おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

北京日本人学校の校歌は井上ひさし作詞です

こちらのTweetが話題ですね。

 

確かにカイロ日本人学校の校歌、かっこいいです。ピラミッドは強い。

そして私がとても気に入っている「北京日本人学校の校歌」をもっと多くの人に知ってほしくなったので、突然こんなブログを書くことにしました。万里の長城が出てきます!

 

北京日本人学校の校歌は2番まであります

元の詩を尊重し、改行も全部その通りに書きますね。

北京日本人学校校歌「ちいさな火花」

井上 ひさし 作詞  団 伊玖磨 作曲

 

一、

ぼくらは火花

ちいさな火花

長城のはじまりも

ちいさな石ひとつ

長江のはじまりも

ちいさな水たまり

だから燃やしつづけよう

火花はやがて広野を焼きつくす

北京日本人学校

ちいさな火花は集う(つどう)

 

二、

みんなが光

ちいさな光

朝空のかがやきも

一本の日の矢(ひのや)から

星空のにぎわいも

一片(ひとかけ)の小星(こぼし)から

だからともしつづけよう

光はやがて世界にあふれ出す

北京日本人学校

ちいさな光は睦む(むつむ)

(小学校社会科副読本『北京』3訂版より引用)

 

この歌詞、すんごくかっこいいと思いませんか?

もともと毛沢東の「星々之火 可以燎原」(小さな火花も広野を焼き尽くす)という言葉があるようなので、井上ひさしさんはこれを意識して書かれたのかな、と想像しています。

あの巨大な万里の長城も、小さな石を積み上げて作られたんだな…とか、アジアで一番長い川である長江も、水たまりの集まりなんだな…とか(川の成り立ちとは違うと思いますが)、子どもの頃の私は何度も歌いながら考えました。

体育館でこの校歌を歌っていると、自分も周りの同級生も「火花」であり「光」であり、集まるとすごいことができるような気になりました。

 

私の手元には歌詞とオルゴールがあります

すごく良い歌だと思うんですが、私が「ちいさな火花」についてちょっと検索してみてもあまり情報が出てこないので、とりあえず私の持っているものから歌詞とオルゴール音源を共有しておくことにしました。このオルゴールには「日中国交正常化30周年記念」と書かれています。

オルゴールは「僕らは火花、小さな火花、長城の始まりも小さな石ひとつ」部分だけのメロディなので物足りないですが、良い校歌な感じがしませんか?

私は今でも全部歌えるので、もし聞きたい友人がいたら会った時にでもリクエストしてください。笑

 

求む、情報

・「ちいさな火花」の楽譜を持っている人がいたら写真を送ってくれませんか

・なぜ井上ひさしさんが北京日本人学校の校歌を作詞することになったのか、経緯が書かれている本などご存知の方がいたら教えてくれませんか

・毛沢東の言葉「星々之火 可以燎原」(小さな火花も広野を焼き尽くす)がこの歌のもとになっているのかどうか、ご存知の方がいたら教えてくれませんか

よろしくお願いします!

 

完全に余談。北京日本人学校について

・北京日本人学校は正式名称が「在中華人民共和国日本国大使館附属 北京日本人学校」と、とても長いです。これを中国語で言えるようになったときは嬉しかったです。

・1976年開校。小学1年生~中学3年生までが通う学校です。開校当時の児童数は16人(1977年に北京に住んでいた日本人の総数は370人)。これが1995年には児童生徒数380人、北京に住む日本人数5421人に増えます。今はもっと多いのでしょう

・校歌ができたのは1982年(※この辺の数字は全て前述の小学校社会科副読本『北京』3訂版によるものです)

・英語では北京日本人学校は「Japanese School of Beijing」略して「JSB」と呼ばれており、学校指定の体操服には「JSB」の文字が入っていました。これを「じゃぱん・すけべ・ばーさん」と呼ぶのが流行った時期がありました

・こうした海外の日本人学校で教える先生は、自ら応募してわざわざ海外の学校に来てくれる先生たちなので、とても質が高い…と聞いたことがあります。私は子どもだったので先生の「質」と言われてもよくわかりませんでしたが、確かに熱意ある先生に多く出会ったなと思っています。感謝しています。

 

【2021年1月19日追記】

ついに「ちいさな火花」の楽譜を入手しました。送ってくださった方(北京在住の日本人の方)、本当にありがとうございます。

 

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