おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

映像の世紀プレミアム(15)「東京 夢と幻想の1964年」視聴メモ

2021年7月22日に放送された、映像の世紀プレミアム(15)「東京 夢と幻想の1964年」をリアルタイムで視聴しました。

 

このブログ記事は、私が視聴しながらとったメモです。

※あとからNHKプラスで視聴しなおして追記したり、私の感想も書いています

※見出しは私が勝手につけたものです

 

国産旅客機

・この年ついに実用化に成功した初の国産旅客機(YS-11)が、オリンピックで聖火の輸送を担うことになる

→おおー!日本は第二次世界大戦後に航空機の製造をGHQに禁止されたから、ついに1964年に国産旅客機を実用化できたのは航空業界にとってはすごい快挙だったんでしょうね。

 

汚い東京

・当時の東京は、世界でも指折りの「汚れた街」だった。婦人会や自衛隊が出動して東京都内を清掃

・道や川にゴミをガンガン捨てる人々。公衆便所はまるでゴミ箱。

→「だいたい日本人というのは非常にものをぽいぽい捨てる癖がある」「これは日本人の一番悪い癖ですね」というコメントにはびっくりしました。日本人は綺麗好きだと思ってましたが、当時はそんなことなかったんですね。

 

東京を大改造

・1964オリンピックの東京開催は、1959年の投票で過半数を獲得する圧勝だった

・しかし当時の東京は世界最悪の交通渋滞(戦後、長期的な都市計画のないままに巨大化した)、一兆円を投じて東京を大改造

・ビルが密集する都会に30kmの高速道路を立った5年で建設するなんて常識では不可能。でもやった。水の都と呼ばれた東京の景色と引き換えに。日本橋の上に高架ができることを地元住民も「やむをえない…」と。

→今でも日本橋の景観を残念がる声は多いですよね。当時はとにかくオリンピックに間に合わせるためには仕方ない、という感じだったと思いますが、せっかくなら2021オリンピックに間に合わせて景観を改善できたらよかったのになあ。

 

米国大使が刺される?輸血で肝炎感染??売血のせいで??なにそれ…

・オリンピック直前の3月にライシャワー駐日大使が心を病んだ19歳の若者に太ももを刺されて輸血、血清肝炎に感染。医療制度の不備が明らかになった

・当時、輸血用血液のほぼ全てが売血で賄われ、その2割が肝炎ウイルスに汚染されていた。売血の報酬は1本200ccで550円(現在の価値で3,000円ほど)。楽に稼げるため習慣になる人が多かった。

→2021年現在、日本赤十字社はコロナ禍で献血が減って大変苦労しているようですが、それでも換金性の高いものはプレゼントしないなど、「売血」にならないようにとても気をつかって運用していると認識しています。これはきっと過去の売血制度によって様々な問題が起こった反省を踏まえているんですね。

献血について|日本赤十字社 (jrc.or.jp)

 

自衛隊が協力

・自衛隊のオリンピック支援部隊(選手や役員の輸送)

→へええ!大きい車で選手を一気に輸送するなら自衛隊しかない、という感じだったんでしょうか。

今回の東京オリンピックでも自衛隊が色々と協力してるみたいです。

防衛省・自衛隊:防衛省・自衛隊 東京2020 オリンピック競技大会特設ページ オリンピックを支える自衛隊(大会支援内容) (mod.go.jp)

 

オリンピックどころではなかった

・オリンピックに関する世論調査(1964年6月、NHK)

都民1500人に「近頃どんなことに一番関心を持つか」を質問

オリンピックと答えた人:2.2%

他にしなければならないことがあるはず:58.9%

→当時の映像を見ていると、確かにオリンピックどころではないだろうなと思いました。

ちなみに2021オリンピックのNHK世論調査では「中止」と答えた人が3割くらいです。

東京五輪 NHK世論調査の衝撃~「諦め」と「誘導」で開催派が急伸!?~(鈴木祐司) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

・70年ぶりの猛暑と空梅雨、そして人口の東京集中で、東京は史上稀に見る大渇水に襲われた。給水制限も行われ、暮らしはパニックに陥った。都民は一斉に井戸を掘り、ダムでは雨乞いも。

→水がなければ生きていけません。疎開すべきなんでしょうねと話す女性の姿が印象的でした。

そういえば、役所に陳情に来る人たちの雰囲気が、以前見た「生きる」のミュージカルを思い出させるものでした。

www.shiratamaotama.com

 

都民は追い詰められた。オリンピックどころではなかった。

→このナレーションにはもううなずくしかないです。生きるのに必要な水がない、火事が起こっても消火栓から水が出ない。それはオリンピックどころではないでしょう、という感じ。

・8月20日、ついに雨が降ってくれて、解決

→ああよかった…

 

ついにオリンピック開催。聖火リレーは史上最大規模

・ギリシャからアジア各国を経由し、史上最大規模の聖火リレーが行われた。第二次世界大戦で日本軍が戦場にした国々をあえて通るルートに設定されていた。日本が平和国家に生まれ変わったことを示したい、アジア初のオリンピックに直接参加してもらいたいと考えたから。

→これ、現地の人たちはどんな気持ちで見ていたんだろうと思いました。映像ではランナーに笑顔で手を振る人たちが映っていたけど。戦時中、日本軍に家族を殺された人もいたのでしょう。

 

・最終ランナーは1945年8月6日に広島で生まれた19歳の青年、坂井義則さん。坂井さん選出には、「アメリカに悪感情を与える」という批判もあったとのこと。

→当たり前ですけど、1945年に生まれた赤ちゃんがまだ19歳だった年にオリンピックが開催された(戦後すぐだったんだな)ことに改めて気づきました

 

ユニットバスは世界最先端だった

・ホテルニューオータニが建設され、世界最先端の工法「ユニットバス」が使われる

 →へー!!ユニットバス、当時は画期的だったんですね。

システムバス/ユニットバスとは、浴室を構成する各部材(壁・床・天井)などをあらかじめ工場で成形し、施工現場で組み立てる「乾式工法」で完成させる浴室のことです。そのため、防水性や保温性が高いなどのメリットがあります。

引用:商品一覧 | システムバスルーム | Panasonic

 

開会式

・開会式、古関裕而作曲のオリンピックマーチ!

→朝ドラ「エール」を楽しく見ていた私には感慨深いものがありました。

・20年前に出征していく学徒兵たちを見送った同じ会場で、開会式が開催された。

→泣きました。ここについては別記事で詳しく書いています。

www.shiratamaotama.com

杉本苑子「あすへの祈念」が読み上げられるのに合わせて、画面の中では最終ランナーの坂井義則氏が入場して、聖火を灯します。あの日がきょうにつながっている、を感じさせるベストな人選だと思いました。

当時の日本人は坂井義則さんをどんな気持ちで見たんでしょう。あの戦争が終わった年に生まれた子がこんなに大きくなったんだ…と驚く人もいたかもしれないし、生きていれば同じくらいの歳になったはずの誰かを思ったかもしれない。

 

楽しそう

・テレビでオリンピック競技を見て真似する子供たち。可愛い。

→うちの息子たちも開会式を見ながら踊ったり、柔道や水泳を楽しそうに見ています。

 

・選手村の食堂では各国の料理が食べ放題(食べ慣れているものを食べて欲しい)。一流シェフが各国大使館に出向き、大使の妻に教えてもらって各国の料理を用意した。

→この時代、外国の料理を食べたことある人も作ったことのある人も少なかったでしょう。それでもオリンピック選手に「普段食べなれているものを食べてほしい」と準備したのは素晴らしいおもてなしだなと思います。

 

・マラソンの沿道に詰めかけた観衆は120万人

→すごい密!と思いました。

 

東洋の魔女

・東洋の魔女と呼ばれた女子バレーボールチームが、宿敵のソ連と決勝戦。女子バレーの監督は太平洋戦争の従軍経験者。鬼の監督。

・選手の中には戦争で父親を亡くした人もいて、監督を父親や彼氏のように見ていた

・選手の多くはこの年に引退。婚活に入った。監督も協力、第二の人生に送り出した

 

作家の有吉佐和子の言葉「熱戦でしたたり落ちる汗が床に落ちると足がすべる そこで彼女たちはそれに気づくとすぐに雑きんがけよろしく布で床を拭うのだ それはなかなか頼もしい光景だった この人たちが結婚したら さぞやいい奥さんになるだろうと 私はほほえましく思いながら拍手を送っていた」

→時代を感じるコメントですね…。

 

閉会式

・予定では開会式同様 国ごとに整然と行進するはずだった選手たちが出番を無視して乱入したのである

・和やかで美しい乱雑さだった

→なにそれ???出番無視で良いんだ???でも確かにすごく楽しそう。お祭り騒ぎ。

 

オリンピック後

・東京都知事、「オリンピック関連事業、多少の不均衡やひずみがあることも事実。是正していきたい」「何かいい目標はないかね」と記者団に漏らした

→とにかくオリンピックを無事に開催することを最優先に色々と無理をしてきたことが伝わってきますね。

 

・オリンピックが過ぎると景気は一気に冷え込んだ。企業の倒産件数は前の年の二倍半にのぼった

→2021オリンピックの「その後」がどうなるのか…。

 

私の視聴メモは以上です。お付き合い頂きありがとうございました。

 

 

【合わせて読みたい】

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com

www.shiratamaotama.com