おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

先輩、その謙虚さは有害です

「感じの悪い経歴ですいません」

ある会で、登壇者の方が自己紹介の際に「感じの悪い経歴ですいません(笑)」と仰っていました。

この方は女性で、いわゆる難関大学を卒業されて、有名企業にお勤めです。

※この方を批判したいわけではないのでお名前は書きません

※身バレ防止のため、発言は少し変えてます

 

衝撃が大きすぎて私は固まってしまいました。

感情としては、「驚き」「怒り」「ショック」という感じです。

 

私にはこの発言の趣旨は想像するしかできません。謙虚さの発露なのか、自虐風自慢なのか、笑いを取ろうと思ったのか。

 

私が反射的に考えたこと

では「感じの良い経歴」ってなんですか?

例えばあまり有名でない大学を卒業していれば「感じの良い学歴」になるのでしょうか?

もしくは給与は低いけど人のケアをするような仕事だったら「感じの良い職業」?

 

私自身の経歴は「感じが良い」だろうか、「感じが悪い」だろうか?

きっと後者なんだろうな、でもそれは「すいません」と言わなければいけないようなことなんだろうか…。

 

もう少しだけ発言の背景を考えてみたら

この方はなぜ自分の経歴を「感じの悪い経歴」と言ったんだろう?

もしかして過去に誰かにそう言われたことがあるんだろうか?

 

最初の衝撃が落ち着いてきて、だんだん私の感情は「悲しみ」に変わってきました。

思い出されるのは、私自身の経験です。

・大学名を言ったら「怖い」と言われたこと

・「東京のエリートさんにはわかんないよ」と言われたこと

・「子どものコミュニティ(保育園や学校)では、嫉妬されそうな要素(親の学歴や正社員であること)は基本的に隠しておくべき」とアドバイスされたこと

 

※ただし、「この人とは仲良くなりたいと思ったら、学歴や業種や正社員であることは早めに開示しちゃった方が結果的に楽だと思うよ」というアドバイスも別の方からもらっています

 

私が「先輩ママ」の立場で思うこと

少し話は変わりますが、私が最近考えているのは、「子どもが産まれてから、人に謝る機会は増えた」「迷惑をかけたら謝るのは当然」「しかし私の謝る姿勢が丁寧で低姿勢であればあるほど、後に続く人へのプレッシャーや子供を持つことへの忌避感につながるかも」ということです。

 

謙虚であることは大事です。

でもそろそろその謙虚さが、後に続く人にどんな影響を与えるか、ということまで考える必要がある。ときには謙虚さが有害になることもあるのでは、と思っています。

 

謝らないでほしかった

きっと冒頭の発言をされた女性も、これまでにさまざまな経験をされてきて、ご自分の経歴について「感じの悪い経歴ですいません」という発言にいたったのでしょう。

私には想像することしかできませんが、私よりも上の世代の女性が働き続けてキャリア形成するのは今よりずっと少数派だったし大変だったことと思います。

 

だからこそ、ご自身のせっかくのキャリアをそんなふうに表現しないでほしかったです。

あとに続く女性たちのためにも、その学歴も、そのキャリアも、ちゃんと誇ってください。

お願いします。

www.nhk.or.jp

www.nikkei.com

 

 

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