家庭内に大人と子どもがいる場合、特にその子どもが幼ければ幼いほど、大人が圧倒的な強者になりますよね。
自宅という密室のなかで、生殺与奪の権をすべて大人側が握っている。息子たちが新生児の頃からずっと「私はこの子より圧倒的に体が大きく力が強い」という強者性に、恐怖を感じることさえありました。
3歳の女の子を洗濯機に
昨日、TVでニュースを流していたら虐待事件の報道がありました。
男が、3歳の女の子を縦型洗濯機に閉じ込めてオンオフを繰り返し、両足にあざや内出血ができるケガをさせたと。この男は、女の子の母親の交際相手とのことで、母親の通報で警察に逮捕されたそうです。
何度も電源を入れ動かし…3歳女児を水の溜まった洗濯機に押し込めケガさせる 母親の交際相手の男を逮捕…「殺人未遂」に切り替える|FNNプライムオンライン
私はこのニュースを5歳次男と一緒に見ていたのですが、「子どもを洗濯機にいれた」ということにびっくりしてしまって、なんてひどいことを…と絶句しました。
次男が「お母さんも気をつけてね」と言うので、私は「お母さんは何があってもこんなことしないよ…」と答えたのですが、次男は「違うよ、外から悪いやつが入ってきてお母さんを洗濯機に入れようとするかもしれないから気をつけてね」と。
3歳の女の子を洗濯機に閉じ込めてオンオフを繰り返して怪我をさせた男のニュースを見てあまりのことに絶句していたら5歳次男が「お母さんも気をつけてね」と言うのでお母さんは何があってもこんなことしないよ…と答えたんですが、次男が「違うよ、外から悪いやつが入ってきてお母さんを洗濯機に入れよ…
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) May 20, 2024
そうか、君は私のことを「自分に加害するかもしれない」という目ではいっさい見ていなくて、ただひたすらに被害者にならないように心配してくれているのか…。
私がこの次男の発言について嬉しかったことは、
・私が次男を洗濯機に閉じ込めるようなことをするとは微塵も想像していない
・誰かがそんなことをするとしたら、それは「外から入ってくる悪いやつである」(=家庭内の大人、つまり私や夫はそんなことをするはずがないと思っている)
ということです。
大人が手を上にあげると「殴られる」と思って頭を守る姿勢をとる子どもがいるという話を、耳にすることがあります。
私自身はそういう場面を見たことはないですが、大人に殴られて育った子が無意識にそういう行動をとるというのは、想像するだけでつらいです。
次男が、大人に殴られる経験を一度もすることなく、虐待のニュースを見たときに「自分が虐待される」心配ではなく「母が被害者になる」ことを心配するような思考回路でいてくれることに、今更ながら親として安心するような気持でいます。
男の子だから?
Twitterにリプライやコメントでご意見を寄せてくださったものを見ていると、もしかするとこれは性別によるところもあるのかもしれません。
ニュースで虐待被害を受けたのが女の子だったから、お母さんのことを「女の子」カテゴリーで被害者にならないように心配してくれたのかもしれないし、男の子には「母親を守る」という考え方を持っている子が多いのかもしれません。
私はあまり男だから女だからどうこうということを言いたくはないのですが、きっと息子たちもあと何年かすると私の身長を超えるのだろうし、そのうち家庭内で一番力が弱くて体が小さいのは私になるのだろうと思います。
そのころに息子たちがどんな青年になっているのか。
女性…というか人に対して加害をしない青年であってほしいのはもちろんですが、例えば下記のような状況で「やめろよ」といえる青年であってくれたらいいなあ、と思っています。
子育てに正解はないと分かってはいるけど、こういう話を見聞きするにつけ「夜道で女子高生を脅す男ではなく『やめろよ』と言える男に育つために親にできることはなんだろう」と思ってしまう。 https://t.co/lkqPuvIc8Y
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) April 25, 2022
https://x.com/otamashiratama/status/1518502499686133760
守り守られ
まだ息子たちは7歳と5歳と幼いので私からは「私が守るべき対象」に見えています。それこそ新生児の頃からずっと「私が守るべき対象」だと思ってきたので、その認識は今後もなかなか変わらない気がします。
でもいつの間にか息子のほうも私のことを「守るべき対象」と思っているのだろうと感じる発言があったりして、守り守られ関係が重層的になってきたなあ…と思うと不思議ですね。
保育園からの帰路、私が「寒い…風が冷たい…!」と悲鳴をあげていたら4歳次男が私の前で「えいっ!」と空中をキックして「風はやっつけたからもう大丈夫」と言ってました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) January 25, 2023
もうこの思い出を抱きしめてあと80年生きていける。
【合わせて読みたい】