おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

東大脳を育てる3歳までの習慣

東大卒ママの会 著『「東大脳」を育てる3歳までの習慣』を読みました。

昨日発売されたばかりの新しい本です。

 

初めて「本の紹介を依頼されて」紹介します

実はこの本の著者である「東大卒ママの会」には私の友人が参加しており、彼女から本の紹介を依頼されました。ちなみに無償なのでお金はもらってません!笑

依頼からブログ執筆までの流れはこんな感じ。

①友人から依頼される

②私がOKする

③友人から「宣伝に協力して下さる皆さま」というGoogleフォームのURLが送られてきて、私の住所氏名を小学館の宣伝担当に送る(個人情報のやり取りを、友人を介さず小学館と直接するのは良い仕組みだなと思いました)

④小学館から私の自宅に新刊が送られてくる(発売前に!)

⑤発売前に本を読み終えて、いまブログに書いてます

 

友人からは、読んでみて紹介したくないと思えば紹介しなくても良いし、本を批判しても構わないと言われています。

読んでみた結果、面白かったので、紹介することにしました。 ただ、こうした人間関係の中で紹介文を書くので、ちょっと身内びいきなブログになるかもしれません。そこだけご了承ください。

 

この本の良いところ3つ

①ただの「個人の体験談」だけでなく、アンケートに基づいて書かれている

東大生257人にアンケートを実施し、その結果がこの本に反映されています。n=1の体験談にとどまらず、東大生の83%が幼少期に迷路で遊んでいた、6割以上がパズルでよく遊んでいた、テストの点を他人と比較されていたのは8%以下しかいなかった、などの数字が多く掲載されています。

学生時代に東大生同士で「自分がどんな育てられ方をしたのか」情報交換する機会はあまりありませんでした。この本を読むことで、優秀な友人たちの幼少期を想像できてなかなか楽しかったです。

 

②ちゃんと参考文献が載っている

この本のほぼすべてのページ下に注が入っており、論文(日本語の論文も、英語の論文も)が参照されています。

私も育児の方針を考えるときにはいろんな文献を読むようにしています。

例えば下記のブログ記事を書いたときには、テレビが赤ちゃんの集中力を削いでしまうといった調査結果を見つけたので、子どもが小さいうちはなるべくテレビをつけない方針にしました。

www.shiratamaotama.com

でも、忙しいとなかなか論文を読み込んで比較して…ということはできないんですよね。

この本は、きちんと参考文献が掲載されているので、内容に疑問をもったら参考文献を自分で読んで判断することができます。良い本だなあと思います。これだけの文献を自分で読んで理解しようと思ったら大変です。

 

③すぐ実践できることが多い

友人から許可をもらったので、本の中身を少し写真で紹介します。

f:id:shiratamaotama:20200611143531j:image

わざわざ勉強時間を設けてドリルをするのではなく、身近なもので数の数え方を教えるというのは良い方法だなと思います。我が家も3歳長男が「トマトおかわり!」と言ったら「あと何個欲しい?」と聞くようにしています。

 

他にも下記のような、お金もかからずすぐに実践できる工夫がたくさん掲載されています。

・「車だね」ではなく「赤い車だね」などと形容詞をつけて語りかけること

・「お外 暑いね」ではなく「お外は暑いね」などと助詞を意識的に使うこと

・2歳を過ぎたら寝る前の5分間でその日の出来事を振り返ろう

・3歳頃になったら1日の予定を親子で一緒に考えることで計画性を育てよう、など

この本に書かれていることを全部一気にやるのは大変かもしれませんが、気づいたときに取り入れていくことで、良い習慣が身につきそうだなと思います。

 

 

さて、ここまではこの本を褒めたので、逆に「うーん、惜しいな」と思ったことも書いておきます。

この本の惜しいところ3つ

①タイトルがあんまり好きじゃない

『東大卒ママたちに教わる、「東大脳」を育てる3歳までの習慣』、強烈なタイトルですよね。

実は友人に本のタイトルを言われたときに「うっ」と思いました。私は我が子を絶対に東大に入れたいとは思っていないし、「東大生だけに共通している脳」があるとも思えないからです。

ただ、本文を読むと下記のように書かれており、これにはとても共感しました。

偏差値の高い大学を卒業することにより、キャリアなどの選択肢が増える面もありますが、我が子には偏差値よりも”人生で何を成し遂げたいか”、”何に価値を置くか”を、主体的に考えられる人間になってほしいと願っています。(中略)そしてその基礎となる思考力は、まだ考え方が柔軟な幼いころから、親が手助けをして少しずつ習得するものだと思っています。(p4より引用)

きっと「我が子の思考力を育てるために親にできること」というタイトルにすると売れにくいので、分かりやすく「東大脳を育てる」「東大卒ママたちに教わる」というフレーズをタイトルに入れたんだろうと理解しました。

このタイトルで私と同じように「うっ」と思った方がいらしたら、この本の中身はそんなに東大を絶対視していない真っ当なものですよと教えてあげたいです。

 

②東大生とそれ以外との比較がない

例えば「迷路のドリルや本を使って、算数脳を育てよう!」というぺ―ジには、下記のような文章があります。

東大卒アンケートでは、約83%が幼少期(小学生以下)に迷路のドリルや本を活用していて、そのうちの約半数が3歳までに導入していたという結果も出ています。(p95より引用)

興味深い結果だなとは思いますが、このアンケート結果だけから、「幼少期から迷路で遊ばせると東大に合格する可能性が高まる」とは言えないですよね。

例えば日本人全体で同じアンケートをとった結果、83%の日本人が幼少期から迷路で遊んでいたとすれば、迷路は東大脳には関係ない要素ということになります。もし99%の日本人が幼少期から迷路で遊んでいたとすれば、迷路には東大に「はいりづらくなる」効果があるかもしれません(そんなことはないと思いますが)。

迷路の話に限らず、この本には「東大生アンケ―ト」しか無いので、比較ができません。ちょっと惜しいなあと感じる次第です。

 

まあ私も3歳の息子と迷路の本で遊んでいるんですけどね。迷路楽しい!

 

③登場人物がみんな賢すぎる

私も一応東大卒なんですが、この本を読んでいると登場人物が賢すぎて「うっ」となります。例えば下記。

赤ちゃんのころ、(略)~をしていました。3歳の頃には一度読んだ本は暗唱できるなど、記憶力がとてもよくなっていました(p15)

えっ…一度読んだ本は…暗唱できる…?????3歳児が?????

 

生後まもないころから母がこの握り方をさせてくれていたようです。おかげで2歳では鉛筆で上手にひらがなが書けたり、お箸が使えたりなど、手や指の発達が早かったといいます(p25)

えっ…2歳で…ひらがなが…書ける?????うちの3歳長男はまだひらがなを読めるかどうかですが…笑

 

他にも「母が〇〇してくれたおかげか、1歳で100までの数を数えられた」とか、「0歳のとき、『形容詞』+『決めた単語』を母が1週間にひとつ教えてくれて、私も1週間で覚えました」とか、賢すぎる人々がたくさん登場します。

「3歳のころにやっていたドリルで、文章に抜けている助詞を入れる問題が苦手でした」という一文を見たときには頭がくらくらしました。そうか、東大生の中には3歳からドリルを解いてきた子がいたんですね…知らなかった…。

 

自分の育児に自信がもてないときに読むとダメージを受けそうです笑

自分が元気なときに「なにか子どもと新しい遊びをしたいな」と思って読む分には良い本だと思います。また、東大生の全員がこんなに幼少期からすごい教育を受けているわけではないです、というのは主張しておきます。

この本は、東大を卒業して母親になった人たちの中でも特に教育熱心な素晴らしい人たちが書いた本なので、「東大脳を育てるにはこの本に書いてあることを全部しないといけないんだ」とは思わなくて良いかと。書いてある中で楽しそう、やってみたいと思うことがあれば適宜取り入れるくらいで十分だと思います。

 

まとめ

身内びいきなブログになるかもと言っておきながら普通に批判もしてしまいました。まあこんなことで友情は壊れないと思います笑

いま0歳~3歳児を育てている方には面白く読める本だと思います。

 

この本の随所に東大生を育てた親御さんからのコメントが載っているのですが、みんな親に愛されて大切に育てられてきたんだなあとしみじみ思いました。

また、「親がこんな風にしてくれたから今の自分があると思います」と、我が子から自分の子育てを肯定してもらえるって良いなあと思いました。私もいつか息子たちからそんな風に振り返ってもらいたいものです。

 

関心ある方は是非読んでみてくださいね!

 

 

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