まさかこんなにバズるとは
このTweetが、恐ろしいほど拡散されました。
NHK「フレンチトーストを作る際、牛乳と卵を混ぜた液にパンを浸しがちです。でも卵が混ざると染み込みにくくなる上に、卵に火が通らないと生臭くなります。牛乳と砂糖を混ぜた液にパンを浸し、卵液はフライパンでパンを焼く際に上からかけましょう」
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) July 30, 2020
私は…こういう知識を…!家庭科で学びたかった!
たくさんRTされた理由は、たぶんこんな感じです。
・フレンチトーストの力:フレンチトーストが好きで自分でもよく作るという方が多かった(そして皆「クレイマー・クレイマー」が大好き)
・NHKの力:「NHKの料理番組のレベル高さはすごい」というご意見が結構ありました
・簡単さ:今まで「牛乳+卵」に浸していたのを、「牛乳液」「卵液」に分けるだけという簡単さ。「これは試してみたい」という方が多かった
・共感性:「家庭科で学びたかった知識」、色々ありますよね。ハッシュタグ(#家庭科で学びたかった知識)を作ってみたので関心ある方は是非みてみてください!
番組で紹介されていた分量は下記の通りです。食パン2枚です。
牛乳液:牛乳カップ1、グラニュー糖20g、ラム酒(あれば)小さじ1、バニラエッセンス
卵液:卵1個、グラニュー糖10g
※レシピの詳細が見たい方は、番組の公式サイトへどうぞ:レーズンパンのパンペルデュ | かんたんごはん | ちかさとナビ | NHK
念のため番組を見直しました
冒頭のTweetは在宅勤務の昼休みに自分の昼食を用意しながら片手間にみた内容をその場で投稿したので、一言一句正確な引用ではありません。ここまで話題になるとは思わず…。
そこで念のため、「かんたんごはん」の該当部分をNHKプラスで見直して、ナレーションを書き起こしました。
今日は、フランス風のフレンチトースト、パンぺルデュです。(中略)牛乳に、砂糖をいれます。砂糖がとけるまで温めます。牛乳は沸騰直前で火を止めます。(中略)フレンチトースト、通常の作り方だと、卵と牛乳全部合わせて、それをパンに浸すんですが、これ、卵が入ると、パンにしみこみにくいんですね。牛乳とお砂糖だけのものだと、すぐしみこんでるの、分かりますかね。(中略)バターが解けてきたら、卵をからめたレーズンパンを焼いていきます。パンの中にしみこませているのは、牛乳、砂糖液で、周りに卵、砂糖液をまぶしています。卵と牛乳の液がパンの中にしみこんでいると、中まで火が通りにくいんですね。卵くささが残ってしまう。でも、この作り方だと、卵は周りにまぶしているだけなので、しっかり焼くことができて、中のふわっとしたおいしさが残ります。焼き色がついたら、裏返します。
(7月30日放送、NHK「ひるまえほっと~関東甲信越~」より引用)
「卵を上からかける」ではなく、「卵をからめて焼く」のが正確な表現でしたね。すいません。こんなにバズると分かっていたら、ちゃんとNHKプラスで見直してからTweetしたんですけどね…!
※このレシピを番組で紹介されたフードコーディネーターのナガタユイさんにも私のTweetをご覧いただいてますが、特に訂正されずでした。寛容に見守っていただきありがとうございます。(参照:取材記事)
【2020年8月27日追記】
その後、このフレンチトーストの作り方(牛乳液と卵液を分けるレシピ)が掲載されているレシピ本で、詳細を確認しました。よろしければどうぞ!
フレンチトーストのコツ
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) August 25, 2020
①【牛乳と卵を最初に混ぜない】まずパンを牛乳液に浸す。焼く直前に卵液を全体にからめる
②卵液には【塩をひとつまみ加える】(塩で卵がほぐれやすくなる+甘みとのバランスが良くなる)
③パン両面に焼き色がついたら、【側面を立てて耳にも焼き色をつける】 pic.twitter.com/WHgU9qlFgB
時系列にすると
私がつぶやいてからわずか32時間でバズって取材を受けて記事が公開されました。NHKの仕事の速さにびっくりしました。(しかも私は普通に平日で仕事をしていたので、記者さんへのお返事は昼休みなどの休憩時間にしかできなかったのですが、あっという間に記事に!)
番組の放送:7/30 11:50-12:00
私のTweet:同日12:02
バズる:同日21:45時点で6万RT、22万イイネに
NHKからの取材依頼:7/31 10:42 →昼休みに15分間の電話取材
記事趣旨の事前確認:同日15:31
記事公開:同日20:42
NHKの記事、面白いです
公開された記事がこちらです。面白いです。
署名欄には「有吉桃子」さんのお名前がありますが、数年前まではNHK政治部で骨太な記事を書いてらした記者さんのようです。(例:自民党“保守清流” 継承なるか? | 特集記事 | NHK政治マガジン)平成15年入局で子育て中とのことで、たぶん私より7歳くらい年上の先輩ママですね。記事を読んだ報道関係の知人から、「まさか有吉さんがフレンチトーストで記事を書くとは…」という謎のメールをもらいました。笑
私が妊娠出産を機に自由に外に出られなくなり、「社会とのつながりが欲しくて」Twitterが楽しくなってきた…という話を電話取材で上手に引き出してくださいました。
そして私だけではなく、「ひるまえほっと」番組制作者の方(プロデューサー)、私の投稿にコメントをくれた男性、番組に出演したフードコーディネーターの方にまで、あっという間に取材をされたようですね。すごい。
ちなみに取材で「なぜバズったと思いますか」という質問に対し、私は「フレンチトーストの力、NHKの力、驚き/知らせたいという感情、共感性」とお答えしたのですが、公開された記事をみると綺麗に「NHKの力」だけ抜かれてます。謙虚ですね…笑
バズった結果おきたこと
・ポジティブな反応を読み切れないほどもらう(これは試してみたい、有用な情報をありがとう、卵が生にならないから離乳食にも良さそう…などなど)
・ネガティブな反応もちょっともらう(家庭科に要求しすぎだぞ、こんなレシピが美味しいはずないだろう…などなど)
・フレンチトーストのとっておきレシピが続々と集まる(土井善晴先生レシピも牛乳だけ吸わせるよ、パンを冷凍したり焼いたりしてから卵液を吸わせると良いよ、卵液をフープロで撹拌すると良く吸うよ、プリンやバニラアイスを使うと簡単にフレンチトーストがつくれるよ…などなど) 全部試したいです。
・Twitterのフォロワーが900人くらい増える(Before:2600人、After:3500人超) ※なお私がフォローしている方は300人くらいです。これ以上増えると読み切れないので、基本的にフォロバ(フォローしてくれた人をフォローし返すこと)はしていません
・ブログのアクセス数が増える(普段は1日1000くらい。7/30は8900、7/31は6800くらいのアクセスがありました) ※ちなみに今まで一番ブログアクセス数が多かった日は、児童手当報道のときの7万アクセスです。下記ブログに経緯をまとめています。
NHK取材のおかげで考えたこと
いままであまり深く考えていなかったのですが、あらためて「なぜTwitterをやるんですか」と聞かれれば、「楽しいから」だけではないなと思いました。特に子育てや家事の話は、自分の悩みを書くことで解決策が集まることもあるし、悩みを共有すること自体に救われることもある。そして自分が有用な情報をもっているときにはそれを共有することでちょっとだけ「世界を良くしている」感覚をもてる、ということがあるのかもしれません。
記者さんの質問力ってすごいですよね。
NHKではTVニュースだけでなく、こうしたSNSの動向などを踏まえて「どういった情報発信が求められているか」など検討し、ウェブ記事等で発信していかれる方針のようです。言われてみればクローズアップ現代も全文書き起こしがウェブ記事で出るようになり、TVを見る時間がとれない私は大変助かっています。
今後も応援しています!
後日談
なお、その後「バズリ御礼」として出版社からレシピ本をお贈りいただきました。びっくりしました。
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