おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

異人種間結婚と、同性婚について考えたこと

米国映画『ラビング 愛という名のふたり』を観ました。

gaga.ne.jp

 

異人種間結婚が違法だった時代の実話

白人と有色人種の結婚が違法だった1958年に、黒人女性と白人男性が結婚し、逮捕される。
彼らが原告となった1967年のラヴィング対ヴァージニア州裁判で、最高裁が「異人種間結婚を禁じる法律」を無効にする歴史的快挙を映画化したものです。
この判決は、近年の同性婚に関する米国の裁判でも何度も引用されてますね。

実話なので、勝訴という結末を知っていて観るわけですが、これが本当に素晴らしい映画でした。

 

要点をざっくり説明します

・2人は幼なじみ。生まれ育った土地であるヴァージニア州では異人種間結婚は違法
・ワシントンDCでは合法なので、まずはDCで結婚し、ヴァージニアに戻ってくる
・2人がベッドで寝ているときに警官が急襲(異人種間の性行も違法なので、現行犯逮捕を狙ったらしい)→逮捕
・有罪判決を受けるも、ヴァージニア州に2人が同時に戻らないことを条件に執行猶予。家族と別れてワシントンDCに移住。
・子供が3人産まれる(早い…!)
・でもDCの黒人街は、子育て環境として良くない。ヴァージニアの緑豊かな環境で、家族・親戚のそばで育てたい
・でもヴァージニアに2人同時に戻れば逮捕される。子供たちは混血児なので、非嫡出子扱いになってしまう。
・黒人と白人の夫婦というだけで、こんな扱いを受けるのは間違っているのではないか。折しも、時は公民権運動の真っ只中。
・妻が、司法長官(ケネディ大統領の弟)に手紙を書いてみる。すると…

続きは是非映画で観てください!

 

私の感想

・映像が美しく、セリフが厳選されていて、静かに感動させられた。「異人種間の結婚を勝ち取る闘いの話」からイメージしていたバリバリな雰囲気ではなく、愛する人と結婚したい、家族を守りたい、一緒にいたい気持ちがひしひしと伝わってくる。
・でも夫の態度にやきもきさせられる。思ってること100のうち1しか言ってくれないのやめてほしい。取材とか積極的に受けて世論を味方につけようよ!最高裁での裁判、夫婦で傍聴しにいこうよ!なんで非協力的なのよ!!ばか!!!
・と思いつつ、この寡黙な夫から、黒人コミュニティで生きる白人男性の苦悩(完全に黒人の仲間にもなれず、完全に白人の仲間でもいられない… 嫌がらせも受けるし、家族の安全を守る責任ものしかかってくる)が伝わってくる

・こういう人たちが、時間やお金や身の安全を犠牲にしながら闘った結果が、異人種間の結婚が当たり前にできる今の時代につながっている。現代でいう同性婚や、もしかして夫婦別姓とかも、数十年後の日本人が「え、昔ってそんな意味不明なルールがあったの?!」て思うようになるのかもしれない。
・社会は少しずつ良くなっている、と思う
・私も、制度として異人種間の結婚も同性婚もできるべきだと思う
・でも、2〜30年後に息子が「結婚したい」と連れてきた人が「日本人女性である場合」「黒人女性である場合」「日本人男性である場合」、私は同じようには喜べないだろう
・それは、私自身が差別や偏見の気持ちから完全には自由でないということ。息子に、苦労をしてほしくない、幸せになってほしいと思うからこそ、不安になる
・でも最終的には、その人と結婚することで息子が幸せになるなら、応援できると思う

↑というようなことを、寝かしつけながら息子に語りました。息子からは「どー!」(ゾウさんの意)と返事がありました。

 

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