輸血用の血液不足は深刻らしい。日本でもコロナ禍で献血イベント等がなくなり、輸血用の血液不足になっている(参照:新型コロナウイルス感染者数の増加に伴う献血の影響について|新着ニュース・プレスリリース・イベント|北海道赤十字血液センター|日本赤十字社)。他人ごとではない。
・よく停電するので、冷蔵庫は装飾用。冷蔵庫を開けると本と服が入ってる…
・スマホのゲームアプリは平壌の市場でしか買えない!?どういう仕組み!?
・リ・ジョンヒョク、自分がケガして入院しているときですら、暖かいベッドをユン・セリに譲るのね…徹底して与える人。
第8話
・部下たちが鈍感過ぎる。上司の恋愛感情にそこまで鈍感で大丈夫?
・ユン・セリ「あなたの初恋の人は誰なの」??? お 前 だ よ !!!
・母胎ソロって…なに…笑
・サランヘヨ!!!
第9話
・「気分」、「きぶん」と聞こえた。あと、「正直」は「しょうじき」かな
・「また割れズボン友達=幼馴染」、面白い。中国でも昔は子どもがまた割れズボンをはく風習があったはず
・リ・ジョンヒョクのお母さんの「息をしなさい もう大丈夫よ 息子を地獄には落とせない」で泣いた。このドラマを観ていて初めて涙をこぼしてしまった。私はやっぱり恋愛感情よりも母→息子の愛情に共感しやすいお年頃なのかも。
・非武装地帯の中にも家がある。昔は村があったとのこと
・リ・ジョンヒョクの言葉、ついメモってしまった。これが「恋ではなく愛」ということかな。
男と会ってもいい
日常へ戻っていい
孤独にはなるな 景色のいいところにいって消えてしまおうとするな
僕がいるから
そばにいなくても
君が寂しくないように
いつも思ってる
いつまでも幸せでいてくれ
第10話
・「60年前にこの家の息子が戦争にいった」。ベトナム戦争ということかな?
・また泣いてしまった。ウピルのためにリ・ムヒョクが看護師と薬を携えてきてくれたところ。やっぱり子どもがからむと私の涙腺はゆるみがち。
・それにしても病院にいっても薬がなくて、患者に「薬を持参しろ」というのもすごいし、「市場で買ってきました」というのもすごいし、さらにそれが偽物で「本物は軍にしかない」というのもとんでもないな…
・「記憶喪失」が「きおくそしつ」みたいに聴こえた
第11話
・お願い、リ大尉に何か食べさせてあげて!!!
・韓国では一晩中電気がついていることに感動する北朝鮮の人々。
・え、予算足りないのにサウナはいるのね笑 楽しそうじゃん
・「努力」は「どりょく」、「案内して」は「あんない じゅせよ」と聞こえた
・韓国では「ラーメン食べてく?」は誰にでもいう言葉じゃない。家で一緒にラーメンを食べる=深い仲に誘うこと。言われたらどきどきする言葉。
第12話
・リ大尉、人生何回目よ。ピアノの腕が一流なのに軍人としても強いし部下の統率能力あるしなんかよくわからないPCをあやつって情報を得てるし、いくらなんでも強すぎる
・トマト栽培者、リ大尉なの!!!他にすることあるでしょ???あんなにかっこよかったのに、堕落してる…。それで良いの???
・リ・ジョンヒョク「見てみたい、君に白髪が生えて、シワができて、老いていく姿を きれいだろうな」 いいねえ…愛だねえ…
第13話
・誕生日のお祝いで「せーの」と言ったらハッピーバースデーじゃないんだ?ちゅかみだ??なにその歌???北朝鮮の誕生日の歌、独特だなあ
・サッカー韓日戦がテレビで放送されて、北朝鮮の軍人さんたちが「必勝コリア、大韓民国!」と叫んでおおはしゃぎ。共通の敵がいると団結するよね。
・泣いてないで早く救急車よんで!!!ちょっと!!!
第14話
・北朝鮮の人間が韓国に行って戻ってくると、「再武装講習」を受けなければならない。資本主義に思想が洗脳されていないかチェックされるのかな。
・ソ・ダンの母親のセリフが、わかる…「母親として言うことはいう でもいうことを聞きすぎないで」 母として心配になって色々言うけど、自分が正しいことを言っているのか自信がないんだよね。子どもには適宜母親の意見をとりいれ、適宜無視して生きて行って欲しい。
・えっ、ユン・セリが生後1ヶ月未満のときにお母さんと会ってたの!?もっと後かと思ってた…
・日の出を見に行くといって捨てた!?愚かだったと後悔して戻った?!
・私はてっきり、あの夜の海のシーンは「誤解だった」という展開を期待してたのに、本当に捨てたんだ…。事故があって戻れなかったとかじゃないのね…。
・麻酔なしで縫った!?14針!?想像を絶する…
・こらー!病室で脱ぐな!!!コメディ路線に行っちゃってるリ・ジョンヒョクも悪くないけど。
・12時間の匍匐前進ってそんなにとんでもないんだ。私は匍匐前進をしたことないからどのくらい辛いのか分からないけど
・銃で撃たれたら冷たいものは避ける??初耳だよ
・「抱きついても腕が回りきらない」体格が、そんな魅力的なのね
・ユン・セリの母親、分かってるじゃん。そうなの、ユン・セリにはリ・ジョンヒョクが必要なのです
・おお…盗聴が素晴らしく役に立ってる
・空っぽの棚に食材をつめて麺の茹で方を書いて…すごいよう。本当にリ・ジョンヒョクのケア精神がまぶしすぎてくらくらする
第15話
・北朝鮮で孤児として生きるのはとても大変そう
・韓国でのリ・ジョンヒョクの行動が監視カメラで逐一記録されてるけど、ドアを開けてあげたりベビーカーを助けたりお年寄りを助けたり「ただのいい人」なの、最高
・婚約指輪の使い回し…それでいいの?いいのね…
・ク・スンジュンは死んでしまうの?え、まさか死なないよね?
・ソ・ダンが、ク・スンジュンが撃たれたときに「ク・スンジュン!」とフルネームを叫ぶのにどうしても違和感がある。日本人ならそこでフルネームは言わないじゃん。
→調べたら、韓国の人はフルネーム呼びがマナーとのこと。
韓国では、公共の場でフルネームに日本語の『さん』にあたる『씨(シ)』を付けて呼ぶのが礼儀です。一方、日本語では『苗字+さん』で呼ぶことが一般的ですが、韓国語で同様に『キム씨(シ)』と呼んでしまうと、これは生意気で、失礼な表現となってしまうので注意が必要です。フルネームで呼ぶことは社会的なマナーですね
(引用:なぜフルネーム呼び?『愛の不時着』『梨泰院クラス』で韓ドラにハマって気になったこと | ラジトピ ラジオ関西トピックス)
第16話
・何日も飲まず食わず眠らず?!!!死んじゃうよ
・えっ、捕虜交換でやっと帰ってきた北朝鮮人に、北朝鮮の軍が手錠をかけるの???
・ユン・セリ走るな!!!また死んじゃうから!!!
・リ・ジョンヒョクのお母さん「生きて帰ってきてくれてありがとう 私の息子」に号泣。息子2人をせっかく成人するまで育てたのに長男を事故で失い、次男まで失ったら生きていけないよね…生きて帰ってきてくれて本当に良かった…
・ソ・ダンのお母さん「一緒に泣いてあげられる」に泣いた…私の涙腺は母の愛に弱い
・ユン・セリのためにリ・ジョンヒョクが食材用意してあげたのは良いけど、さすがにいつ退院するか分からないし、日持ちのするものだけを用意したと信じていたのに。冷蔵庫の中にどうみても生鮮食品がはいってる。いやいや白菜は…溶けちゃうでしょ…。あとキノコは冷凍庫に入れてよ…
・メール予約をそんな風に使うのね。愛ですね…。健康で幸せに生きてほしいんだね…。
・おおおおおおおおおスイスで…音楽で…年に2週間…
泣きすぎて目が溶けそうです。私がなんとなく思い描いていたハッピーエンドとは違う形でしたが、すごく良い終わり方だなと思いました。
私がなんとなく思い描いていたハッピーエンドは、韓国か北朝鮮のどちらかを選んでふたりが結婚し、子どもに恵まれて…という未来だったんです。たぶん私は「恋愛もののハッピーエンドとはこういうもの」という固定観念にとらわれているんですね。
そしてリ・ジョンヒョクが親孝行な息子だから。兄が死んで、もう子供は自分しかいないから。自分の両親に孫を抱かせてあげなければならないと、誰よりも思っていそうだから。なんとなく、北朝鮮にユン・セリが行くのかなと思っていました。
でもそうはならないんですね。ユン・セリは韓国で経営者としての仕事をこれまで以上に続けていくし、リ・ジョンヒョクは北朝鮮に戻って、音楽の道を軍の中で見つけていく。それぞれ自分の道を捨てずに、それぞれの場所で生きていくことにしたんですね。もしかして一生独身かもしれないし子どもももたないかもしれないけど、それでちゃんとハッピーエンドなんだ。
2020年にこのドラマに出会えてよかったです。
おまけ
治部れんげさんが「家父長制の解体」という観点から愛の不時着を語る下記のブログがすごく面白いので、オススメです。
蛇足
私がユン・セリの立場だったら、スイスでの2週間でなんとか妊活して、韓国で子育てしたいな。年に1回しか会えないお父さんになっちゃうけど。などと妄想しました。
こんな風に思うのは、私の価値観が「好きな人との子どもが欲しいし自分で育てたい」からかなと思います。
あああ、とっても良いドラマでした。
人生の22時間半をささげる価値のあるドラマでした。
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