厚労省の児童手当の使途等に係る調査報告書にミスがあったことについて、Twitterおよびブログで色々書きました。
発端になったツイートはこちらです。これは5,500以上RTされてます。ここから連続で20ツイートぶら下がっています。
「児童手当を何に使っていますか?」と聞かれて「大人の小遣いに充てています」と回答する人がそんなに多いのはおかしいのではないか?と疑問をもったので、ちょっと調べました。
— おたま@男子二児の母 (@otamagawa) November 12, 2019
この財務省の「高所得者への児童手当廃止を含めた見直し要請」が、今年6月の財政制度等審議会によるものだと仮定します。 https://t.co/7Okyhndkzm
そして一連のブログ記事は下記4つです。1日で7万以上のアクセスがあり、びっくりしました。
その1:日経新聞の報道を受けての疑問
その2:報告書のミスに気付いて厚労省に電話
その3:まさかのスピードで報告書が修正されて感動
その4:厚労省副大臣から御礼を言われて調子に乗る
この経緯についてはBuzzFeedニュースでも配信されています。
児童手当は「大人のおこづかい」だから見直し?政府のミスをブログが指摘、その経緯は
初めての「バズり」体験となりました
Twitterを使い始めてから10年、はてなブログを使い始めてから1年ほどになりますが、初めて「バズり」を体験することとなりました。
仕事中は私用スマホを見ていないし、家でも子どもが寝るまではあまりスマホを見られないので、数時間おきにスマホを見ると信じられない量の通知が来ていて震えました。怖かったです。
はてなブログのブクマ数ランキングで1位になったという通知も来ました。(ブクマ数でランキングがあるということすら今回初めて知りました…)
もし関心ある方がいれば、ブログのアクセス数は下記の通りです。
・普段:1日100~300
・11月13日:1万4千
・11月14日:7万3千
・11月15日:5万2千
・11月16日:2万
・11月17日以降:数千
たくさん褒められて、ちょっとけなされて、家族と友人からは心配されました
Twitterやはてなブログで多くの人が「よくミスを見つけた」「素晴らしい行動力」「発信してくれてありがとう」など褒めてくれました。通知すべてを追えていないのですが、体感としては99%くらいの人からはポジティブなコメントを頂きました。
一方で、「こんなことを指摘しても財務省の方針は変わらない」「結局無駄な努力なのに、厚労省や内閣府の官僚の仕事を増やさないであげてほしい」のようなコメントや、「私はこの人がきらいだ(意訳)」のようなコメントもごく一部にありました。
99人に褒められても、1人の人に「きらいだ」と言われると結構傷つくものなんだな…と知りました。フォロワーの多い方が「基本的に通知を切っている」のはこういうことなのかな、などと思いました。
また、友人知人、職場の人々、家族からは「すごいけど、大丈夫?」というニュアンスのメッセージをもらったりしました。一応このブログは匿名で書いているものの、Facebook等でシェアしているため、多くの友人が読んでくれています。「あまりに有名になると、色々詮索されて家族やお子さんのプライバシーが…」という趣旨の心配をかけてしまいました。これについては色々反省しています。
良かったと思うこと
そもそも発端となったツイートが多くRTされたおかげで、フォロー関係にない多くの方の目に触れることとなり、複数の方々が厚労省報告書の数字を検証し、間違いの原因を発見し、私に教えてくれました。
私がひとりで考えたり調べたりしてもこのミスは発見できなかったかもしれないし、発見できたとしてももっと時間がかかったかもしれません。Twitterで疑問をつぶやいてみて良かったなー!と思っています。
いつもなら誤報の訂正はあまり拡散されないのに
そして、私が疑問をもった日経新聞の報道(高所得者の多くが児童手当を大人のお小遣いにしている、という趣旨)から時を置かずして私のTweetが拡散されたことで、「児童手当をお小遣いにしているなんてけしからん!」と思ってしまった人たちに、「なーんだ、あれは間違いだったんだ」と知ってもらうことができたのではないかと感じています。
この件に限らず、Twitter等で一気に拡散された報道が「間違いだった」と後から判明しても、その訂正Tweetはあまり拡散されず、結局多くの人はもとの誤報を信じたままになってしまう、ということがあります。
今回は私のような(どこの馬の骨ともわからない)一市民が、厚労省の報告書の間違いをみつけて厚労省に電話した、という「珍しさ」「面白さ」が相まって、当初の日経報道が間違いだったことが広く拡散されました。
「日経の記事をみて児童手当をお小遣いにしている高所得者に腹が立ったけど、この人の検証Tweet/ブログを読んであれは間違いだったと知った」という趣旨のTweetをいくつか見かけましたが、これはとても嬉しかったです。
もし私がTweetせず、本件の誤りに気付かなかったとしても、いつか内閣府の児童手当担当の方々が財政制度等審議会の資料に引用されている数値がそもそも厚労省報告書のミスに起因していることに気づき、修正がなされたのかもしれません。でも、きっとそれはあまり大きなニュースにはならないんだろうと思います。そして、多くの(特に子育て当事者以外の)人々は、日経の記事によって「児童手当は大人のお小遣いにされている」という印象を持ち続けてしまったんだろうと思います。
そういう観点から、今回の私のTweetは、正しい情報を広く拡散させることに貢献できて良かったな、と思っています。
私は「児童手当が欲しい」とは言っていません
「結局は自分が児童手当が欲しいからこういうことを言っているんでしょう?」というコメントが少しありました。
これは前4つのブログを読んでくださった方にはあえてご説明するまでもないかもしれませんが、私は「絶対に児童手当を廃止しないでほしい」とは思っていません。
現時点で我が家は3歳未満の子ども2人がいるため合計3万円/月を児童手当としてもらっています。実際、家計は助かるし、もらえるお金はもらいたいというのが正直な気持ちです。
でも私が今回このようなブログを書いたり厚労省・内閣府に電話したりそのことをあえてTwitterで書いたりしているのは、自分がどうしても児童手当をもらいたいからではありません。私だって自分の子どもたちの世代に巨大な借金を背負わせたくはないし、日本の財政は健全であってほしいです。
ただ、児童手当の削減や廃止の議論をするのであれば、正しい数字と正しい表現で議論してほしい、と言いたいだけです。
・大人のお小遣いになっている、という誤報 ←既に訂正されました
・誤報が訂正された後も、高所得者への児童手当廃止を要請する財務省の方針に変更はない
・その根拠のひとつとして、児童手当を「使う必要がなく残っている」割合が世帯年収1000万円以上の世帯では17.1%であること
・しかし、これは厚労省がアンケート調査を実施したときの表現とはだいぶニュアンスが違う(詳しくはひとつ前のブログをご覧ください)
廃止という結論ありきで、その結論に都合の良い数字や表現だけをつまみ食いしているような印象を持ってしまっています。
でも、もう私が本件について色々言うよりも、内閣府のご担当の方々にお任せしたほうが良いのだろうな、とも思っています。結局のところ私はただの素人でしかなく、今回たまたまミスを見つけてご連絡したところで役割は終わっていると思います。
このブログについて
ブログ開設から1年ほど経ちますが、基本的に育児しながら読んだ本や考えたこと、オススメしたいことについて長文でだらだらと書いているだけのブログです。更新頻度は基本的に3日に一回です。
今回の児童手当の話でずいぶん多くの方が読者になっていただいたようで恐縮です。
これからは通常運行に戻り、まただらだらと書きたいことを書くブログとなりますのでお付き合いいただける方はよろしくお願いいたします。
今回の騒動で、何人かの方がTwitterで下記のようなコメントをしてくれました。
・この人のブログ、前にも読んだことがある。確か米国のグリーンカードの話だった
・この人、「われらの子ども」についてしっかりした感想を書いていた人だ
私のブログ、ちゃんと読んでくれている人がいたんだなぁ…としみじみ嬉しかったです。
上記はどちらも結構頑張って書いた記事だったので、もし関心ある方がいれば是非読んでください。
初めて作った「ほしいものリスト」
何人かの知らない方から、「noteだったら迷わずサポートしているところです」「欲しいものリストがあれば何か送らせてほしかった」などの優しいコメントを頂きました。ありがとうございます。おかげさまでAmazonに「欲しいものリスト」という匿名でプレゼントを送りあうサービスがあることを初めて知りました。
もし、今回の一連の記事等読んでいただいて「おたまに何か贈りたい!」と思った方がいれば、是非送ってください!!
【2020年11月6日追記】
今年も財務省が児童手当の特例給付の廃止を検討しているという報道がありました。色々思うところがあるので、ブログに書きました。
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