平日の夕方、長男が息を切らして学童から帰ってきました。
「交番に届けたい」
7歳長男「お母さん!ただいま!さっきこれを拾ったの、交番に届けたい!!」
私「おかえり…えっとまず手洗いうがいしようか」
長男「わかった!」
そんなに興奮してなにを拾ってきたのかしら…と見てみたら、小さなキーホルダーでした。鍵はついていません。
拾った場所を聞いたら学童から家に帰る途中の道に落ちていたとのこと。
そうか…学校の敷地内とかだったら「学校の先生に明日届けておいで」で済んだんだけどな…交番に今から行くのか…
こちらも仕事終わりでこれから次男を保育園に迎えに行かないといけないし夕飯の準備もあるし、正直言えば「めんどくさい」「時間がもったいない」気持ちが大きいです。
でも長男の「落とし物を交番に届けたい」気持ちを尊重してあげたいのはある。
どうしようかな…と悩んだ結果、行くことにしました。最寄りの交番へ。
とりあえず次男を保育園に迎えに行って、3人で一番近くの交番に行きました。
あれですね、交番って結構あちこちにあるんですね(当たり前か)。
交番にて
私「こんばんは…」
警察官「はい、どうされましたか?」
7歳長男「これを拾いました!」
私「学校の近くで拾ったので交番に届けたい、というので来てしまいました。こんなささいなものでご迷惑かなとも思ったんですが…」
警察官「そうですか!いえいえ、届けて頂いてありがとうございます。これは…キーホルダーですかね。どこで拾ったか覚えていますか?」
地図を出してくれました。
学校がここで、家がこっちだから…とたどりつつ、長男が拾った場所を指さします。
警察官「落とし主が見つかった場合、謝礼などをもらえる可能性がありますが、希望されますか?」
私「落とした人が見つかったら『ありがとう』って言ってもらえるかもしれないし何かもらえるかもしれないけど、どうする?」
長男「ありがとうって言われたい!」
私「希望します」
警察官「その場合はご住所やお名前、連絡先などを教えて頂く必要がありますが大丈夫ですか?」
私「はい…」
警察官「もし落とし主が3か月以内に出てこなかった場合は所有権が拾った人のところに移ることになりますが、希望されますか?」
私「落とした人が出てこなかったら長男くんがもらえるかもしれないんだって。ほしい?」
長男「ほしい!」
警察官「承知しました、では書類を作るので少々お待ちください」
…といいつつ、電話をかけ始める警察官。
どうやら今からどこかに行く予定だったらしく、少し遅れますという趣旨のことを電話口でお話されてました。
私「すいません…出かけるところだったんですよね…?」
警察官「いえいえ、来てくださる方が最優先ですからお気になさらず!」
申し訳なさしかない。
書類上は拾得者は私になるそうで(長男が未成年だから)、私の住所や名前が入力されていきます。
警察官「失礼ですが、年齢はおいくつですか?」
私「36歳です」
ああ、私はなぜこんな時間に交番で年齢を自己申告しているのだろう…夕飯の準備なにもしてないな…
色々質問されましたが、そのなかには「今日の交番までの交通手段」もありました。なにせ近所なのでちょっと歩いてきたくらいの感じなんですが、もし拾得物を届けるために電車に乗ったり自家用車に乗ったりした場合は電車代やガソリン代を落とし主に請求できるそうです。もちろんしません。
そんなわけで最終的に作成された「拾得物件預かり書」には、「あなたは提出された物件に関する費用を請求する権利を放棄しました」と記載されています。はい、放棄しました。
警察官がてきぱきとこれらの書類を作成されているあいだ、息子たちは初めて入った交番内をきょろきょろ見ています。迷い人のポスターや、指名手配のポスターを読んでは「これはなに?」「見つけるとお金がもらえるの?」と興味津々でした。
交番での滞在時間は20分くらいですかね。移動も合わせると30分強かかっています。平日夕方の30分は大きいのよ…
最後に警察官が「落とし物を届けに来てくれてありがとう。これからもその気持ちを大事にしてくださいね」と長男に声をかけてくれて、長男はとても嬉しそうでした。
本当に、お忙しい中丁寧にご対応いただきありがとうございました…。
ウキウキしている長男
落とし主が現れたら御礼を言ってもらえるかもしれないし、3月になっても落とし主が現れなければキーホルダーをもらえるということで、長男は3月になるのを楽しみにしています。
しかし拾得物件の受け取りは交番ではなく警察署に身分証明書持参で行かないといけないそうでして、私はやっぱり「めんどくさい」という気持ちがめちゃくちゃあるのですが。。
しかしあんなに忙しそうな警察官が真摯に対応してくれたのだから、私もきちんと最後までやり遂げねば、と思っております。はい。
長男と次男は「落とし物を交番に届ける」という初めての経験がとても楽しかったようです。なんと、長男の現時点での将来の夢は警察官とのこと。
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