前回のブログ(下記)に国内外の方々から反応を頂きました。まだ日本語になっていない情報を日本語でまとめると、人の役に立つということが分かって嬉しかったです。
そして、さらに共有したい情報が出てきたので続きを書くことにしました。
目次
ホワイトハウスの公式サイトから署名を送れるらしい
何人かの方から「改正法案に反対ならば、反対を表明するための署名ができるよ」と教えてもらいました。
私「とはいえ、署名できるのは米国人だけでしょ?」
→「いいえ。日本人もできるよ」
私「なにそれすごい。やってみたい!」
署名サイトは下記です。URLからお分かりいただけるように、米国政府の公式サイトです。(petitions = 請願、whitehouse.gov =ホワイトハウスのサイト)
このサイトには下記のように書いてあります。
日本語訳(私の勝手な意訳)
現在、議会ではH.R.1044(S.386)法案 「2019年 高度スキル移民の公平性に関する法」 について審議されています。法案を否決するための請願にご協力ください。
この法案は高い技術を持った移民を増やすことを目的としており、それ自体は良い目的です。しかし、現状のままこの法案が可決されれば実際にはひとつの国(=インド)だけを優遇し、雇用によるグリーンカード取得プロセスを完全に「洪水」状態にさせてしまいます。
この法案を通過させてしまった場合、大きな弊害が起こります。つまり2024年から2029年までの移民を1つの国(インド)からの移民に限定することで、米国への移民の民族的多様性を失わせ、米国経済に壊滅的な打撃を与えてしまいます。
英語原文
The bill H.R. 1044 (s.386) "Fairness for High-Skilled Immigrants Act of 2019” is currently under debate in Congress and we ask you to petition for not passing the bill.This bill aims to increase high-skilled immigrants, which is a good cause. However, under scrutiny of the current Priority Date schedule, this bill actually favors only one single country and allows the immigrants from this country to completely "flood" the Employment Based Green Card program due to their position in the Priority Date queue.
The consequences of passing this bill is detrimental. It will limit the immigrants from 2024-2029 to be PRIMARILY from one single country, which would effectively wipe out ethnic diversity in the skilled legal immigration system and be devastating to the US economy!
(上記請願サイトより引用)
さて、私は前回のブログにも書いた通り、この法案には反対です。
私が反対の理由
・こんなに重要な法案なのに、改正による影響についての調査研究、議会での議論、ヒアリングが不十分すぎると思う
・H1Bビザをインド人が「支配」している現状があり、これを是正せずにただGC取得を追認するのはインド以外の国出身の人々にとって不公平だと思う
・私の大事な友人のひとりが、この改正が成立すると人生に大きな悪影響がある(あと3年で取得できたはずのグリーンカードが、10年以上取得できなくなってしまい、就職/転職において大きな不利益をこうむる)
というわけで、上述した請願サイトから「S.386/H.R.1044」改正に反対する署名を送りました。
署名を送る方法
①下記サイトにアクセスする(上述したのと同じサイトに飛びます)
②PCの人:”Sign This Petition”(この請願にサインする)に名前とメールアドレスを入力し、”Sign now”をクリックする
スマホの人:ページ下に出てくる”Sign now”をクリックし、名前とメールアドレスを入力して再度”Sign now”をクリックする
③登録したメールアドレスの確認のため、”We the People”からメールが届きます。
④メール内の"Confirm your signature by clicking here."をクリックする
おしまい!
サイト上に、”You've successfully signed the petition below. Your signature has been verified and counted.”と表示されたら署名成功です。(下記画像参照)
そもそもこの請願サイトはなんなのか
日本にはこの”We the People”のような「政府に署名を送る」公式ウェブサイトは無いので、ちょっと不思議ですよね。
調べてみたところ、作ったのはオバマ大統領(当時)だそうです。
2011年9月、バラク・オバマ政権の「開かれた政府」の目玉政策としてホワイトハウスが開設。13歳以上なら居住地や国籍に関係なく署名できる。署名が開始から30日以内に10万を超えれば、米政府は何らかの回答をする規定。
(Wikipediaより引用)
確かに、公式サイトには「13歳以上であれば誰でも請願を作成・署名することができる」と書いてあります。日本に住む日本人でも署名できるんですね。
Anyone 13 or older can create or sign a petition on WhiteHouse.gov.
(公式サイトFAQより引用)
なお、本サイトは2017年にトランプ政権下でいったんクローズされましたが、2018年に再開しています(参照)。
このS.386/H.R.1044以外にも様々な請願がサイト上には掲載されています。これを見ると、いま米国で多くの人が関心を持っているトピックが知れてなかなか興味深いです。
現在、妊娠中絶に関する請願や「トランプ大統領の全事業と金融資産を譲渡/信託してほしい」という請願などが載っています。
日本に関わるものだと「米軍の普天間飛行場の辺野古への移設を止めてほしい」という請願があり、既に署名数は10万を大きく超えて211,649となっています(2019.9.25現在)。
いやー、面白いですね。
公式サイトのトップページは下記です:
私もいつか米国政府に請願したいことが出てきたら、このサイトで請願を作成してみたいなと思いました。
まずは今回のS.386/H.R.1044の無投票通過動議が否決され、議会できちんと議論されることを望みます。
おまけ:オバマ夫妻、好き
なお私はミシェル・オバマ氏の自伝を読んで以来、オバマ夫妻のファンです。
日本語版と英語版の読み比べもしています。