おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

『十二国記』の世界に気軽に足を踏み入れてしまった

たまには仕事と関係のない、面白い小説を読みたい

冬休みに1人1冊ずつ好きな本を買ってあげるよ、と子ども2人を連れて家族4人で近所の本屋さんを訪れまして、夫と「新しい小説を読みたいよね」と話していたら本屋さんに貼ってあった『十二国記』のポスターが素敵だったのです。

なんとなく面白そうだし、なんとなくタイトルを聞いた覚えもあって、友人の誰かがハマっていたような記憶もある…よし、どんな話か知らないけれど『十二国記』という小説を読んでみることにしよう!と気軽に決めました。

 

『十二国記』という本は無い

 

そもそも『十二国記』というタイトルの本が見つからなかったのですよ。

新潮社の文庫のポスターだったんだから新潮社のコーナーにあるはずなのに全然ない…とうろうろして、ついに気づいたのです。『十二国記』というタイトルの本は存在しないことに。

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背表紙のうえのほうにちっちゃな文字で『十二国記』と書いてある。これは…わからないわ…。

書店の棚にはシリーズで15冊が並んでいたのですが、全部買うのは重たいのでとりあえず3冊だけ買いました。面白かったら続きを買おう。

 

「どれから読んだら良いのか分からない」という私のポストに、Twitter上で様々な方からアドバイスを頂きまして、どうやらエピソード0の『魔性の子』から読むことをお勧めされる方が多いものの、「どれから読んでも面白い」という情報もあり。

エピソード1の『月の影 影の海』を読む際は「ネズミが出るまで頑張れ」という励ましも頂きました。

 

…というか、気軽にTwitterに『十二国記』という単語を出したら長年の愛読者と思われるさまざまな有識者からアドバイスや声援を頂いてしまい、あれ、これはもしかして深い深い沼に手招きされているのか…?

 

私が読んだ順番と読後感(なるべくネタバレしない方針)

エピソード0の『魔性の子』は夫に譲り、私はエピソード1の『月の影 影の海』から読み始めました。

エピソード1『月の影 影の海』

・主人公は女子高生の陽子。私が女子高生だったのはもう20年も前なのですが、この高校での女同士の人間関係にヒリヒリする感じ、すごくリアルだな…と思っていたら突然の異世界が始まりまして、なにがどうなっているのか全く分からないままにページをめくる手がとまらず、上巻を読み終えた1秒後に下巻を開き、怒涛の勢いで読み終えました。下巻も一緒に買っておいた自分を褒めたたえました

・なにもわからない陽子とともにこの異世界のことを少しずつ分かっていく過程はとても胸躍り、このエピソードから読み始めて良かった、と思いました

・上巻冒頭の陽子と、生死の危機を何度も乗り越え裏切られ続け、それでも人を信じることにした陽子とは、もう別人のように違う。読み終えた自分まで読む前より強い人間になったような気さえしてしまいます

・途中、陽子の両親の価値観に古さを感じてよくよく見てみたら出版年は1992年でした。私が4歳のときの本だったのか…

 

エピソード0『魔性の子』

・主人公は教育実習生の広瀬。

・もしこのエピソードから読み始めていたらホラー小説として読んでいたと思うけど、既にエピソード1とその巻末の解説を読んだ私には「何が起こっているのか」がなんとなくわかる。守ろうとしているのよね…方法はかなり間違ってるけど…

・孤独感、猜疑心、無力感… 人間の弱さやずるさ、どうしようもなさをこれでもかと味わうことになるし、主人公の広瀬は最後まで「選ばれなかった」人間としてこの世界で生きていかなければならない。読者は広瀬の立場にあるし、広瀬の目線で読んでいるわけなので広瀬が主人公なのは間違いないんだけど、本質的な主人公はタイトルロールである「魔性の子」(=高里)なわけですよね

・読み終えてしまった今、「魔性の子」である高里(泰麒)のその後が知りたくて仕方ない。次に読むエピソードが彼の話でありますように…

 

エピソード2『風の海 迷宮の岸』

・ありがとう、ありがとう。泰麒(高里)の話を次に読ませてくれてありがとうございます…最高です…

・あのあたりから絶望の展開を覚悟してページをめくっていたんですが、最終的に読後感もとても良い、いやあ良かった!…と言いつつ、このあとなにがどうなって『魔性の子』状態になってしまうのか、泰麒に何が起こるのか、気になって仕方ない。それはどのエピソードに描かれているのでしょうか…

 

エピソード3『東の海神 西の滄海』

・国づくりの話、政治の話。大河ドラマっぽい。面白い。

・読み始めたが最後、読み終えるまで寝ることができず、布団の中で24時頃読み終えて寝ました。

 

Amazonのおかげで最新刊まで全部そろってしまったので、あとはこれを少しずつ読むつもりです。

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一刻も早く全部読んで2週目に入りたい気持ちと、エピソードひとつひとつを味わいつつ楽しみを長引かせたい気持ちとで揺れています。

 

恐ろしいのは最新刊『白銀の墟 玄の月』が出版されたのが2019年で、まだシリーズとしては完結していない(らしい)ということ。エピソード0の『魔性の子』は1991年の出版なんですよね。公式サイトには「ファンの皆様と歩んできた30年」というページまであるし… 次が出るのはいつなんでしょう。

気軽に踏み入れてしまった『十二国記』沼が広くて深い大変な沼であることに気づきつつある2025年の初めでした。

 

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