同世代の友人たちがそろそろ「自分たち(親)の仕事の都合で子どもが転校する」イベントに直面する年代になってきました。
「おたまって転校多かったでしょ?実際のところ、小学生にとって転校ってどうなんだろう」と友人から質問されまして、せっかくなのでブログに書いてみることにしました。
子どもの転校、大変だろうなあ
我が家は今のところ引っ越しの予定はないのですが、自分の息子たちを見ていると、保育園児の4歳次男も、小学生の6歳長男も、いま突然「別の地域(国)に引っ越して、まったくはじめましての人たちと新しい保育園&小学校生活を始める」としたらものすごく大変だろうな…と思います。
4つの小学校に通いました
私が小学生だった頃、父の仕事の都合で3回の引っ越しがありました(そのうち2回は国をまたいだ引っ越しでした)。
小学1~2年生の頃に通ったひとつめの小学校。
小学2~5年生の頃に通ったふたつめの小学校。
小学5~6年生の頃に通ったみっつめの小学校。
小学6年の夏休みから、卒業までの2学期間だけ通った4つ目の小学校。
それぞれの転校のタイミングで、私なりに「引っ越したくない」と大泣きしたこともあるし、新しい環境になじめず辛い思いをしたこともありました。
それでも今、35歳になった私が当時の経験を振り返ってみると、あの頃の経験にはメリットもあったなあと思うのです。
転校のメリット
・良い意味で学校コミュニティが「絶対のもの」ではなくなる:学校はひとつじゃない、ということを身をもって実感しているので、もしこの学校で人間関係がどうしようもなくなったとしても世界にはたくさんの小学校があるし、人間関係はリセットできる、という感覚を持ちました
・学校制度や教科書や勉強の進め方が地域によって違うことを実感する:なーんだこれも学校によって違うんだ、なるほどこの学校はこういう教科書なのね。と、妙に達観した小学生になりました。複数の教科書を読み比べるのは面白かったです(特に国語)
・自己紹介がうまくなる:「初めまして」の挨拶をクラス全員の前でするのもずいぶん慣れましたし、クラスメイトの女子たちに「今までどこに住んでたの?」「なんで引っ越してきたの?」など質問攻めにされることで自分の経験や個性を客観的に説明する経験を積むことができました。小学校低学年の頃はシャイで内気な子供だったらしいのですが、小学校を卒業するころには「コミュ強モンスター」という誉め言葉なのかどうかよくわからない称号がつきました
・家族の絆が強くなる(特に弟と私):さまざまな「変わるもの」と「変わらないもの」のなかで、家に帰ればとりあえず家族がいる(特に弟)、というのは、私が平日日中の学校環境が激変しても元気でいられた大きな要因だと思います。引っ越してすぐに近所の公園で弟と2人で「公園デビュー」できたのはありがたかったですね。まだ新しい友達ができるまでの期間、放課後に絶対にひとりぼっちにならないという安心感。
この辺の「兄弟による激変緩和」はこちらのブログでも色々書きました:
そして、もちろんデメリットも色々ありました。
転校のデメリット
・人間関係がリセットされてしまう:「小学校6年間を共に過ごした幼馴染」みたいな存在を一生持つことなく生きていくんだなあ、と思います。35歳の今、連絡を取り合っている小学校の同級生は数えるほどしかいません。幼馴染という響きへのあこがれはありますね…
・勉強がちょっと大変になる:教科書や進度が学校によって違ったりするので、転校直後はキャッチアップにそれなりに苦労しました。そういえば家庭科の授業でミシンの使い方を習うはずだったのに、前の小学校では2学期に習う予定で、夏休みに転校してみたら次の小学校では既に1学期にミシンは終わっていたので結局私は小学校ではミシンの使い方を習わないままだった気がします
・林間学校に行きそびれる:上記のミシンと同じ理由で、たぶん5年生の時に行くはずだった林間学校には行けませんでした。悲しい。
・卒業アルバムに自分の写真がほとんどない:これは私が6年生の夏休みに転校したからなんですが、最後の小学校には2学期間しか通っていないため、学友たちが入学式~6年間の思い出のたくさん載った卒業アルバムをもらっている中、「ああこのアルバムには私はほとんどいないわ」とちょっと寂しかったですね。どうせなら一番長く通った(3年間)2つ目の小学校の卒業アルバムが欲しかったなあ。
・クラスの中で浮く:もうこれは転校生の宿命ですね。なじむまでは浮きますね。でもその分強くなったと思います。
あくまでも「私の場合」です
まあ私の場合は生存者バイアスが多分にかかっているので、転校すれば絶対このメリットがある!とか、このデメリットは乗り越えられる!とか、安易に言うことはできません。
それでも、少なくとも私は、あの頃に父が単身赴任するのではなく家族全員で引っ越ししたことは私の人生にとって良いことだったなあ、と思っています。
「子どもの転校」について悩み始めた友人の、なにかしらの参考になれば幸いです。
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