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パラリンピックをTV観戦する4歳長男
4歳長男はパラリンピックに興味津々です。
「手や足がない」という障害を持つ人が長男の身近にはいないので、パラリンピックの映像や写真を初めて見た長男はとても驚いていました。TVで放映されるパラリンピック競技を見ながら「この人は手が無いね」「手が無い人はこうやって泳ぐんだね」「この人の足はロボットだね!」と素直な感想を話しています。
「この人はなんで手がないの?」と聞かれた時は、こんなふうに答えました。
4歳長男が朝刊一面を見て「この人はなんで手がないの?」と聞くので、「生まれた時から無かったんだよ、そういう人もいるんだよ」と答えました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) August 26, 2021
私「手がなかったらご飯食べたり着替えたりするのも大変だよね。でも頑張って練習して世界で一番早く泳いで金メダルをもらったんだよ」
長男「すごい」 pic.twitter.com/DyRb7zAMYR
先天性の障害だけでなく、後天的に事故や病気で障害を負った人の存在も長男は初めて知ったわけですが、「もし事故で(長男の)手がなくなっちゃったら、ご飯をどうやって食べたらいいかな?足で食べるのかな?」と心配していました。
「知的障害」をどう説明するか
さて、パラリンピックには身体機能障害だけでなく、知的障害のある選手が出場する競技(陸上、水泳、卓球)があります。
4歳長男「この人はなにが無いの?」
私「この人は、手も足もあるし目も見えてるんだけど、知的障害という障害がある人でね…えっと、知的障害っていうのは…………」
え…?知的障害っていうのは…?そもそも知的障害ってなに?
私「…知的な…障害が…ある人のこと。例えば…自閉症とか…ダウン症とか…?他の人ができることができなかったり、みんなとは世界が違って見えている人たちのこと」
4歳長男「ふうん…?」
よくわからないよね、ごめん。
そもそも私が「知的障害とはなにか」をちゃんと知らないのです。
そして知的障害を4歳児に説明するの、難しい!!!
「知的障害」を子どもに説明するの、めっちゃ難しくないですか…?
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) August 27, 2021
調べました
日本パラ陸上競技連盟のサイトには、下記のように書いてあります。
パラリンピックなどの国際大会では、障がいの種類ごとに出場することができる最小の障がい基準(Minimam Disability Criteria/MDC)が定められています。この基準を満たさない場合は、国際大会に参加することはできません。(引用:基礎知識 | JPA日本パラ陸上競技連盟(パラ連盟)公式サイト)
こちらの表の一番下に、「知的障がい」があります。
(表引用:基礎知識 | JPA日本パラ陸上競技連盟(パラ連盟)公式サイト)
「認知能力が全般的に遅れた水準」…これを4歳児にどう説明するか…。
そして知的障がいだけ、「主な疾患例」が空欄ですね。なんでだろう。
ニュース記事で、知的障害のある選手については「軽度な知的障害」とか「不安定な心を…」のように書かれていて、具体的に〇〇症とか〇〇障害と書かれている記事は見ないですね。例えば下記は、東京パラリンピック陸上女子400メートル(知的障害)に出場した外山愛美選手の記事。
大会で人生に輝きを 粘り強く、導いたコーチ―陸上・外山選手〔パラリンピック〕:時事ドットコム (jiji.com)
また、日本知的障がい者卓球連盟の資料によると、知的障害の国際大会に出場するためには、知能検査(コンピュータを使用)に合格する必要があるとのこと。この検査で「知的障害の認定」を得られれば、知的障害の国際大会に出場する資格を得られるようです。(参照:パラリンピックへの道のり 一般社団法人 日本知的障がい者卓球連盟)
そして、厚労省サイトの「知的障害とは」の説明文には下記のようにあります。
すなわち「1. 知能検査によって確かめられる知的機能の欠陥」と「2. 適応機能の明らかな欠陥」が「3. 発達期(おおむね18歳まで)に生じる」と定義されるものです。中枢神経系の機能に影響を与える様々な病態で生じうるので「疾患群」とも言えます。
有病率は一般人口の約1%であり、年齢によって変動します。男女比はおよそ1.6:1(軽度)~1.2:1(重度)です。知的機能は知能検査によって測られ、平均が100、標準偏差15の検査では知能指数(Intelligence Quotient, IQ)70未満を低下と判断します。
うーん、これを4歳児にどう説明するのか?
知的障害バスケの映画を観ました
2018年にスペインで製作された、知的障害者バスケットボールの映画です。
邦題は「だれもが愛しいチャンピオン」と個人的にはイマイチだなと思いますが、原題はシンプルに「CAMPEONES」(=Champions)です。
この映画とてもオススメです。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) August 29, 2021
2000年のパラリンピックで起こった大事件(優勝したスペインの男子バスケ選手12人のうち10人が健常者だったことが内部告発で発覚し、金メダルを剥奪される)を史実として知っておくと良いかと思います!
『だれもが愛しいチャンピオン』予告編 https://t.co/qqxJIR7z2h
知的障害者が団体戦で戦う難しさや、知的障害者に向けられる冷たい目も正面から描きつつ、ちゃんとコメディ映画になってます。何度も笑いました。 「2018年スペイン映画興行収入圧倒的第1位」だったそうです。
実際に障がいを持つ600人もの中からオーディションで選ばれた10名の俳優が出演しているとのことで、登場人物の中には吃音やダウン症の人がいたり、試合中にてんかんの発作を起こしたりします。
この映画を夜7時半頃に観始めて、子どもたちは途中で寝落ち。まあスペイン語音声と日本語字幕で観たので、4歳&2歳にはちょっと難しかったと思います。
でも、「知的障害」と言ってもいろんな人がいることは伝わったかな。
4歳長男にもう一度説明してみました
私「こないだ、知的な障害ってなに?って話をしたでしょ」
長男「うん」
私「世の中には、いろんなルールがあるよね。おはようって言われたらおはようってお返事するとか、電車のなかでは小さい声でお話するとか。こういうルールを守るのが苦手な人がいるんだよ」
長男「大人なのに?」
私「大人なのに。でも、わざとじゃないし、説明されれば分かる人もいる。1回説明されて分からなくても、2回説明されたら分かる人もいる。文字で書いてあってもわからないけど、誰かが読んでくれたら分かる人もいる。で、世の中は、大人だったらこのルールは守れるよね?って思ってる人が多いから、そういうルールを守るのが苦手な人は、ちょっと助けてもらわないといけないんだよね」
長男「保育園の先生とか?」
私「そうだね、保育園の先生はそういうとき助けてくれるよね」
長男「うん」
私「で、そういう、ルールを守るのが苦手な人は、例えばルールがあることを知らなかったり、ルールは知ってるけど守るのが苦手だったり、ルールを忘れちゃったりするわけで、スポーツするのは大変だと思うんだよね」
長男「うん」
私「パラリンピックに出てる知的障害の選手は、大変だけど、頑張ってスポーツのルールを勉強して練習して、世界で一番早く走ったり、世界で一番早く泳いだりしてる」
長男「うん」
私「すごいじゃん」
長男「すごい」
うーん、長男がなんとなく分かってくれたような気がするので、とりあえず今回はこれで良いことにしました。
子供向けに知的障害を説明する良い絵本などご存知の方がいれば是非教えて下さい!
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