おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

中学生向けの進路講演会にて

中学校でお話してきました

 

頂いた依頼状に熱い想いがしたためられていて、つい引き受けちゃった、という感じです。

中学校側の問題意識

・中学生は自分の身のまわりで見聞きするほんの少数の職業しか知らない(BtoCの企業や、学校の先生、お店の店員さんくらいしか「働く大人」のイメージがないので、それ以外にどんな仕事があるのか実感を持っていない)

・さらに、「知っている」と思っている職業についても、実際にその仕事につくにはどんな想いや苦労があってその仕事が社会でどんな役割を果たしているのか、深くは知らない

・(おたま)さんがなんのために働いているのか。どんな仕事をしているのか。専門用語が出てきてもいい、難しい話でもいい。たとえいま理解できなくても、何年か後に思い出す時が来るはず

 

アツいな…と思ったので、引き受けちゃいました。確かに私も中学生の頃には部活と定期試験と高校受験のことくらいしか考えてなかったので、将来自分がどんな仕事をするのか、その仕事に着くにはなにが必要なのか、全然知らなかったと思います。

私の話がなにかしら役に立つのであれば頑張って話そうかなと思いました。

 

私が喋ったこと

・公立の小中学校、高校受験を経て公立の高校に入学し、勉強を頑張って東大に現役で入ったよ

・今の仕事につくまでに、大学でこんなことを勉強して、就職活動ではこんなことをしたよ

・社会人になって10年くらいで、こんなことをしてきたよ(成功談&失敗談)←失敗談がウケました

・私が働く理由は①お金を稼ぐため(家族4人が幸せに生きていくために必要なお金を夫婦で協力して稼いでいるよ)、②社会を良くするため(自分の子供や孫が生きる未来を、少しでもよくしていきたいと思って働いているので、例え宝くじで数億円当たっても仕事はやめないよ)

・中学生のみなさんは、国語も英語も数学も理科も社会も音楽も体育も幅広く全部真面目に勉強してほしい。専門家というのは知識の掛け算だから、Aについての専門家が日本に1000人いても、AとBを知っている人は100人しかいないかも。AとBとCを知っている人は3人しかいない。AとBとCとDを知っているのは自分だけになる。A×B×C×Dに価値ある知見があるかどうかはわからないけど、色んなことを幅広く勉強して、これぞというものを深掘りしていくのが大事。きっとあなたにしかない掛け算がいつか役に立つ日が来る。

 

私が思ったこと

・中学生、めっちゃしっかりしてる!!!私が普段接しているのが5歳児と3歳児だからか、こんなに長い時間黙って座ってしっかりメモを取りながらうんうん頷いて人の話を聞いて、しかも適切な質問ができて、しかもちゃんと挨拶ができて、代表の生徒から感想まで話してくれて、もう感無量ですよ…立派に大きくなって素晴らしいことよ…(謎の母親目線)

・しかし質問のテンプレはまだ学んでないようですね。多分これが大学生とか相手だと「本日は貴重なお話ありがとうございました。○学部の○○と申します。○について質問させてください。先程○と仰いましたが、私は○は○ではないかと思います。なぜ○なのでしょうか」みたいな質問のお約束的なテンプレートが多くの学生に共有されているんですが、この日の中学生は「えっと、○ってどうしたらいいと思いますか」みたいな感じでした。いいよいいよ若いっていいよね!「○について知りたいのはどうしてですか?」みたいに私から逆質問もさせてもらっちゃいました

・中学生相手に自分の仕事を説明するの、めちゃ難しかったです。普段わかったつもりになっていることも、多少噛み砕いて説明しようとすると「そもそもこれってなんだっけ?」みたいに考えないといけない。私にとっても自分の仕事を振り返る良い機会になりました

・そして楽しかったです。自分が中学生の頃のこともいろいろ思い出しました。若い子が真剣に自分の話を聞いてくれるのって純粋に気持ちいいんですよね。あんまりこの気持ち良さに浸って自分語りが長くならないように自制しないといけないですね。

・校長先生たちのお話も素晴らしかったです。30年も教師をしていると、子どもたちの変化(例:大人しくなってきている)にも実感を持って感じるところが多いようです。「中学生の時に聞いた進路指導の話が数年後、数十年後に人生の支えになる」というのも、実体験としてお持ちなんだろうなと思いました。14歳の子どもになにを体験させるか、なにを教えるか、それが彼らの人生にどう影響してくるか、社会を支える構成員として彼らをどう育てるか、そういうことをずっと真剣に30年考えるとこういう先生になるんだなあ…としみじみ思いました

 

教職って尊いな、というのが私の1番の感想です。

うちの子たちが中学生になる頃に、こんな指導者と出会えたら幸運でしょうね。

 

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