先日、『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因』という新書を読みました。
この本はすっごく面白いので、関心ある方は是非読んでください。
次の丙午(ひのえうま)は2026年です
さて、この本を読んだことで、「次の丙午(ひのえうま)が2026年に来る」ということを知りました。
※丙午の年に生まれた女性は気が強く、夫を食い殺すという迷信があったため、出産を控える人が多かった
私は丙午については学校の授業で習ったので知っていましたが、「次が2026年」だと認識していなかったので、「え、もうすぐだ!」とびっくりしたのです。
丙午をご存知ですか?
Twitterでアンケートをとってみました。
丙午(ひのえうま)ってご存知ですか?
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) October 12, 2020
※この年に生まれた女性は気が強く、夫を食い殺すという迷信があったため、出産を控える人が多かった
60年に一度めぐってきます。
前回の丙午は1966年で、出生率が激減しました。
次回は2026年です。
1,435人もの方にご回答いただきありがとうございました。
「丙午は知っていたが、次が2026年とは知らなかった」という方が63.1%で最多ですね。私も冒頭の本を読むまではこれに当てはまりました。
ちなみに「丙午、初耳だった」という方が31.2%もいたことにちょっと驚きました。私は学校の授業で習った記憶がありますが、世代によっても違うのでしょうか。
さて、実は上記の質問は、次の質問をするための布石でした。
本当に聞いてみたかったのはこちらです。
丙午を理由に妊活を延期すると思いますか?
もしあなたが2025年頃に妊娠を希望していたとして、丙午を理由に妊活を1年延期すると思いますか?— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) October 12, 2020
なかなかセンシティブな質問だと思うのですが、1,266人もの方にご回答いただき大感謝です。
「そもそも丙午は気にならないので妊活は延期しない」方が71.5%と最多ですね。
ただ、「令和の時代になっても『丙午が気になる』人が16.1%もいるんだ!」とも取れます。(選択肢1つ目と2つ目の合計です)
とはいえ「丙午を理由に妊活を延期しない」という方が84.9%と圧倒的ですね。 (選択肢2つ目と3つ目の合計です)
なお、リプやコメントで「この歳だけ出生数が少なくなる可能性があるなら、逆に受験や就活で有利になりそうなので、あえて妊活をがんばりたい」という方も複数名いらっしゃいました。
前回の丙午生まれの男女はどんな人生を送ったのか?
実際に前回の丙午生まれの方々について分析した論文がこちらです。
「丙午世代のその後 -統計から分かること」赤林英夫、慶應義塾大学教授
・迷信の由来は中国から
・当初の迷信には男女の区別がなかったが、18世紀から「丙午の女性ばかりが嫌われることになる」
・1966年の丙午の直後の報告書によると、40歳未満の有配偶女性のうち、98%が丙午のことを知っており、30%が、その年に子どもを生みたくないと答えた
・1966年生まれの学歴水準は高く、結婚確率は男女ともに低い
・丙午生まれが、特別に就職で有利であった証拠は見つからない
すごく読みやすい論文なので、関心ある方は是非読んでみてください。
さて、ちょっと欲を出しまして、もうひとつアンケートを加えました。
丙午の女性との結婚をためらいますか?
欲張って、もうひとつアンケートを足してみます。
男性の方は「丙午の女性とのお付き合い・結婚を少しでもためらうかどうか」、
女性の方は「自分の息子が丙午の女性とお付き合い・結婚すると言った場合、少しでもネガティブな気持ちを持つかどうか」教えてください。— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) October 12, 2020
こちらは485名の方にご回答いただきました(かなりタイミング遅く加えたので、上ふたつに比べて回答数は少ないです)。
圧倒的に女性の回答数が多いですね。
回答頂いた48人の男性のうち、「丙午の女性とのお付き合い・結婚をためらう」と答えたのはたったの3人。45人は「全くためらわない」とのこと。
そして437人の女性回答者のうち、「自分の息子が丙午の女性とお付き合い・結婚すると言った場合、少しでもネガティブな気持ちを持つかもしれない」と回答したのはたったの34人。「ネガティブな気持ちは全く持たない」方が403人です。
女性の方が、ちょっとだけ男性よりも丙午へのネガティブな気持ちを持つ方が多めな結果になりました(それぞれの性別内で丙午へのネガティブな気持ちを持つかもしれないと回答した割合は、男性だと6.2%、女性だと7.8%です)。
とはいえ、男性に「自分の息子が…」と同じ質問をしたらちょっと答えは違ったかもしれませんね。
それでも圧倒的多数が「全くためらわない」「ネガティブな気持ちは全く持たない」と回答しています。
「子どもに嫌な思いをさせたくない」親心
リプで頂いたこのご意見にとてもうなずきました。
私自身は気にしないし知らない人の方が多そうですが、何かで2026年生まれであることで嫌な思いするならずらした方が...と思いました。
— mh (@miwoniz) October 12, 2020
そうなんですよね。子どもに嫌な思いをさせたくない気持ち、すごくよく分かります。
私だったら…と真剣に考えると、
・もし2025年時点で25歳くらいだったら、1年くらい妊活を延期しても何の問題もない
・が、例えば2025年時点で35歳で、どうしても子どもが欲しい!と思っていたら、丙午を理由に妊活を延期することは無いだろうな
と思います。
なんとなく私の周囲を見ていると、「子どもを早生まれにしたくない(ので、早生まれになるタイミングでは妊娠しないようにする)」という調整を若い頃はしている人が結構いるものの、ある程度の年齢になると「そんな調整をしていて妊娠が遅くなるのは避けたい」という人が増えてくるような気がします。
最近は子どもを持つ年齢が高齢化しているので、2026年には「丙午を理由に出生率が減る余地もない」のかもしれません。
(東京都の初産平均年齢は女性32.3歳、男性34.5歳です。参照:人口動態統計)
もう減る余地も無いかもしれません
2019年の出生数は約86.5万人で、過去最少でした。合計特殊出生率は1.36でした。
1966年には丙午を理由に激減したとはいえ出生数は136万人、合計特殊出生率は1.58でした。(参照)
今回色々考えてみましたが、2026年には丙午による出生率減少はないんじゃないかな…と、なんとな~く感じています。
アンケートにご協力頂いた皆様、ありがとうございました。皆さんのご意見を読んで色々考えるの、すっごく面白かったです!
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