断乳と卒乳
一昔前の母乳育児は「断乳」で終了させていたそうですね。おっぱいにカラシを塗ったり、怖い顔を描いたりして、なんとか母乳への執着を断ち切らせる。2002年までは母子手帳にも断乳の記載があったそうです。
それに対して、最近はもう少し優しい「卒乳」が指導されることが多いようです。無理に引き離さず、赤ちゃん本人が自然に母乳から卒業していく感じです。
いつまで母乳を与えるか?
なお、WHOでは「生後6か月までは完全母乳、その後は離乳食と並行しつつ、2歳まで飲ませる(2歳以降も続けて良い)」と推奨されています。英語原文は下記。
Exclusive breastfeeding is recommended up to 6 months of age, with continued breastfeeding along with appropriate complementary foods up to two years of age or beyond.
※「卒乳 世界平均」で検索すると、「WHOによると卒乳の平均は4.2歳」という情報がたくさん出てきますが、WHOの公式文書ではこの情報の根拠を見つけることができませんでした。これがデマ(というか、根拠の不確かな情報)であることを丁寧に検証されたブログがこちらです:離乳の世界平均は4.2歳なのか、涙の谷 - ネットロアをめぐる冒険)
私は2歳まで母乳を与えたかった
私は母乳の出が良い体質のようで、たいして苦労せずに長男を完全母乳で育てました。そして生後6ヶ月で離乳食を開始し、順調に食べてくれたので、徐々に母乳をあげる回数も量も減っていきました。WHOのガイドラインに従って、少なくとも2歳までは母乳をあげようかなと思っていたんですが、長男が1歳になる頃に第二子の妊娠が判明。切迫早産になりやすい体質なこともあって、医師から断乳を指導されました。(授乳を続けると、流産・早産のリスクがあがるそうです)
断乳しなければならない
この頃には1日3食(+おやつ)をしっかり食べて、夜寝る前に母乳を飲むというリズムが定着していました。
断乳かぁ、かわいそうだな、泣くだろうな…と思っていましたが、夜寝る前に母乳をあげる代わりに、フォローアップミルクを購入し、ホットミルクのようにしてコップであげるようにしたら、それで満足したらしく、あっさり抱っこゆらゆらで就寝。
※もう1歳なので牛乳も飲めるんですが、鉄分などが不足したら嫌だなと思い、念のためフォローアップミルクにしました
卒乳に成功した…?
えっ、断乳って、おっぱい欲しくて一晩中泣き続ける我が子を抱えて途方にくれるんじゃなかったの…?こんなにあっさり寝ちゃっていいの…?と戸惑いつつも、翌日も翌々日も少し泣いたりするものの、フォローアップミルクを飲んで、母乳無しで就寝。これはもしかして、断乳するつもりだったけど、自然に卒乳できちゃったかな?やったー!
1歳1ヵ月にして、長男、卒乳です!
…と、当時は思っていました。
次男が産まれて赤ちゃん返りした長男
そして半年後に次男が産まれました。長男は1歳7ヵ月でお兄ちゃんになりました。
退院して自宅で次男に授乳していると、長男が嬉しそうにのぞきこんできます。
長男「…えっぱい?」
私「そうだよー、次男くん、おっぱい飲んでるねー(可愛いなあ)」
長男「えっぱい!」
私「え?長男くんもおっぱい欲しいの?」
長男「うん!」
私「ちょっとだよー、はいどうぞ(可愛いなあ)」
乳牛になった私
ここで次男と同時授乳を気軽にしてしまった私。ちょっと飲んだら満足すると思ったんですよね…。左乳に次男、右乳に長男。気分は乳牛です。
初日こそ、ちょっと飲んでみて満足した長男でしたが、日に日に飲む時間が伸びていきます。平日日中は保育園に行きますが、週末は一日中家にいるので、飲む回数も増えていきます。
いまや長男が母乳を欲しがったときに「ちょっと待ってね」などと言おうものなら大泣きです。完全に、おっぱいへの執着です。これは…卒乳、大失敗なのでは…。
長男にも母乳を与え続けることに
まあ、WHOは2歳まではあげるべしって言ってるし!長男にも母乳あげてたら、私もダイエットになるかもしれないし!長男も1歳なのにお兄ちゃんになって、いろいろストレスあるだろうし!と自分に言い聞かせ、長男にも母乳をあげ続ける日々。
風邪や虫歯菌が次男に移ると嫌なので、念のため、長男に母乳をあげたあとは乳首を水洗いします。洗面所で乳首を洗う図、なかなかシュールです。(初めのころは石鹸で洗いましたが、だんだん適当になり、いまは水洗いのみ)
倒れました
そんなある日、長男を連れて児童館に遊びに行き、たっぷり走り回って家に帰る途中、突然の立ちくらみに襲われました。道端にしゃがみこみ、なんとか頭から倒れることは回避しましたが、気持ち悪さと目まいでくらくらしつつ、やっとの思いで帰宅…。そのまま立ち上がれなくなり、半日ほど布団で過ごしました。
これは…もしかして…貧血…。
私はもともと貧血持ちで、貧血の治療で通院していた時期もあるほどです。この気持ち悪さと立ちくらみは貧血だ、鉄が足りないのだ…。(このあと助産師さんに相談し、多めの鉄分摂取をオススメされました)
授乳期は鉄がたくさん必要
厚労省によると、30歳女性は1日6.5mgの鉄分摂取が必要ですが、授乳期はこれに2.5mg加えて、合計9mgの摂取が推奨されています。(参照:厚労省鉄の食事摂取基準)
この「授乳婦」の定義にはおそらく2人の子供に同時授乳する授乳婦は含まれていないので(笑)、きっと私の現在の状況ではもう少し多めの鉄分が必要。でもこれを食事で摂ろうとすると、毎日ほうれん草を280gとか食べないといけない…。いまの私が鉄分不足になると、私が貧血になるだけでなく、完全母乳中の0歳の次男も鉄分不足になってしまい発育も心配。
仕方ない、ここはサプリに頼ろう!
サプリを買いました
ということで、DHCのヘム鉄サプリを購入。1日2粒で鉄10㎎と葉酸が摂取できます。
ついでに、DHAを摂取すると赤ちゃんの頭が良くなる(かもしれない)と思い、DHAサプリも摂り始めました。これまでもなるべく魚を食べたり、たまにエゴマ油を摂取したりしていましたが、どうせ鉄分サプリを摂るならついでにDHAも摂ろうかなと。肉料理が続いたときに、サプリでちょっとDHAを補う方針です。
(参照:Vol.002 DHAを摂ると赤ちゃんの頭が良くなる? | MRIC by 医療ガバナンス学会)
こんなこと言っておきながら、実は私、あんまりサプリとか摂るの好きではないのです。なるべく食事で栄養を取りたいと思っています。でも、過去記事でも書いた通り、食事での摂取に限界がある葉酸などは、赤ちゃんに障害が出ることが防ぐためにサプリでの摂取を厚労省が推奨しています。
上記の記事を書いた頃は、鉄分は食事で十分に摂取できていたようで、妊婦検診でも一度も貧血と診断されませんでした。第二子出産後も、なるべく肉や魚、豆やほうれん草など鉄分を意識して食べてきたのですが、さすがに0歳児の完全母乳に加えて、1歳児にまでゴクゴク飲まれると、限界がきたようです…。
とりあえず鉄サプリを摂り始めて、立ちくらみの症状はでなくなりました。ひと安心です。(貧血で倒れた日にAmazonで注文して、翌日には鉄分サプリが届きました。Amazonありがとう!)
母乳は血液からできています
でも、0歳児のオムツを捨てに行くとき、毎回その重さにぎょっとします。この水分が全部、私の血液から作られているんだと思うと怖いくらいです。母乳育児をされてる方、ほんとうに貧血には気を付けてくださいね!!!水分と栄養と睡眠をたくさんとってくださいね!!!
私はこれから長男と次男がいつまで母乳を飲み続けるか未知の世界ですが、できれば2人とも自然に卒乳してくれるまで待ちたいと思っています。(今回の貧血事件を反省して、ちゃんと鉄分はとるようにします。)
可愛い
ちなみに長男、母乳を飲みながら「おいしー!」って言います。めっちゃ可愛いです。
もちろん無言で必死に母乳を飲む次男もめっちゃ可愛いです。
オマケ:母乳育児のオススメ本
母乳育児についてはいろいろ情報が氾濫していますが、私が一番信頼して手元に置いてる本はこれです。授乳の仕方から卒乳まで、とても丁寧に書いてあり参考になります。
よろしければ是非!
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