おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

子どもには親の成功談より失敗談を

成功談は放っておいても耳に入る

世の中にはいろんな成功談があふれています。私もついSNSでは「うまくいった話」をしがちです。SNSだけを見ていたら、周りの人がみんな人生を謳歌しているようにも感じます。自分と比べてしまったり、劣等感を感じてしまったり。

 

それに比べると失敗談は貴重ですね。恥ずかしい失敗、現在進行形の失敗、誰にも言えない失敗。

 

自分の子どもには「世の中の人はみんな順調に成功している」と思って欲しくない、というか、「世の中の人はみんな多かれ少なかれたくさんの失敗を重ねてきている」「どんなに失敗しても、生きてさえいればやり直せる」と思っていて欲しいです。

 

そんなわけで、せめて親くらいは子どもに失敗談を(恥ずかしいのも含めて)話してあげたいなと思っています。

 

「お母さんはすごい」と思って欲しくない

「小学生になってもおねしょしてて、中学生の時はせっかく入った剣道部を1年経たずにやめて、高校生の時は自分の髪を自分で切るのにハマった結果すごく変な髪型をしてた子。34歳の今も毎日漫画やTwitterに時間を溶かしてる」

 

「小中学校では常に通知表はほぼオール5で、いろんな『学校代表』『地域代表』に選ばれた。高校でも部活に熱心に取り組みながら塾に通わず東大法学部に現役合格して、今は立派に社会人をしている」

 

どちらも私です。

ある人間を描写するときに、どんな側面を選んで重点的に説明するかによって、受ける印象は全然違いますよね。

 

そして無意識に私は自分の「良いところ」「うまくいっていること」を人に見せようとしてしまう習性があるのですが(人間はみんなそうかな?)、自分の子どもにはなるべく「失敗したこと」「ダメなところ」を積極的に開示していこうと思っています。

 

親の失敗談を聞いているときの子どもの顔、すっごく嬉しそうなんですよね。

私が幼稚園児の時に母親のこぐ自転車の後部座席に乗っていて道端に興味のあるものを見つけて突然飛び降りて怪我をした話と、小学校に入ってからも何度かおねしょしていた話と、小学2年生の時に学校でうんちを漏らした話は、特に長男のお気に入りです。他にも私が子供の頃に足の親指を深爪しすぎていまだに巻き爪に悩んでいる話とか、中華料理の食べ放題で食べすぎて気持ち悪くなって後悔した話とか、給食のお代わりじゃんけんで負けて揚げパンを食べられなかった話とか。

 

長男がもう少し大きくなったら話したいのは、私が小学校の友達に言ってしまってずっと後悔している発言とか、中学校の部活で無謀に頑張りすぎて足を疲労骨折して剣道部を泣く泣く退部した話とか、空港の免税品店で夢中になって飛行機に乗り遅れた話とか。まあ語り尽くせないほどの失敗談があります。もちろん、ここには書けないやつも。

 

息子たちには、「お母さんが子どもの頃もこんなにたくさん失敗してきたんだ」「お母さんは決して完璧な子どもではなかったんだ」「だけど、今こんなに楽しそうに生きてるんだ」と思っていて欲しいのです。

自分も失敗しても大丈夫だと思って欲しい。小学校でうんちを漏らしても人生は終了しないし、外国の空港で飛行機に乗り遅れてもまあどうにかなります。まあ自転車から飛び降りるのはやめたほうがいいけど。

そして子供が失敗しても親は受け止めてくれると思っていれば、失敗を隠さないのではないかと思うのです。

 

「完全無欠なお母さん」には「失敗しちゃった」と言えないだろうと思うので、今後もなるべく失敗談を子供たちに笑いながら話していこうと思っています。

 

【2023年5月15日追記】

『高学歴親という病』という本のp163〜に、まさに「子どもには成功談より失敗談を」という話が載っています。成功談ばかり語ると子どもの意欲を削いでしまうので、高学歴親こそ失敗談を(目の前の子供と同じ頃の失敗談を)話してあげてください、とのこと。

関心ある方はぜひ!

 

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