おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

子どもの予防接種スケジュール管理が母親に偏ってるのはなぜだろう

突然ですが質問です

育児中の方へ。

「自分の子どもが今まで何の予防接種を打っているのか」知りたい場合にはどこをみたら良いかご存知ですか?

 

「次に我が子が予防接種をするのはいつか/なんのワクチンなのか」

「いつもどこの小児科で予防接種を受けているのか」「予防接種の予約はどうやってするのか」

「予防接種を予定通り受けられないのはどんな時か」

「予防接種を予定通り受けられないとどうなるのか」

「いま、予定通り受けられていない予防接種はあるのか」

 

どうでしょうか。

 

ざっと回答します

「自分の子どもが今まで何の予防接種を打っているのか」→母子手帳に書いてあります。もし一度も当該ページを見たことがないなら、ぜひ見てみてください

「次に我が子が予防接種をするのはいつか/なんのワクチンなのか」→母子手帳を見ればわかる場合もあります。自治体や病院によっては標準的なスケジュールを一覧にしてくれたりリマインドをくれたりします。保育園がリマインドしてくれる場合もあるそうです

「いつもどこの小児科で予防接種を受けているのか」「予防接種の予約はどうやってするのか」→わからない場合は配偶者の方に聞いてみると良いと思います

「予防接種を予定通り受けられないのはどんな時か」→典型的には「予防接種を予約していた日の朝に熱を出した」場合。あとはワクチンの供給不足もありますね

「予防接種を予定通り受けられないとどうなるのか」→怖い病気になるリスクが高まります。また、国が定めている定期接種の対象年齢を過ぎると、無料では受けられなくなります

「いま、予定通り受けられていない予防接種はあるのか」→いま、日本全国で日本脳炎ワクチンの供給不足が問題になっています。対象年齢のお子さんだと、うちの長男同様に「順番待ち」状態かもしれません

 

あ、もうひとつ。

「予防接種の予診票って書いたことありますか?」

→もし一度も書いたことがないなら、ぜひ次回は書いてみてください。

 

Twitterでアンケートを取ってみました

ご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

 

予想通り、「母親」という回答が圧倒的多数でした。

・「母親」が9割以上なのは割と予想通り

・「夫婦で完全に平等に把握・管理してます」が4.7%いる!

→回答された1969人のうち、93人は夫婦平等管理なんだ。どうやって管理してるんだろう。

 

今私が知りたいこと

・「夫婦で完全に平等に把握・管理してます」という家庭では、どんなツールを使って/どんなコミュニケーションをして、完全に平等な管理をされてるんだろう?すっごく知りたい。

・「父親です」と回答された家庭では、「もともと母親が管理してたけど、なんらかのタイミングで父親が管理することに変わった」のか、はたまた「子どもが0歳の時からずっと父親が管理していた」のか?すっごく知りたい。

 ※回答者の中にはシングル家庭も含まれている可能性があると思います

 

Twitterのリプを見ていると、夫婦平等管理をされてる方は、男性も育休を取得された方が多いような気がします。

例えばこちらの方はダブル育休を取得→夫婦2人で初回予防接種→復職後は完全な交代制、という流れ。すごい。

 

また、「(妻より自分の方が)勤務時間に融通がきく」ということで予防接種の管理をされてる男性も。とても納得。

 

アンケートを取った理由

 

※日本脳炎ワクチンの供給不足については今年の3月に日本小児科学会からこんなお知らせが出ています。ご参考まで

日本脳炎ワクチンについては、ワクチンの製造量が十分でない状況が今後しばらく続くことが予想されます。(中略)
日本脳炎ワクチンを 2 回あるいは 3 回接種している場合は、個別通知が既に行われているお子さんも含めて、ワクチンが安定供給されるまで、接種を見送ります。
(引用:日本脳炎ワクチン供給不足が見込まれる現状についてのお知らせ -日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会からのお願い—

 

なぜだろう

子どもの予防接種スケジュールを母親しか把握してない家庭が多いとしたら理由はなんだろう、と考えました。

母子手帳を妊娠中に使い始めてそのまま母親が管理するパターンが多い、というのが私の立てた仮説です。

・母子手帳を役所の窓口で受け取るのは基本的に女性

・妊娠中に母子手帳を使うのは主に女性

・産休・育休を取得するのも女性の方が圧倒的に多い(※男性育休は増加傾向)

・「妊娠中〜育休」期間で母子手帳の管理は女性がするもの、と役割分担が(意識的にせよ無意識的にせよ)決まってしまう→その後の予防接種スケジュール管理も女性がするものになっている

 

予防接種、脳のリソースを結構使います

常に頭のどこかで「次の予防接種はなんだっけ/いつだっけ」「ちゃんと必要なタイミングで我が子に予防接種できてるかな/うっかり忘れてるやつがないかな」と気になっている感覚があります。

・土曜日の予約取れるかな

・平日に行くなら仕事調整しなきゃ

・当日朝に子どもが熱を出せばスケジュールの再調整が必要

・同時接種できるワクチンもあるし同時接種できないワクチンもある

・定期接種(無料)のワクチンもあるし任意接種のワクチンもある(例:インフルエンザ)、任意接種については「有料だけど打つかどうか」を親が決めないといけない ※私は基本的に任意接種のものも全部打ってます

・今年はインフルエンザの予防接種がなかなか始まらずヤキモキしました

・えーっ日本脳炎のワクチンまだないの??かかりつけ医には「年明けにまた状況共有します」と言われたけど、小児科のウェブサイトをみるのを忘れないように自分にリマインドしなきゃ…

 

私が何を問題だと思っているのか

個別の家庭で、子どもの予防接種スケジュールを母親が管理してようが父親が管理してようが、私が口を出すことではありません。

私が問題だと思っているのは、「日本全国で予防接種のスケジュールを母親だけが管理している家庭が大多数なのではないか」ということです。

 

ちょっと話は変わりますが、結婚に伴う姓の変更って、ルール上は男女どちらが変更しても良いのに、実際には9割以上のカップルで女性側が姓を変えていますよね(厚労省の資料をみると婚姻時に「夫の氏」を選んだ人が96%です ※平成27年の数字です)。

そうすると、「姓の変更に伴う諸々の手続きが大変」とか「結婚や離婚に伴って姓が変わることの弊害」とか「選択的夫婦別姓制度の必要性」とかについて、人口の半分(=男性)に取っては他人事になりやすいですよね。

で、姓変更に伴う手続きを簡便化しようとか、選択的夫婦別姓制度を導入しようとかいうときに、男性が「特に興味はない」「自分の問題ではない」と感じやすくなってしまうわけです。

個別の家庭で、結婚に伴って夫の姓を選ぼうが妻の姓を選ぼうが、私が口を出すことではありません。私が問題だと思っているのは、「日本全国で9割以上のカップルで女性側が姓を変えている」ということです。その背景に何があるのか、この不均衡によって社会にどんな影響があるのかに関心があります。

 

そして話を戻すと、子どもの予防接種のスケジュール管理って大変ですよね。そして予診票も毎回手書きで大量の情報を書かされます。

予診票には住所、氏名、生年月日と満〇歳〇ヶ月、保護者氏名、電話番号、これまでに同予防接種を何回打ったか、それぞれの日付はいつだったか、そして子供の出生体重や分娩時の異常の有無、近親者に〇〇と診断されている人はいるか…などなど、気が狂いそうになるほどの情報量を書かされます。

(引用:マイナンバーに期待したいこと(予防接種、保育園申し込みなどなど) - おたまの日記

 

最近は電子母子手帳を導入する自治体が増えていたり、予防接種スケジュールを管理してくれるアプリが出ていたり、少しずつ便利な方向に進んでいるとは思います。

そして「予防接種スケジュール管理大変だよね!」「予診票の手書き、面倒だしミスが発生しうるよね」「日本脳炎ワクチンの供給不足ってどうして起こってるんだろう」「こういう問題を解決するために、多少はお金を払っても良いよね」という問題意識を、できれば育児中の女性だけでなく男性とも共有していくことで、こうした変化の速度を早められるだろうと思っています。

 

今回は質問で終わってみます

・あなたのおうちで子どもの予防接種スケジュールを主に管理しているのは誰ですか?

・それはなぜですか?

・現状は理想的な状態ですか?もし理想的でないとしたら、どうなったら理想に近づくと思いますか?

・理想に近づくために何かしますか?何をしますか?

 

 

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