おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

男女の違いについて今私が思っていること

男女には差がある、ということには異論ありません。

ただ、「要は女の話にはアドバイスしないでただ聞いていれば良いんでしょ」と言われれば「いやいや私だってアドバイスを求めるときはありますよ」と思いますし、男の子がピンクのスカートを履きたいときもあるし女の子にも電車好きな子はいますよね。

(先日、保育園で3歳長男がひらひらのレースのスカートを履かせてもらって喜んでいました)

 

このブログは、男女の違いについて、私がいま思っていることをつらつら書きました。

 

「生まれつき」と言い切ることへの抵抗

まず、男女差が脳の構造や目の構造に起因する、「生まれつき」のものであると言い切ってしまうことには抵抗を感じています。

※性差を脳や目の構造で単純に説明することへの批判は斎藤環著『関係する女 所有する男』が詳しいです。

 

男女差は「後天的に身につけている」だけかもしれない

例えば、2020年3月1日の朝日新聞GLOBE11面のジェンダー格差特集、東大・山口慎太郎教授インタビューには下記のようなことが書かれていました。

・男女の賃金格差の背景に、「女性が生まれつき男性より競争を回避する傾向がある」と言われてきた
・しかしインドにある母系社会(女性優位な社会)で実験したところ、女性の方が強い競争心を示した
・つまり女性が競争を回避するとしても、それは社会の中で身につけるものだと分かった

「子育ては母親がすべきだ」というような、従来の「男らしさ」「女らしさ」の考え方があてにならないということを、私自身も研究を通じて実感しています。

(2020年3月1日朝日新聞GLOBE11面、東大・山口慎太郎教授の言葉より引用)

色んな調査研究で「男女にはこのような差がある」と示されたとしても、それは生まれ持った男女差ではなく、後天的に獲得した男女差である可能性があるんだな、と理解しています。

ちなみに山口先生の著書がすごく面白かったのでオススメです。保育園は母親の幸福度を高めるそうですよ。

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実

 

世にあふれる「男女差」の解説本とどう付き合うか

さて、私がこれまで読んだ本にも、「男女差」を書いた本がたくさんありました。

古いところから言えば、有名な「話を聞かない男、地図が読めない女」。

私は高校2年生の12月に読みました。そのときの日記には「面白かった!」と書いてあります。私は典型的な「地図が読めない女」なので、当時は「そうかこれは私が女だからなんだ」と素直に納得してしまいました。

 

最近読んだ本だと、男女の網膜は違うので、男の子の描く絵は女の子の描くような暖かい色を使った人物の絵にはならない、とか。

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女性は共感力を生まれ持っているので、お母さんたちは男の子の共感力を高めてあげましょう、とか。

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男の子を育てる女性である私にとって、こうした本には参考になる話もある一方で、「そんなに言い切ってしまって良いのかしら」という疑問は常に持っています。

女性の脳梁は男性より太いので女性のほうが左右の脳の連絡が良い…という話も有名ですが、この研究の信頼性はとっくに否定されているそうです(詳しくは検索してください)。

 

有名な『夫のトリセツ』『妻のトリセツ』にも様々な男女の脳の差が書かれますが、それは脳の差ではなく後天的な男女差なのではないか、と少し疑問を持ちつつ、「まあ私たちの夫婦関係をより良くするために、参考情報として覚えておくか」というスタンスで読みました。

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ストーリーで理解したほうが覚えやすい

実際、「男は狩り、女は木の実を集めたり協力して子育てしていたのでコミュニケーション方法に差がある」などのストーリーとともに男女差を理解したほうが記憶に残りやすいし、いざ夫とケンカしたときに「いやいやこれは夫個人が悪いのではなく、男女には差があるからコミュニケーション方法に違いがあるのは仕方ないんだ」と考えることによって、自分が落ち着くことができるというメリットはあるなと思っています。

そういう意味で、分かりやすい「男女差」の解説本にもそれなりに価値があると考えています。

ただし、あらゆる解説本には「これはあくまでも一般的な傾向であり、すべての個人にあてはまるものではなく、男女差よりも個人差のほうが大きいかもしれませんよ」という注釈を勝手に加えて読むようにしています。

 

母性も父性も私の中にあると思っています

いわゆる「母性」が子どもを守り育てる性質で、「父性」が子どもを自立に導く性質だとすると、女性が母性100%、男性が父性100%なのではなく、ひとりの人間のなかに母性も父性もあるんだろうな、と思っています。

ひとによって母性が強い人も父性が強い人もいるだろうし、同じ人間でも、母性が強い時期(たとえば子どもが乳幼児期)と父性が強い時期がありそうです。

子どもは乳幼児期には母性を多く必要とするし、大きくなるにつれて父性も必要となってくる。でも大人だって母性のようなものに守られたいときもあるだろうと思います。

母性が強いお父さんや父性が強いお母さんが性別役割分業にとらわれすぎずに自分らしい育児をできる社会になると良いな、と思ってます。

 

長々とすいません。

私もブログを書く際についつい「男性は…」「女性は…」と単純化して言ってしまいがちですが、一応こんなことも考えながら書いております。という説明でした。

 

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