『6888郵便大隊』(原題:The Six Triple Eight)をNetflixで観ました。
6888郵便大隊は第二次世界大戦中の欧州で「有色人種の女性で構成された唯一の米陸軍部隊」として、半年で1700万通の郵便物を配達するという無謀な任務を課せられ、結果的にはなんと90日以内にやり遂げた実在の部隊だそうです。
家族との手紙のやり取りが戦時中の兵士の士気にとって非常に重要だったこと、黒人であり女性であることで二重に差別され偏見を向けられていた6888郵便大隊の功績が近年やっと評価されるようになったこと。
6888郵便大隊の存在も知らなかった私にとっては非常に勉強になりました。
が、正直言って、映画としてはちょっと期待とは違ったな…という感想です。
①そこまで過酷だと感じられなかった
24時間体制で郵便物の仕分け作業にあたった6888郵便大隊ですが、ちゃんと交代で休憩時間を確保して、シャワーを浴びて睡眠をとってるんですよね。えらい。しかも美容室まで設置して、綺麗なヘアスタイルできちんとメイクをして郵便物の仕分けにあたっているわけです。ダンスパーティーもありました。彼女たちの生活環境がそれほど大変そうに見えなくて、つい私は視察にきた上官(悪役)のほうに共感してしまいました…
もちろん寒さに苦しみ、膨大な郵便物をひたすら仕分けて届けていく作業は大変だったはずなのですが、その大変さがあまり描かれない映画だな、という印象でした。
そして、戦時中でもこういう生活をできる国と日本は戦争したんだな、それは負けるよな…という気持ちになりました。
②実行不可能な任務だと感じられなかった
1700万通の郵便物、何人の女性たちがどうやって仕分けて配達するのか?ひとつの郵便物に何秒かけて仕分けすれば半年の期日に間に合うのか?という作業工程イメージが今一つわからず。結果的に90日で終わったのはすごいことなんだろうと思いますが、つい思ってしまうのです、本当に「実行不可能な任務」だったんだろうか、と。
もうちょっとこう…任務の困難さを感じながら一緒に焦りたかった。
なお、私は大学生の頃に米国でフードバンクの仕分け作業のボランティアに参加させてもらったことがあるのですが、私を含むアジア系の学生たちが数時間普通に作業したら「なんて素晴らしい速度と正確性だ!」と褒められてしまった思い出があります。普通に文字と数字が読めて仕分けルールを理解していればなにも難しいことはない作業だったので、作業の期待値がとても低かったのだろうと思っています。この映画を観ながらこのときのことを思い出していました。
「ドリーム」みたいな映画を期待してました
黒人女性の活躍を描いた実話に基づく映画としては、「ドリーム」が素晴らしかったのです。私の期待値はたぶんこの映画によってかなり上がっていたと思います。
歌は好き
ちなみにこの映画のエンドロールで流れるThe journeyという歌はとても私好みです。
そもそも私がこの映画を観ようと思ったきっかけも、アカデミー賞の授賞式を観ていた時に、この歌がノミネートされていたからでした。
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