おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

真珠をとられたら貝は死ぬ

「貝の赤ちゃんを育てるところから真珠を取り出すところまで5年ほどかかります。貝を開いて真珠を取り出すと、貝は死にます」

 

そうか、そうだよね…

真珠をとられた貝は死ぬんだね…

 

パールセッション

先日、タサキ銀座本店で開催された真珠の勉強会に参加しました。

冒頭でパールは「人類が最初に出会った宝石」であり「唯一の有機物を含んだ宝石」であることを説明されました。

なるほど、確かに生き物の体の中でつくられる宝石ってほかにはないですよね。

 

この勉強会をタサキの方は「パールセッション」と呼んでいるそうで、銀座本店の会場には上品な老夫婦から若い女性単身の参加者など数組が参加されていました。どういう基準でお招きされているのか知りませんが、少なくとも皆さんタサキの真珠ジュエリーをひとつは買ったことがある方なんだろうな、という感じです。私の隣に座ってらしたご婦人のパールのブローチがとても素敵でした。

 

初めて知ったこと

1時間強かけてタサキの養殖場の真珠部の専任講師が真珠について詳しく説明してくれました。会場からもたびたび質問があがり、大変面白い会でした。

私にとっては初めて知ることばかりです。例えば、真珠は傷つきやすいので気を付けて生活してきましたが、「真珠のモース硬度は3.5〜4.5で爪は2.5くらいなので、爪では傷つかないですよ」というのは初めて知りました。

海水産パール(あこや貝、白蝶貝、黒蝶貝、マベ貝)と淡水産パール(ヒレイケチョウ貝、イケチョウ貝、カラス貝)それぞれの実物の貝殻も見せて頂きながら解説がありました。どれもマザーオブパールなんですね。

また、タサキの養殖場は長崎県と三重県にあるのですが、長崎県の養殖場では6〜8mmの大きめの真珠を、三重県の養殖場では3〜5mmの小さめの真珠を育てているそうです。

 

真珠の核はなにでできているのか?

貝のなかに核を挿入して真珠を育てるわけですが、例えば6mmの真珠の中には5mm程度の大きさの核が入っていると。そしてこの核はなにでできているのか?と気になったところで、「カワボタン貝というアメリカのミシシッピ川に生息している貝をカットして丸くしたものを核にしています」とのご説明が。

自然界では決して出会うことのなかったアメリカの貝と、長崎県の養殖場にいる貝とが作り上げたのが今目の前にある美しい真珠なんだ…すごい…

 

長い長い養殖プロセスと、貝の最期

養殖プロセスがいかに大変な工程か、というのもだいぶ熱を込めて説明されました。昔のタサキの新人研修では養殖場での実作業が1か月ほどあったそうで、皆さん真っ黒に日焼けしながら養殖場で働いたとのこと。

「貝の赤ちゃんを育てるところから真珠を取り出すところまで5年ほどかかります。貝を開いて真珠を取り出すと、貝は死にます」という冒頭に書いた言葉も、このときの説明の言葉です。

 

私はこれまであまり真珠を生み出した母貝について思いをはせたことがなかったのですが、体内に異物を挿入されてそれを分泌物でくるんで傷を修復して生きて、最後に体を切り開かれて死ぬんだと思うと、とても残酷なことをしている、と感じます。

縁あって自分の手元に来てくれた真珠たちを大事にしようとあらためて思いました。

 

私はつい「貝の肉と貝殻はどうなるんですか、捨てられるんですか」と気になって質問しました。これだけたくさんの貝を養殖場で5年かけて育てて、最期はどうなるんだろう、と。

お答えは、貝殻と肉は肥料になるとのこと。ちなみにあこや貝の貝柱は食用にもなり、とても美味しいそうです。このとき説明してくださった方いわく「貝柱の中で一番美味しいのがあこや貝の貝柱だと思います」とのこと。うーん、食べてみたい。

 

続きはまた書きます

長くなってきたのでここでいったん終わりにします。続きはまた書きますね。

勉強会後半では養殖場で生み出された真珠がジュエリーになるまでの話や、現在の真珠価格の高騰についてもお話がありました。

 

勉強会会場の桜の装飾が素敵でした。

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