おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

子ども2人を育てる大変さは、平均すると1.2くらいかなと思っている

次男が産まれて半年が経ちました。

子ども2人ってやっぱり大変?とたまに聞かれるので、自分でも色々考えてみましたが、子ども1人を育てる大変さを1とすると、子どもが2人になっても単純に大変さが2倍になるわけではなさそうだな、と感じています。

ときに3になることもあれば0.9になることもあり、平均すると1.2くらいかなと思っています。分かりやすく言えば、1人分の食事をつくる労力を1とすると、2人分つくる労力は2ではなく1.2ですよねという話です。

ただ食材と違って子どもは動くし自己主張するので、食事の例だとイメージが伝わりきらない気がしています。

そこで「2人子育ての労力/大変さ」のイメージを、ちょっと頑張って説明してみます。お付き合い下さい。

※なお、子どもの年齢や個性によって「大変さ」は大きく変わってくると思うので、下記の話はあくまでも「我が家の」「現時点の」状況です。念のため。

 

大変さが3になるとき

例えば2歳長男が「えほんよんでー」と言ったときにすぐ読んであげられれば長男は満足します。そのときの私の労力を1とします。

例えば0歳次男が泣いたとき、すぐに抱っこしたり授乳したりすれば泣き止む…こともあります。そのときの私の労力もやっぱり1とします。

これが少し時間をずらして発生すれば、労力は単純に合計2になるわけですが、往々にしてこれが同時発生します。

すると、どちらかを待たせる、もしくは手際が悪くなるため2人とも待たせることになります。

お母さんが絵本を読んでくれなくて不満な長男が駄々をこね始め、なだめるのに労力がかかり、絵本を読み終えるまでの大変さは1.5になります。

次男は泣き止まず、激しく泣いたために咳き込んでゲロを吐いたりします。ゲロの片付けに労力がかかり、泣き止ませるまでの大変さは1.5になります。

で、合計3になるわけです。下手すると4や5になります。

 

大変さが0.9になるとき

一方で、家庭内に子どもが複数存在することによる効用もあります。おそらく子どもたちがもう少し大きくなって一緒に遊ぶようになると、この効用がさらに高まっていくのだと思います。(2歳0歳だと大変だけど、4歳2歳くらいから一緒に遊ぶようになって楽になるよ、とよく言われます)

いまでも例えば長男は、隣で次男が寝ているほうが安心してよく眠る(ときがあります)。また、チャイルドシートに乗るのを嫌がっても、「じゃあ先に次男くんチャイルドシートに乗ろうねー」というと長男も乗る気になる(ことがあります)。たまに長男の気が向くと、長男が次男に絵本を見せてあげることもあります。その間わたしは隣でのんびり見つめていれば良いので、次男がいないときよりも楽です。※ただし長男がいつなんどき次男の鼻に指を突っ込んだり抱き上げて落としたりするか分からないので、決して目は離せません。

まだあまり頻度は高くありませんが、次男の存在によって、長男の育児がちょっと楽になる瞬間はたしかに存在しています。

逆に、次男は長男をよく観察しているので、そのうちなんでもお兄ちゃんの真似をする時期がやってきて、親が教えなくても色々できるようになりそうだな、と思っています。

 

そもそも2人目にかかる労力は1未満

分かりやすくするために上記では次男にかかる労力を1として説明しましたが、実はそもそも次男育児の平均値が0.4くらいのイメージです。

母親歴1年半で次男を産んだので、母親歴0で育児を始めた長男のときに比べて何もかもが少し楽です。それは私自身の育児スキルの向上もありますし、自宅などの子育て環境が整っている影響も大きいと思います。家の床にはすでにベビーマットがひいてあって、子どもの手の届くところに危ないものも置いていないしキッチンの入り口にはベビーゲートを設置済なので、次男のために家を整備する労力はほぼゼロです。

長男のときはかかりつけの小児科を決めるのに口コミを調べたり、離乳食の本を買って一生懸命読んだり、机の角にクッションを貼ったり、熟考の上ベネッセに申し込んだり、とにかく何もかもが0からスタートなので労力がたくさんかかりました。これら全てが次男には必要ありません。服もおもちゃも絵本もぜーーーんぶお下がりで済んでしまいます。買い足したのはチャイルドシートくらいです。いやー、楽。

 

2人同時に絵本を読んであげるときは1.1

最近よくあるのが、長男次男に同時に絵本を読んだり、歌を歌ってあげたりすることです。これは子どもの数が1人であろうと2人であろうと労力は大して変わらないので、1+1=2ではなく1.1くらいのイメージです。また、次男の離乳食もほぼ長男の食事に味をつける前にとりわけてブレンダーで混ぜるだけなので、2人分の食事を作る労力も2ではなく1.1。

まとめると、トラブルがあると一気に労力3になるが、普段は1.1くらい。平均すると1.2。というのが、わたしが今持っている「乳幼児2人育児のイメージ」です。

 

というわけで、第二子妊娠中に想像していたより、2人育児はいまのところ楽です。当時は長男の育児だけでも精一杯で、「ここにさらにもうひとり子どもが増える…無理かも…」と思っていたのですが、当時の私に伝えるとすれば「大丈夫、労力は2にはならないよ」ということです。

 

ただしずっとワンオペで労力3はムリ

いくら労力の「平均値」が1.2であっても、子ども2人育児で発生する「労力3」もしくはそれ以上の場合。これは、母親(or父親)ひとりで対応し続けるのはムリです。だって3なんだもん。たまになら頑張るけど。

保育園のおかげで私は本当に助かっていますが、平日の朝晩、そして土日や連休の子ども2人育児は夫や両親の協力なしではとても乗り切れません。ワンオペで複数育児されている方、本当にすごいと思います。(というか子どもが1人であっても、ずっとワンオペはきついと思います…)

そもそも子ども1人を育てるための労力平均の「1」がとんでもなく大きいので、これ以上大幅には増えようがないというのが実態かもしれません。

 

私がいま知りたいこと

・保育園には子ども3人とか4人の家族が結構いるんですが、その場合労力はどうなるんだろう??子どもの数が1→2→3→4と増えるにつれ、労力平均は1→1.2→1.4→1.6みたいになるのかな。それとも1→1.2→1.3→1.35みたいになるのかな。もしかして1→1.2→1.21→1.211とかで済んだりするのかな。子どもの数が増えると食費とか教育費は純増するんだろうけど、「労力」「大変さ」は比例して増えることはなさそうだなと。

・子どもたち(0歳、2歳)が成長すると、労力はどうなっていくんだろう??一緒に遊んでくれて楽になるだろうけど、ケンカするようになると大変なのかな。

・いまのところ長男育児にくらべて次男育児が楽だと思っているけど、ものすごい落とし穴があったら怖い。本当は第一子以上に手をかけて目をかけてあげないと第二子がぐれるとか、そういうことはないといいな…。

 

少子化対策のカギは多子世帯支援なのではないか

これまで書いたような「子育て労力」のイメージの結果、「少子化対策としては、子どものいない人に1人子どもを産んでもらうより、子どもがいる家庭に2人目/3人目を産んでもらうほうが楽だろうな」という感覚を持っています。

「最低3人は産んでほしい」発言が炎上した政治家も記憶に新しいですが、状況さえ許せば2人目/3人目が欲しいと言っている人、周りには結構います。そしてその「状況」の多くはお金で解決できるんですよね。あとは夫婦ともに毎日定時帰宅できれば最高。

※夫婦の「理想の子供数」平均は2.32人(2015年、出生動向基本調査p67)

平成29年の少子化対策白書には、「3人以上子どもが持てる環境の整備」という節があります。ただ、読んでいただければわかると思いますが、3人目以降への支援、かなり手薄です。

 フランスを見習って、多子世帯への支援をもう少し手厚くしたら良いんじゃないかな。3人目には国から1000万円支給とか、わりと良いアイディアだと思います。もしくは世帯課税にして子供の数に応じて所得税大幅軽減とか。我が家は当面3人目の予定はないですが。

 

子どもを産むか産まないか、何人産むかは家庭ごとの選択なので、そこに政治家が「最低何人産んで」というのは不適切だと思います。政治に期待したいのは、産みたいと思っている人が安心して産めるようにすること(保育園整備とか、長時間労働の是正とか)です。そして、さらに2人目/3人目が欲しいけど経済的理由で躊躇している人の背中を押せるのは、まとまった額のお金だと思うのです。

 

そして経済的理由以外の理由として「子ども1人でもこんなに大変なのに、2人目3人目なんて無理かも…本当はほしいけど…」という方がいたら、私からの無責任なアドバイスは「大丈夫、2人育児は労力1.2でいける!」ということです。

 

とりとめもなく長くなってしまいました。反省。