おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

兄弟(姉弟)の難しさ:お小遣い事件

突然ですが、私の人生で決定的に重要だったと思う「お小遣い事件」を紹介します。

 

私が小学5年生、弟が小学3年生の時の事件です。

当時の状況

・我が家ではお小遣い制が導入されておらず、欲しいものがあれば適宜親に言って買ってもらう方式だった

・しかし私も小学5年生ともなると、自分で自由に使えるお金も欲しくなってきた

・クラスメイトの多くもお小遣いをもらって自分でやりくりしており、それがうらやましかった

・そこで、親にお小遣い制の導入をもちかけた

 

当時の会話

私「…というわけで、お小遣いが欲しいです」

母「毎月きまった額が欲しいということね。じゃあ今後は欲しいものがあったら自分でやりくりして買うのね」

私「うん…たぶん。でも学校で必要なものとかはお母さんたちが買って」

母「まあそれはそうね。お父さんはどう思う?」

父「(私)の言うことも一理あるかな。いくら欲しいの?」

私「えっと…学年×100円で、いま小学5年生だから毎月500円でどう?来年は6年生だから600円で、中学生になったら中学1年生で1000円、2年生で1100円、3年生で1200円とか。」

父「よし。そうしよう。」

母「じゃあ(弟)は小学3年生だから、300円ね」

弟「うん!」

私「えっ、ちょっと待ってよ!それはおかしいよ!私は小学3年生の時はお小遣いもらってないよ」

母「でも(私)だけお小遣いをもらって、(弟)がもらえないのは可哀そうじゃない」

私「それなら、私に小学3年生から4年生まで本当はもらえたはずの金額を今いっぺんにちょうだい。もしくは、お小遣いが終わるときは同時にして。私20歳、弟18歳とか」

母「それはダメよ」

私「どうして!!おかしい!!不公平だ!!ずるい!!」

父「(私)はどうして不公平だと思うんだ?」

私「だって(弟)のほうがもらえるお金の合計が絶対多くなるもん」

父「うーん。お父さんは、むしろ(私)のほうが得をしていると思うな」

私「意味わかんない」

父「だって、(私)は今回、自分で親と交渉してお小遣いを勝ち取ったわけだろう。自分で考えて、親を説得して納得させて、金額も決めて。それはすごく大事な経験だよ。でも(弟)は、(私)にその経験をするチャンスをとられちゃったんだよ。お金をもらうより、経験をもらうほうがずっと貴重なんだよ」

私「…」

弟「…」

母「お父さん、いいこと言うわね」

 

兄弟の経験値の差について

この時の父はとても上手に私を納得させたようで、後からひとりでゆっくり考えた結果、「そうか、私は本当は得をしていたんだ」と思いました。

考えてみれば小学3年生~4年生でもらえたはずのお金の総額は300円×12、400円×12、合計8,400円です。これ以上のお金を、なんだかんだ私は親に本など買ってもらって使っていたはずなので、考えてみれば金額面でも何の不公平もないのです。

でも当時の私は、普段から弟が自分の真似ばかりして得をしているように思えて不満がたまっていたのでした。どう考えても私の方が両親から叱られる頻度が高く、弟は叱られる姉の姿を見て学ぶので、同じ失敗はしなくて済みます。

この時の父の言葉によって、「真似して得する」=「楽をする」ことのデメリットに初めて気づかされました。

こうして書いてみると大した事件ではありませんが、当時の私にとっては物事の見方が大きく変わる大事件だったのです。そしてこの事件によって不満が昇華して「私は日頃から交渉力や、道を切り開いていく力を鍛えているんだ」と自信がつきました。その後の私の人生に、大きなプラスの影響を与えたと思っています。

なお付記しますが、弟は弟なりに個性の強烈な姉をうまく操縦し、勉強も部活も頑張っていまや立派な社会人になっています。

 

息子たちに健やかに育ってほしい

いま私も息子2人の母となり、兄の立場(長男)と、弟の立場(次男)に親の目線から思いをはせることが多くなってきました。

きっと、長男もいつか私と同じように「次男はずるい」と思うことがあるだろうと思います。そんなときに、「道を切り開いていくのは大変だけど、得られるものも大きい」「長男は、次男より多くそうした経験を得られている」ということに上手に気づかせてあげたいと思います。これを次男の目の前で話して良いかはちょっと考えます。

 

ちなみに私の夫は次男の立場なので、私よりもきっと「弟の立場」への理解が深いはず。次男に変な劣等感を抱かせないよう、夫婦で協力して子育てしたいなと思います。

※以前、夫にこのお小遣い事件の話をしたところ、「その会話を目の前でされた(弟)くんの気持ちが気になる…」との感想でした。だよね!

 

おまけ

お小遣いに関連して。

息子たちが小学校高学年くらいになったらこの本を読ませたいなと思っています。夫が読んでいて面白そうだったので私も読みました。

経済記者が自分の娘たちのために書いたそうで、「面白い物語を読んでいるだけで、お金や経済の仕組みがわかる本」とのこと!