おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

『スマホ脳』を読んで寝室にスマホを置くのをやめました

目につくところになくても、スマホがどこにあるのかは把握しているだろう。そうでなければ、この一文にも集中できていないはずだ。朝起きてまずやるのは、スマホに手を伸ばすこと。1日の最後にやるのはスマホをベッド脇のテーブルに置くこと。私たちは1日に2600回以上スマホを触り、平均して10分に1度スマホを手に取っている。

アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』p69より引用)

 

アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』を読みました。

1時間強で読めますが、かなり学びの多い本でした。私は1月に一度読んで、読んだ内容をしばらく実践し、2月に入って再度読み直してブログを書いています。 

 

スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?
『一流の頭脳』の著者が脳科学の最新研究から明らかにする恐るべき真実
世界的ベストセラー、日本上陸!
・わたしたちは1日平均2600回スマホに触り、10分に1回手に取っている
・現代人のスマホのスクリーンタイムは1日平均4時間に達する
・スマホのアプリは、最新の脳科学研究に基づき、脳に快楽物質を放出する〈報酬系〉の仕組みを利用して開発されている
・10代の若者の2割は、スマホに1日7時間を費やしている
・1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高める
・スマホを傍らに置くだけで学習効果、記憶力、集中力は低下する
・世界のIT企業のCEOやベンチャー投資家たちの多くは、わが子のデジタル・デバイスへのアクセスを認めていないか極めて厳しく制限している
・フェイスブックの「いいね! 」の開発者は、「SNSの依存性の高さはヘロインに匹敵する」と発言している etc,etc...。
本書を手に取り、ぜひお確かめください。

Amazonサイトより引用)

 

スマホがそばにあるだけで、人間の集中力が低下するというのはなかなか衝撃的でした。

大学生500人の記憶力と集中力を調査すると、スマホを教室の外に置いた学生の方が、サイレントモードにしてポケットにしまった学生よりもよい結果が出た。学生自身はスマホの存在に影響を受けているとは思ってもいないのに、結果が事実を物語っている。ポケットに入っているだけで集中力が阻害されるのだ。同じ現象が他の複数の実験にも見られた。

アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』p93より引用)

 

私はよく友人たちと「大学受験の頃にスマホを持っていなくて本当によかった」「スマホを持ってから集中力がなくなった」という話題で盛り上がるのですが、この感覚は私の気のせいではなかったことがよく分かりました。

著者は「私自身も、本を集中して読むことが難しくなった」「スマホをサイレントモードにするくらいでは効果がなく、集中したければ別室に置いておかなくてはいけない」「そこまでしても、10年前と同じように本にのめりこむのは難しい」と書いていますが、この感覚は私も共有しています。私は今まで自分の集中力低下は加齢のせいだと思っていたのですが、スマホによって私の「読書に集中する力」が削がれていると思うととても残念です。もっと集中して本を読みたいです。著者を見習って読書の時はスマホを別室に置くようにすべきなのでしょう…が、本を読みながらスマホ・PCにメモを取りたいんですよね…。

本書には、大学の講義でメモを取るときにPCを使った学生よりも紙とペンでノートを取った学生の方が講義の内容をよく理解していた、という実験も紹介されていました(p98)。これを参考にするなら、本を読みながらメモを取る場合も紙に書いたほうが良さそうです。でもスマホやPCのメモならそのままブログにできるのに…!と悩んでいます。

 

テクノロジーに精通している人ほどスクリーンタイムを制限している 

本書ではゲーム会社やスマホメーカー、SNS開発企業が「最大限の依存性を実現するために」「行動科学や脳科学の専門家を雇っている」という記述に続き、下記のようなエピソードが紹介されています。

・ビル・ゲイツ氏は子供が14歳になるまでスマホは持たせなかった

・Apple社の創業者であるスティーブ・ジョブス氏は自分の子供にはiPadを触らせなかった

・フェイスブックの「いいね」機能を開発したジャスティン・ローゼンスタイン氏が依存性への懸念からフェイスブックの利用時間を制限し、子供のスマホ使用を制限するためのアプリを自分のスマホにインストールした

 

私も私自身の、そして子供たちのスマホ依存を防がなければ、と思わせられるエピソードでした。

なお、p161にはフェイスブック初代CEOのショーン・パーカー氏の「子供の脳への影響は神のみぞ知る」という言葉も紹介されていました。

 

我が子のスマホ利用は制限したい

子どもの脳は発達途上なので、大人よりもさらに悪影響を受けるリスクがあるそうです。例えば「衝動に歯止めをかけ、報酬を先延ばしすることができる」前頭葉が完全に発達するのは25〜30歳とのこと。スマホを手に取りたいという欲求を我慢するのは、子供にとっては非常に難しいのです。

・幼児にはタブレット学習は向かない(p176)

→大人にとってはアプリのパズルと本物のパズルに大きな違いはないが、幼児は本物のパズルをすることで指の運動能力を鍛え、形や材質の感覚を身につける。文字を書くのもキーボードではなく「紙とペンで書く」という運動能力を身につけるのが大事

・スマホを使っていない被験者にスマホを持たせたところ、3ヶ月後には「報酬を先延ばしにするのが前より下手になっているのがわかった」(p181)

→よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにするのが下手

・紙の書籍で短編小説を読んだ方が、タブレット端末で読むより内容をよく覚えていた(小学校高学年の実験、p183)

・学校でスマホの利用を禁止したら成績が向上(p184)

・1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高める(p190)

子供たちが能力を発揮するためには、 毎日最低1時間は身体を動かし、9~11時間眠り、スマホの使用は1日最長2時間まで。この睡眠や運動、スマホ・タブレットの時間制限はごく現実的なものだ。だが、どのくらいの子供が達成できているかというと-たったの5%だ。

アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』p186より引用)

 

私の息子たちはまだ幼児なので、何歳になったらスマホを持たせるのか明確な結論は持っていません。

今のところ息子たちがスマホを見る時間は1週間で合計1時間未満です(主に私や夫のスマホで写真アプリ「みてね」の写真・動画を見る)。TVは1日30分程度かな。タブレットを見ることはありません。

子供の前頭葉は未発達であり、自分で欲求を我慢するのは難しいことから、これ以上スクリーンタイムが増えないように「親が」管理をしていかなければならないと思っています。

いつかスマホを持たせる日が来ても、できれば1日の使用時間を決めて、寝室には持ち込まないルールにしたいです。(スマホが寝室にあるだけで睡眠が妨げられる:p123)

 

そして、我が子のためにも、私自身のためにも、まずは私が「スマホとの正しい付き合い方」を実践していこうと思います。

 

しばらくこの本のアドバイスを実践しました

さて、この本の最後には「デジタル時代のアドバイス」が分かりやすく書かれています。自分のスマホ利用時間を知ることやプッシュ通知を全てオフにすること、スマホの表示をモノクロにすることなど。全ては紹介しきれないので、ぜひ読んでみてください。

私はこの本を読み終えた1月11日から、①毎日1〜2時間はオフにして、②寝室にはおかない習慣にしました。そして③スマホの表示をモノクロにしてみました。

私のTweetを見て「白黒画面を試した」方が複数名いらっしゃいましたが、多くの方はスマホを見る気がなくなったそうです。私もTwitterやインスタを見る気が失せたので、白黒画面はなかなか効果がありそうです。

ちなみに白黒設定にしても写真は色付きで撮影できます。が、撮影した写真のどれを「みてね」アプリにUPするか検討するためにはやっぱり白黒のままでは判断しづらく、結局のところ白黒画面を一度やめてカラーに戻してから写真を選んで…という面倒が発生します。今後は、自分がスマホに依存しているな、と感じた時にしばらく白黒画面で生活するくらいがちょうど良いのかもしれません。

 

また、在宅勤務中は私用のスマホを別室に置くことにしました。今までも基本的に業務時間中は私用スマホを触らないようにしていましたが、同じ部屋にスマホがあるだけで集中力が削がれると知ったので。

※保育園からの緊急連絡は業務用のスマホに来ます

 

最初の頃は寝室にスマホを置かないことでちょっとした不便を感じました(夜中に子どもに起こされた時に何時なのかわからないとか、考えていることをちょっとメモしたいのにできないとか)。でもそういうものだと慣れてしまえば大した問題ではありません。

これで睡眠の質が上がるのであれば、私の人生にとってはそのほうが良いなと思います。今後もスマホは別室に置くようにします。

 

おまけ:食事やお茶の席でスマホをテーブルの上に出してはいけない

テーブルの上にスマホを置いて知らない人と自由に会話をする実験では、視界にスマホがあるだけで「会話があまり楽しくない」「相手を信用しづらく共感しにくい」という結果になったとのこと(p106)。スマホを手に取ることは許されなかったのにも関わらず、スマホを「無視する」ことに脳の集中力が使われてしまったそうです。

今はコロナ禍で友人と食事をする機会もありませんが、コロナ禍が収束したらスマホが視界に入らないようにして友人とランチに行きたいなと思っています。

 

 

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