おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

4世代が集まるお葬式、和尚さんのお話を聞きながら考えたこと

母方の祖母が天寿を全うしました。

90歳を過ぎての大往生ですが、訃報に接したときは悲しみと後悔ばかりを感じました。もっと会いに行けばよかった、という後悔が一番大きかったです。

 

バタバタと職場に連絡し、小学校に連絡し、忌引きをいただいてお通夜と葬儀に山形県まで行きました。亡くなったら仕事もなにもかも放り出して葬儀にいくんだなあ、生きている間にこれをすればいつだって会いに行けたのになあ、と、考えても仕方のないことを考えてしまいます。

 

お葬式のありがたみ

数日かけて、和尚さんからいろいろな話をしていただきました。

例えばこの言葉。

 

お葬式に集った4世代の人々に、この言葉はどんなふうに聞こえるんだろう…と考えていました。

・祖母の世代

・母の世代

・私の世代

・息子たちの世代

 

祖母の世代。祖父母の兄弟や古い友人たち。おそらくこの人たちはみんな「この3つは満たしたな」「自分なりに長い人生を頑張って生きてきたな」と思ったのではないかと。自分の親を看取って、子どもを成人させて、自分の親の享年を越えて長生きして。

和尚さんの言葉は、自分の人生を肯定するような響きがあるのではないかと思います。

 

母の世代。母や、母の兄弟、その友人知人。多くの人は「自分の子どもは20歳を過ぎた」状態でした。母と母の兄弟にとっては、今回祖母を見送ったことで「親より早く死なないこと」は守れたなあ…と思ったのではないかと。

そして祖母は90歳を過ぎての大往生だったので、自分はあと20数年は生きないといけないな、頑張らないとなあ…と思ったのではないかと思います。

 

私の世代。祖母よりも母よりも長生きしないといけない、この先の人生の長さを思います。自分の子どもたちが20歳を過ぎるまでは絶対に死なないぞ、健康でいるぞ、という思いも新たにしました。

私たちの親戚には、親より早く亡くなってしまった人、子どもが20歳になる前に亡くなってしまった人もいます。和尚さんの言葉を聞いていて、彼らがどれほど無念だったろう、とも思いました。和尚さんは故人のために手を合わせること、一日一善をつむことを説いていました。

 

息子たちの世代。和尚さんはうちの息子たちをずいぶん気にかけて声をかけてくれたので、長男も次男も和尚さんの難しい話を一生懸命聞いていました。

私たちには死ぬ順番がある、ということを彼らなりに理解したようです。曾祖母の死をこうして見送って、きっと数十年後にはじいじとばあばの番がくる。その数十年後には両親の番がくる。自分たちの番も、その数十年後には必ずくる。

また、死が悲しいものであることも実感したのではないかと思います。いつも遊んでくれる親戚たちがぼろぼろ泣くところを息子たちは初めて見たので、ずいぶんショックだったようです。

息子たちにとっては曾祖母は「いつも茶の間に座っている人」という印象が強かったと思いますが、今回曾祖母の若いころの写真をたくさん見て思い出話を聞いて、曾祖母がいかにパワフルで明るい人だったか、地域のため・人のために骨を折る人だったかをなんとなく感じてくれたのではないかと思います。

 

そしてすべての世代の人たちにとって、葬儀のために各地から集まって、故人の思い出話をして、昔のアルバムを引っ張り出してきて写真を見ながら笑ってしゃべって、顔をぐしゃぐしゃにして泣いて、一緒に食事をしてお酒を飲んで、祖母のために何度も手を合わせたこの数日間は、自分のルーツを感じつつ人とのつながりを再確認する機会でもありました。お葬式は生きている人のためにある、という言葉の意味がよくわかります。

もしかして今回会った人たちのうち、「これが最後」になる人もいるのかもしれません。

祖母の若いころの写真を見ながら思い出話をするのを、祖母が生きているうちに祖母の前ですればよかった。この後悔の気持ちを忘れずに、自分の親を含めて「あと何回会えるだろう」とたまには考えて、ちゃんと会いに行っていろんな話をしておかねば、と思います。

 

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良いお天気でした。

 

連れて帰ってきたものたち

形見分けで、祖母が大事にしていた指輪をもらいました。綺麗なネックレスとバッグも。

しまいこまずにたくさん使って、祖母をいろんなところに連れて行ってあげようと思っています。

 

3年前のクリスマスに私が祖母にプレゼントしたロボットも連れて帰ってきました。

息子たちが喜んで可愛がっているので、この子もなるべく活用していこうと思います。

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