学生の頃、「ノンレム睡眠とレム睡眠は90分サイクルでやってくるから、睡眠時間は90の倍数にすると良い」と聞いて実行していた時期がありました。
もう10年以上前の話です。
さて、この本を読んで、睡眠に関する研究はどんどん進んでいるんだなと感動しました。
スタンフォード式 最高の睡眠
スタンフォード大学は世界の睡眠研究の総本山とのこと。
期待せずに読み始めたのに
睡眠に関する知見は「寝る前のスマホはだめ」「朝起きたら日光を浴びる」「毎日決まった時間に寝起きするべし」など、わかっちゃいるけど難しい…ということが多いなと思っていました。
正直言って、余り期待せずにこの本を読み始めたのです。
しかし、この本を読んで初めて知ることがたくさんあって驚きました。睡眠のためにベストなこと/ベターなことを理由とともに学ぶことができて良かったです。
大事なのは「最初の90分」←知らなかった!
冒頭に書いた「90分の倍数」についても、この本で触れられていました。
ノンレム睡眠とレム睡眠の周期には個人差があるので、「90の倍数の時間眠る」ことにそこまでとらわれなくて良いとのことです。ただし、入眠時から最初の90分の睡眠が「黄金の睡眠」であり、睡眠については「始めよければすべて良し」と。これは初めて知りました。
そして「最初の90分」の睡眠の質を高めるための具体的な方法が書かれています。とても面白かったので関心ある方は是非読んでみてください。
私がこの本を読んで初めて知ったこと(一部)
・大量のアルコールは睡眠の質を下げるが、度数が強くても量が少なければその心配はない。もちろん体質もあるが、飲んですぐに眠ることで最初の90分しっかりと深く眠れる(こともある)。※夜11時に幕が下りてすぐに眠りたいオペラ歌手がウォッカを一口含んで眠る事例から
・最初の眠気のタイミングを絶対に逃してはいけない。眠くなったらとにかく寝てしまわないと、その後、深い眠りは訪れず、いくら長く寝てもいい睡眠にはならない
・健康な人の場合、目を閉じてから10分未満で入眠する ←意外と短い!
・睡眠の質は第1周期(入眠から約90分間のノンレム睡眠→数分程度のレム睡眠)の質で決まる。何時間寝ようが、最初の90分が崩れれば、残りも総崩れになる
・「いつもなら寝ている時間」に起きているとグロースホルモンはまったく分泌されない。最初の90分を深く眠れば、グロースホルモンの80%近くは確保できる
→よって、どうしても資料を作らないといけない夜はまずいつも通りの時間に寝てしまい、100分ほど寝てから起きて、資料作りにとりかかると良い。最初にレム睡眠がやってくるタイミングは個人差があるので、アラームは「90分後」「100分後」の2つが良い
なお、下記もこの本で読んだ情報です。
今読んでいる本に恐ろしい実験が載っていて、「成長期のサルの鼻の穴をふさぎ、口呼吸をさせる実験」「サルの歯並びは、短期間に一目でわかるほど悪くなった」とのこと。
— おたま@男子二児の母 (@otamashiratama) April 16, 2021
息子たちが鼻づまりした時は一刻も早く解消してやらねばと心に誓いました。
睡眠クオリティを上げるために
体温スイッチの活用
①就寝90分前の入浴(40℃、15分) ※すぐ寝るときはぬるい入浴かシャワーが良い
②足湯を活用しても良い/靴下をはいたまま寝てはいけない
③温度・湿度を快適に(絶対解はない)/通気性の良いそば殻枕などで頭を冷やす
→我が家は夏でも毎晩湯船にお湯を張って浸かるようにしています。ただ、入浴を就寝90分前に済ませるのは難しい(18時台に夕飯→19時台に入浴→20時台に寝かしつけ)ので、お風呂の温度を少し低めの39℃くらいにするのが良さそうだな、と思います
ベッドに入ってから
・スマホやパソコンが睡眠に影響を与えるのは、ブルーライトというよりも、操作で脳を刺激してしまうから p147
・ベッドでの読書やテレビは「刺激が少なく退屈なものに」。スマホは危険。
→布団の中で本を読むのは良くない(ベッドは眠る場所であり本を読む場所ではない、と脳に条件付けるため)と思っていましたが、この本では「不眠症までいかず、既にベッドでの読書やテレビが習慣になっている人は必ずしもやめなくてもいい」と書かれていて安心しました。ベッドでスマホは見ない、本は読んで良い、とのこと。なるべく退屈な本を選ぼうと思います。(夜中に面白い本を読み始めて眠れなくなった前科が多いです…)
正しい羊の数え方
・日本語で「羊を100匹数えると眠くなる」というのは間違っている。英語で「sheep, sheep, sheep…」と数えることで、息をひそめるような響きで眠りを誘う効果がある(sleepと発音が似ている説も)。
→これはショックでした。この歳になるまでずっと「羊が1匹、羊が2匹…」と脳内で唱えていました。。
ものすごく驚いたこと:睡眠禁止ゾーン
・通常就寝する時間の直前から2時間前あたりまでは「もっとも眠りにくい」=「睡眠禁止ゾーン」である。「明日早いから1時間早く寝よう」は難しい。いつも通り寝て、睡眠時間を1時間削る方が、すんなり眠れて質を確保できる。
→早起きしないといけない場合に、前日の就寝時刻を早めようとしてなかなか眠れない失敗が何度もありました。そうか、私は睡眠禁止ゾーンに寝ようとして失敗していたんだ…!と納得しました。
正しい起き方:アラームは20分おきに2回セットする
・アラームは「2つの時間」でセットする(レム睡眠時に起きるため)。7時に絶対に起きるなら、6時40分と7時にアラームをセット。一回目のアラームはごく微音で、短く。(レム睡眠時は覚醒しやすいので、小さい物音でも目覚めやすい)※スヌーズ機能ではダメ
→このアラームを2つの時間でセットすることによりレム睡眠時に目覚める確率を高める方法は目から鱗でした。実践します。また、子供を起こすときにも「一度軽く声をかけてみて、起きなかったら20分後にもう一度声をかける」というのを試してみることにします。できればレム睡眠の時に気持ちよく起きて欲しいので。
そのほかにも「裸足朝活」や「仮眠をとるなら」など、睡眠に関する具体的なアドバイスがたくさん書かれていて大変勉強になりました。
詳しくは是非本書を読んでみてください。
著者からのメッセージ
最後に、私たちからの提案で筆をおこうと思う。
睡眠を犠牲にして働くのはやめておこう。
とくに、あなたがクリエイティブな仕事をしたいのなら。
(p251より引用)
クリエイティブな仕事、したいです。
睡眠を犠牲にして働くの、やめます。
特に2020年5月頃の「在宅勤務×自宅保育」の時期は、日中に終わらなかった仕事を夜中に子供を寝かせてからやらざるを得ないことがあり、かなり疲弊しました。もうそういう働き方はしないぞ、と思っています。
早速、実践しています
この本を読んだ日から、「夜に眠くなったらとにかく寝てしまう」「朝起きたら何も履かずに裸足でウロウロする」「アラームは20分おきに」など実践しています。
夜寝る時間を一定にするのがまだできていません(子供の寝かしつけで寝落ちする日と、寝かしつけから復帰して家事や仕事をする日があり…)。このGWの間に寝る時間を一定にしたいです。子供と寝落ちする前提で朝早起きするか、絶対に寝落ちせずに1時間くらい活動してから寝ることにするか。今後の方針を考えまーす。
ちなみにこの本はAudibleでも配信されているので、Audible無料体験を使えば無料で全文聴けますよ〜
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