おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

親知らずを抜きました

「歯を抜く」と聞いて何を思い浮かべますか?

 

麻酔なしで歯を抜かれたあの人

私の場合はレ・ミゼラブルのファンティーヌです。

一人娘のコゼットの治療代が必要と信じて、自分の髪の毛を売り、前歯を売り、そしてとうとう売れるものがなくなったので最後は体を売る可哀想な女性です。私は子どもの頃にレ・ミゼラブルを読んで「人間の歯を引っこ抜いて買い取る」商人の存在に衝撃を受けた記憶があります。

私だったら娘のために自分の歯を引っこ抜けるだろうか?麻酔なしで??いや無理…めっちゃ痛そう…と震えながら読み進めました。子供の頃の私は「体を売る」のがどういう意味かよくわかっていなかったこともあり、「歯を売る前に体を売れば良かったのに」と思っていました。

 

本題:突然、歯が痛くなりました

さて、突然ですが2月中旬に左下の親知らず周辺がズキズキと痛み始めました。

実は私、今までの人生で虫歯になったことがないので「歯が痛い」のは初めての経験です。めっちゃ辛いです。

何をしていても歯が痛いし、ご飯もまともに食べられないし、失ってわかる健康のありがたみを実感しました。

 

歯医者さんに駆け込みました

痛みに耐えられず、かかりつけの歯医者さんに診てもらいました。

 

親知らずのことを医学用語では「智歯」と呼ぶそうです。日本口腔外科学会のサイトから引用します。

智歯周囲炎(ちししゅういえん)

智歯(親知らず)の萌出(ほうしゅつ)に際してみられる歯冠(しかん)周囲の炎症を特に智歯周囲炎と呼び、20歳前後の若い人に発生する頻度の高い疾患です。

(中略)

抗菌薬や消炎鎮痛薬を投与し、うがい薬などを併用して消炎させた後、余分な歯肉を切除(歯肉弁切除)したりしますが、萌出位置の異常があったり、炎症をくり返しているような場合は、智歯を抜歯します。

(引用:歯および歯周疾患|口腔外科相談室|日本口腔外科学会

33歳にして「20歳前後の若い人に発生する疾患」になったと思うとちょっと嬉しく…ないです。痛いのは嫌いです。

 

歯を抜くのめっちゃ怖いです

実はこれまでに何度か、かかりつけの歯医者さんに「親知らず、抜いた方が良いけどどうする?」と言われたことがありました。その頃の私は「特に困ってないし、抜くの怖いから抜きません」と答えてました。歯医者さんも私の意思を尊重してそれ以上抜歯を勧めることはありませんでした。

今回、初めて親知らずの炎症で痛みに苦しんで、「ああこれは抜いた方が良いやつ…」と実感しました。人間、痛みを実感しないとなかなか行動に移せないですよね。

 

歯科衛生士さんには、「当院では、あらゆる患者さんに『60歳の時点で歯の治療が不要な状態になっておく』ことを目標に治療計画を立てることをオススメしてます。歳をとってからの歯科治療、結構辛いんですよ。おたまさんは普段から歯磨きもデンタルフロスもされていて、親知らず以外は治療の必要が全然ないので、もう親知らずさえ解決しちゃえば安心ですよ」と言われました。

ああーこの絶妙に褒めつつ脅してくる感じ、上手だな…

 

Twitterの皆様に背中を押される

Twitterでも「抜きたくない」「怖い」を前面に出して嘆いていたところ、経験者の皆様から背中を押していただきました。

・親知らずの炎症で一晩中痛みに苦しんだ経験談

・20代のうちに4本とも抜いたという経験談

・少しでも若いうちに(回復力が高いうちに、歯茎が硬くなる前に)抜いた方が結果的に楽

・歯を抜いて数日間は痛みに苦しんだり熱が出たりするかもしれないので、休日の前の抜歯がおすすめ(特に今のご時勢、家族が発熱すると子どもも保育園を休むことになるので…)

 

ありがとうございます。決意が固まりました。抜いてきます。

 

決めました。抜きます

痛みがひいても「抜く」決意が揺らがないように、未来の自分にメッセージを書きました。

 

そして翌日、逃げ道を無くすためにさっさと抜歯の予約を入れました。かかりつけ医に紹介された大きい病院で、3月4日に抜いてきます。もう逃げられない。

頑張ります。

 

↑ここまででブログを公開するつもりだったのに、他の記事を先に公開してたら3月4日になっちゃいました。(私はこのブログの更新頻度を原則として5日に1回と決めてます)

 

↓ここから先は、抜いた後の記録です。

抜きました

3月4日の朝一番で抜いてきました。

 

私はこれまで虫歯になったことがないので、歯に麻酔されるのも歯を抜くのも人生初です。

・歯茎にちくっと麻酔をされるのがちょっと痛い

・親知らずを「抜く」と言う表現から想像していた「何かで歯を引っ張られる」感覚は全くなく、アゴをぐいぐい押されて「あがが」となる感じでした

・口の中から「ゴツっゴツっ」「ガッガッ」と恐ろしい音がしてました

・麻酔→3分くらい待つ→麻酔が効いたことを確認して歯茎を切り開く→抜歯(3分くらい?)→歯茎を縫い合わせて終わり、という感じで、10分もかからずに終わりました

・ただし私は終わってすぐに貧血状態になってしまい、しばらく横になったまま安静にさせてもらいました(抜歯の緊張や不安で具合が悪くなる人は珍しくないそうで、歯科衛生士さんたちは慣れた感じでした)

・1週間〜10日後に抜糸をする必要があるそうです

・費用は4000円くらい

・施術から2時間くらいは麻酔が効いているので飲食不可。抗生物質と痛み止めを処方されましたが、空腹で飲むと胃が荒れるので食後に飲むように指示されたため、全然昼食を食べたい気分じゃないけどとりあえず牛乳を一杯飲んでからお薬を飲みました。つら。

・結構血が出続けて、自宅の洗面所が血まみれになりました

・抜歯後に発熱する人もいるそうなので抜歯を金曜日にして有給休暇を取りましたが、大正解でした。全く仕事に集中できないと思います

・抜歯から2〜3日後に一番腫れるそうです。月曜はカメラオフで仕事しようかな。

・私は幸いなことに親知らずがもともと2本しかないです(上の親知らずが存在しない)。今回、左下の親知らずを抜いたので、歯医者さんとしては若いうちに右下も抜いておいた方が良いと思うと言われています。が、抜歯がつらすぎたのでもう抜きたくなくて、このまま死ぬまで右下の親知らずが何事もなく済んでくれないかな…と思っています。弱気な私。

・抜いた歯をもらって帰ってきたので息子たちに見せました。「うわ…」「かたいね」と言われました。

 

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