おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

避難所に生理用品が足りなかったらすごく困る/災害備蓄の生理用品の使用期限にもご注意を

5月27日のNHKニュースで、「防災担当部署に女性職員がいない自治体が6割」という報道がありました。

詳しくは下記NHKサイトで読めます。

www3.nhk.or.jp

 

ニュースを見てびっくりしたことをそのままTweetしたらバズってしまいました。

Tweetを補足しつつ、私が調べたこと&考えたことを書きます。

 

NHKニュースで取り上げられた事例

東日本大震災や熊本地震では、避難した女性たちから「生理用品をもらえなかった」とか「避難所に仕切りが無く、みんながいる場所で授乳することにストレスを感じた」とか、訴えがあったとのこと。

防災担当部署に女性職員が1人もいない状況は怖いなと思います。

さらに、防災担当部署の女性の割合が10%以上の自治体と避難所の備蓄品を比較したところ、女性職員がいない自治体では「女性用の下着」や「生理用品」「哺乳瓶やおむつ」「簡易トイレ」などの項目で備蓄が進んでいない傾向が見られたということです。

(引用:【詳しく】防災担当者に “女性がゼロ” 全国6割の自治体で | NHK | ジェンダー

 

防災担当部署に女性がいない理由

女性不足の理由として内閣府は「地震・大雨など緊急時の対応が多く、子育て中の女性など配置しづらい」と。

これを聞いて、子育て中の職員を配置しづらいのは本来「女性職員」に限った話ではないはずなのに、まだまだ子育ては女性のもの、というのが多くの自治体での現状なんだな…と思いました。

 

生理用品の必要数を考えてみました

しかし800人の避難所で生理用品が72枚しかないなんて、私のような素人が見たって明らかに足りないとわかるんですが、こういうのって内閣府とかが各自治体に「避難者の人数あたり○枚の生理用品を備蓄する」みたいなガイドラインを作ってくれたりしないんですかね。「災害時の生理用品の配り方」とか。

適当な試算ですが、例えば800人の避難者のうち400人が女性で、200人が生理のある年齢(一般的に生理は12歳〜50歳くらい、個人差あり)だとして、30日中5日間は生理だとすると、200人の女性の6分の1は生理中なわけですよね。そしたら33人は生理用品が必要。1日に1人が最低4枚のナプキンを使うとして、1日あたり132枚必要。できれば夜用と昼用両方を常備。みたいな感じです。

※生理のある年齢の女性数は、自治体によって割合が違うだろうと思います。高齢者が多い地域なら必要な生理用品は少なくなりますね。

 

ただし「1日4枚」はかなりギリギリのイメージです。例えば下記では、1日5〜6回くらいの交換を推奨しています。たとえ経血量が少ない時でも、長時間同じナプキンを使っていると雑菌繁殖などのリスクがあります。

ナプキンは、だいたい1日5~6回くらい、トイレに行くたびにとりかえます。でも、経血量が多いときは、もっとこまめにかえたほうがよいでしょう。

(引用:Lesson2 女の子と月経 | おとなになるということ | ロリエ | 花王株式会社

もし1日1枚しか生理用品(ナプキン)を使えない状況になったら、トイレットペーパーとか清潔な布とかを1枚のナプキンの上に重ねて、こまめにペーパーや布を取り替えることでなんとか乗り切るしかないかな…と想像しています。

あと、生理用品にはいわゆる紙ナプキン以外にも色々(タンポンや月経カップ、布ナプキンなど)あります。が、清潔な水が手に入るかどうか、洗って乾かす場所があるか、使い慣れていない生理用品を災害時に使えるか、など考えると、今の日本では避難所の備蓄は紙ナプキンが最適だろうと思います。

 

ガイドラインはないのかしら

よく考えたら防災担当部署に女性が1人いたとしても、その女性があらゆる状況の女性を想定して準備するなんて無理ですよね。女性がいるのは望ましいけど、女性がいれば良いというわけではない。

やっぱり国として「避難所には生理用品、オムツ、ミルク…それぞれ避難想定人数あたり○○個を用意」とか決めておいてほしいな…もしかして既にあったりしないかな…と思って、調べてみました。

が、見つけられず。

 

内閣府(防災担当)の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」の中に、「高齢者、乳幼児、女性等に配慮し、紙おむつや生理用品を備蓄しておくこと」という文章は見つけましたが、人口あたり必要な分量などの目安などは発見できませんでした。

もしご存知の方がいたらぜひ教えてください。

 

生理用品の使用期限にもご注意を

数さえ用意すれば良いわけではなく、食料品と同様に「使用期限」に気をつける必要があります。

例えばこんなニュースがありました。災害時の生理用ナプキン5千個が、約20年間一度も更新されていなかったと。さすがに20年前の生理用品を使うのは衛生的な不安がありますよね。

www.asahi.com

 

私も自宅に保管している防災リュックに入れている生理用品の使用期限については意識が薄かったので、なるべくローリングストックにしていこうと思います。

※もちろん個々人が生理用品を災害用に備えておくことは必要ですが、被災するのは自宅にいる時とは限らないので、やはり避難所には十分な数の生理用品を備蓄しておいて欲しいと思います

 

ちなみに保証期間が10年の生理用品も開発されているようです。

災害備蓄用生理用品 保証期間10年に延長のお知らせ | 毛布の丸竹コーポレーション

 

このサイトにはこんな試算もありました。

※生理用品を必要とする年齢を、12歳から51歳として計算すると、人口の約24.1%が生理用品利用対象者。
月経期間を7日間として計算すると、緊急避難中に人口の約6%が生理用品を必要としています。

(引用:災害備蓄用生理用品 保証期間10年に延長のお知らせ | 毛布の丸竹コーポレーション

 

災害備蓄を使用期限前に配布してくれる自治体もあるようです。

東京都が災害用に備蓄していた生理用品等の有効活用について(配布終了しました) - 東大和市公式ホームページ

 

使用期限前に学校や公共機関のトイレに寄付できたら良いな

例えば2年ごとに自治体が災害備蓄の生理用品を入れ替えるとして、それを地域の学校や公共機関のトイレに無料で置いておけたら良いですよね。

www.asahi.com

 

自治体職員の方も大変だと思います

ちなみに私のTweetのリプや引用RTで、ニュースに登場した男性職員を厳しめに批判されている方を結構お見かけしました。たとえ男性であっても、職務に必要な情報として災害備蓄に必要な生理用品の量は調べればすぐわかるはず、というのは仰る通りです。ただ、職員も人間なので、忙しい日々の業務でそこまで手が回らなかったというのは理解できるな、とも思います。

(私の冒頭のTweetがあまりにびっくりしてたので、人々の批判心を刺激してしまったのかもしれません。すいません…)

 

ちょっと話はずれますが、2019年10月12日の台風を覚えていますか?

令和元年台風19号(2019年10月12日) | 災害カレンダー - Yahoo!天気・災害

私の友人で自治体職員として働いている人が複数いるのですが、夜中に続々と召集されていました。初めての災害対応は本当に大変だったようです。

日本全国いつどんな災害がどんな規模で起こるか分からないので、自治体職員個人の情報収集や努力に頼るよりも、国が必要な情報はまとめてガイドラインにしておいてくれると良いな、と思っています。

 

おしまい

NHKのニュースをきっかけに色々考えたことを書きましたが、振り返ってみればずいぶん生理用品に関する話題を自分のブログで書いてきました。

10代の頃の私は男性に生理の話をするなんて想像もできませんでしたが、自分が年齢を重ねたこともあり、日本社会の雰囲気がこうした話題を人前で話せるように変わってきたこともあり、最近は「必要な話題」として普通に話せるようになってきたなあ、と思います。

 

【合わせて読みたい】

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com