前提:インフルエンザ予防接種は毎冬受けています
以前のブログにも書いた通り、親戚の子がインフルエンザ脳症で亡くなったこともあり、我が家は特に子どもたちには毎年インフルエンザの予防接種を打つ方針です。
さて、9月中旬、私のTwitter画面はインフルエンザ予防接種の話題でもちきりでした。
発端は厚生労働省による下記の呼びかけです。
65歳以上の優先接種の呼びかけ(子どもは10月26日以降に接種を)
【ワクチン接種時期に関するご協力のお願い①】
この冬のインフルエンザワクチンの接種時期について、ご協力をお願いします。
10月1日以降、定期接種対象者である65歳以上などでご希望される方は、早めに接種していただき、それ以外の方は、接種を10月26日までお待ちいただくようお願いします。(1/2) pic.twitter.com/7zTEfWfWV8— 厚生労働省 (@MHLWitter) September 14, 2020
これを最初に見たとき、私は「なぜ高齢者だけ優先なんだろう?乳幼児は?妊婦は?」と不思議に思ったので厚労省の公式サイトも見にいきましたが、特に理由は書いてありませんでした。
小児科の先生たちによる疑問の声
しばらくすると、小児科の先生たちによる疑問の声がつぎつぎにTwitter上に現れました。例えば下記です。
厚労省のインフルエンザワクチン優先的接種の呼びかけに反対する理由2つ
— 西真岡こどもクリニック (@nishimoka0404) September 15, 2020
★医学的根拠が不明
★既に予約が始まった直前のこの時期での発表は現場が大混乱する
と言う理由で
当院は例年通り
10月1日からインフルエンザワクチン接種行います。 https://t.co/n3QGbtEi9S
「医学的根拠が不明」という話、インフルエンザの重症化リスクを高齢者と小児で比較したらどうなのか、私は専門家ではないので良く分かりません。
産婦人科医からもこんなTweetが。
厚労省からFAXで「インフルエンザワクチンは医療従事者も妊婦も10/26まで接種を待つようご協力をお願いします」だって。
— 宋美玄@医者が教える女体大全発売中 (@mihyonsong) September 23, 2020
医療機関へ協力願いのFAXを送って自助努力で運用って、あんまりだと思う。
新型コロナじゃなくてインフルワクチンなんだから集団感染しやすい子どもがなぜ優先ではないのか? pic.twitter.com/z7xkbvAEI9
かかりつけ医に相談しました
厚労省がこんな呼びかけをするのであれば協力すべきなのか、それとも我が子の安全を最優先にして呼びかけに従わないべきなのか、自分では判断できない!と思ったので、かかりつけ医に相談しました。
私「インフルエンザの予防接種時期をご相談したいんですが」
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 26, 2020
かかりつけ小児科医「はいどうぞ」
私「厚労省が10月26日までは高齢者優先と通知を出してますよね」
医「ああ…私はあれには従いませんので」
私「そうなんですか」
医「あんなものに…従う小児科医はいませんよ…」
めっちゃ怒ってる… pic.twitter.com/F3HbLZZ1WP
かかりつけの小児科医、普段は温厚な人なのですが、怒ってました。
「高齢者を優先して乳幼児を後にする理由はない」と。
そして「うちが入荷できるワクチンはあまり多くないので、予約は早めにどうぞ」と言われました。
さて、10月26日より前にするか、後にするか。
私が考えたこと
・子どもは3~4週間の間隔をあけて2回接種が必要なので、早めに打ち始めないとインフルエンザの流行に間に合わないかもしれない
・予約当日に子どもが熱を出せば予防接種は延期になるので、その意味でも早めに打ち始めたい
・しかも周辺は共働き家庭が多いようで土曜日の予防接種予約はすぐいっぱいになる
・厚労省の呼びかけに従って接種を遅らせて、もしもワクチンが不足して打てなかったらどうしよう
・一方で、インフルエンザ予防接種の効果は5ヶ月間ほどとのことなので、3月まで効果を持続させるためには10月末くらいに接種するのが良いのかな(去年も10月下旬に1回目、11月中旬に2回目の予防接種してます)
・ありがたいことに私は平日日中に休みを取って子どもの予防接種に行くことが可能なので(職場が柔軟なので)、土曜日の予約がとれないことに焦る必要は無い
・むしろ子を持つ母親目線では、今最も優先されるべきは出産間近の妊婦なのではないか(妊娠中に母親が予防接種することで赤ちゃんにも予防接種の効果がある。新生児は予防接種できないので、この冬に出産予定の妊婦さんが予防接種をうつことは、赤ちゃんのインフルエンザ予防にも重要:これは以前のブログでも書きました。出産前にインフルエンザの予防接種をしておくとお得な理由 - おたまの日記)
→私があせって10月26日より前に予約することで、こういう人が予約できなくなったら申し訳ない。妊婦本人の予防接種も、もしかして上の子の予防接種も。
…と、色々と考えた結果、今回は10月26日以降に子どもたちの第一回目の予防接種を予約しました。
さすがに10月末の時点でワクチンが足りなくて打てないことにはならないだろう、と希望的観測をしています。
なお、その後、日本小児科医会がちゃんと「高齢者だけを優先するな(意訳)」と言ってくれているのを見つけました。ありがとうございます。
1) 日本感染症学会は医療関係者、ハイリスク者、乳幼児から小学低学年までのインフルエンザワクチンの接種を強く推奨していることから、小児への接種時期を一律に遅らせることは避けるべきと考える。
2) 今季はインフルエンザワクチン供給状況が例年より早期に完了する予定であることから高齢者だけを早期に完了する接種計画を立てるのではなく、他の年齢層で接種が必要な方への接種も考慮すべきである。
3)乳幼児はインフルエンザ脳症のリスクがあることからハイリスク群であり、優先順位は高い。
4)すでに 10 月からの接種予約が完了している医療機関もあり、予約の変更などにより混乱が起こる可能性がある。
5)乳幼児・学童への接種を遅らせることによる影響の有無についての検討が十分でなく、小児への不利益が生ずるなどの不安が残る。
しかし9月末になって、さらに混乱する情報が出てきました。
今年は子どもも1回接種で良い??
9月29日にNHKからこんなニュースが出ました。
インフルエンザのワクチンについて、日本小児科医会は子どもへの接種回数を今シーズンは、原則とされる2回から1回に減らすことも検討するよう全国の小児科医に呼びかけています。
ワクチンが不足した場合に備えて、減らした分をほかの年代への接種に回せるとしています。
記事にはこう書かれています。
WHO=世界保健機関などでは、生後6か月から8歳までで前の年に接種を受けている子どもや、9歳以上の子どもについては、いずれも1回でよいとされているということです。
(上記記事より引用)
えええ…去年まであんなに「子どもには2回接種」と言われてたのに…!
(厚労省サイトにも、「13歳未満の方は、2回接種です」と明記されてます)
もうだめだ、私の手には負えない…
今年は1回接種で良いのか?子どもの安全のためにはやはり2回接種すべきなのか?私には判断できません。
ということで、再度かかりつけ医に相談しました。(次男が肌をかきこわしてしまったので、結構頻繁に小児科に行ってます)
怒ってました。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) September 30, 2020
かかりつけ医「あのですね。13歳未満の子どもは抗体の上昇を確実にするためには2回接種が必要です。去年接種していても、です。WHOが何を言おうとも、私からは以上です。」
はい、承知しました。
というわけで我が家は今年も2回接種することになりそうです。
おまけ:小児科医の書かれた記事が素晴らしく分かりやすかったです
ここまで一母親の立場から色々と書きましたが、小児科医の先生が書かれた記事がとても分かりやすかったので、コロナ禍のインフルエンザ対策について知りたい方にはとてもオススメです。
・予防の基本は新型コロナ対策と同じ
・発熱したときにインフルエンザなのか新型コロナウイルスなのか、区別が難しい
・10月に入ったら乳幼児も遅らせずインフルエンザの予防接種を
・小児はやはり2回接種が望ましい
【合わせて読みたい】