おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

女性不在のアフターコロナ世界にはしたくない、という話

まずはこちらの記事を読んでみていただけますか。

「女性登壇者比率が低い(25%以下)のイベントには登壇しない」と決めた男性の話です。

ジェンダーギャップなイベントの登壇をお断りすることにしました。若宮和男(uni'que CEO/ランサーズタレント社員)

 

ここから下は、上記の記事を読まれた前提で書きますね。

 

日本政府は女性管理職30%目標を先送りに

女性管理職の割合を2020年度までに30%程度に上昇させる目標が到底達成できないという理由で「2030年までの可能な限り早期」というあいまいなゴールに先延ばしされたニュース、私もとても残念でした。

 

日本のジェンダーギャップ(男女格差)は、世界から見ても非常に悪い状況にあります。

世界経済フォーラムが19年12月に公表した、世界各国の男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は153カ国中121位で前年の149カ国中110位からさらに順位を落とした。主要7カ国(G7)の中で最下位で、中韓両国をも下回った。

(引用:女性管理職30%目標、「20年代の可能な限り早期」に先送り-政府案 - Bloomberg

 

「登壇者は男性ばかり」問題

そして記事を書かれた若宮さんが「改めて過去の自分の登壇イベントなどを思い返してみると、やはり9割近くが男性だった」と指摘されているように、管理職比率だけでなく様々なイベントの登壇者がほとんど男性、という状況はよく見かけます。

 

例えば下記は1年前の私のTweetです。

 

テーマによっては女性が多いイベントもよく見るようになりましたが、まだまだ「自然に登壇者を選ぶと男性ばかりになる」傾向にあるようです。

※「優秀な・専門性のある人を選んだら自然に男性ばかりになるなら、それは仕方ないのでは?」と思った方は、是非もう一度冒頭の記事を読んでくださいね。冒頭の記事を読んでいただいている前提なので、「一度席をもらった男性がどかない問題」とか「女性優遇・逆差別だという人が出てくる問題」とか「女性が優秀だから減点されていた問題」とか、私の方で説明はしません。実は冒頭の記事を読まずにここまで来てしまった…という方は、本当にお願いですから是非冒頭の記事を読んでくださいませ。

念のため再度記事のリンクを貼っておきます。

ジェンダーギャップなイベントの登壇をお断りすることにしました。若宮和男(uni'que CEO/ランサーズタレント社員)

 

最近読んだ本が「男だけのアフターコロナ」でした

先日読んだこの本に「キーパーソンが語る私たちの『アフターコロナ』」という章があって、キーパーソン31人全員が男性だったんです。未来の話をするのに、女性をひとりもいれないんだ…と驚きました。

本の中で31人の顔写真が並んでいるページがあるんですが、その「男だけのアフターコロナ世界」を思わせる写真に私はぎょっとしました。見開きページに男性31人の顔写真が並び、その上に大きな白字で「キーパーソンが語る 私たちの『アフターコロナ』」と書かれているものです。

※雑誌の中身を写真に撮ってブログに掲載するのは著作権侵害なのでしません。お手元にある方は是非p90を見てみてください

本の中身は面白かったんですけどね。キーパーソンとして選ばれた方々はいずれも素晴らしいし、ご意見からは学ぶところが多かったです。

でも、この本をつくった人、もしくはキーパーソンとして選ばれた方々、誰かひとりでも女性の不在について考えたのかな?と気になるところです。アフターコロナの世界を描くなら、高齢者介護や子どもの保育・教育などは必須の論点だと思いますし、例えばそうした分野で「私たちのアフターコロナ」を語ってくれる女性の意見がこの本に載っていたら良かったな、と思っています。(もちろん女性の意見は介護や保育分野だけで欲しいと言っているわけではないですよ、念のため)

 

若宮さんのような方が増えますように

冒頭の記事で若宮さんが言われているように、女性が可哀そうだから/大変だから女性比率を増やしてあげよう、ということではなく、女性比率があがることのプラクティカルなメリットを認識して、「女性登壇者比率が低いイベントには登壇しない」と宣言する男性が増えると良いな、と思っています。

もちろん専門性や分野によっては女性がほとんどいない分野もあるでしょうし、優秀な一部の女性に依頼が集中しすぎる懸念もあるようですから、「とにかく一律で女性比率25%以下のイベントへの登壇を拒否せよ」ということではなく、イベントを企画するときに/もしくは登壇を依頼されたときに、「このイベントのジェンダーバランスはどうかな?」と少し考えてみる、というのが良いんだろうと思います。

逆に女性が多い分野では、「全員女性で良いんだっけ?」「男性で登壇してほしい候補者はいないのか?」と検討することも必要なんだろうと思います。

 

私もなるべく違和感を口に出すことにします

そして私も今までは「自分に利益を誘導しているように見えるのは嫌だ」という理由であまり積極的にイベント等の女性比率をあげるように口にしたことはなかったのですが、さすがに日本のジェンダーギャップの現状に危機感を抱いてきたので、「このイベント、男性ばかりじゃないですか?」「この本に載っている人、男性ばかりで変ですよね」などとなるべく口に出していこうと思っています。

 

ただ、冒頭の記事を書かれた若宮さんも賛否両論にさらされて大変そうですが、このテーマで発言すると結構いろんなご意見が届くみたいです。Twitterでジェンダーの話をするのは大変ですね。

もちろん管理職とイベント登壇者と雑誌に掲載される人の選び方は異なるし、「女性比率25%」はあらゆる分野で適用される/永遠に続くべき目標ではないだろうと思います。でも、ジェンダーギャップ問題が「本質的に改善されるまで」の時限的な対応としては、とても良さそうだなと思っています。

 

今年の1月にはこんなニュースもありましたね。

 

コロナ禍のジェンダー格差

なお、コロナ禍のジェンダー格差については下記の記事が分かりやすかったです。

www.businessinsider.jp

・ウイルスと最前線で戦っている医療従事者の70%が女性

・20代女性に感染者が多い(医療や介護、接客業などに従事しているから?)が、死亡者数は男性の方が多い

・非正規雇用の労働者割合は女性のほうがはるかに大きい など

 

アフターコロナの世界を描くにあたって、女性の意見がちゃんと取り入れられますように…と思っています。

 

【2020年9月4日追記】

この出口さんの記事がすごく勉強になったのでよろしければ。

クオータ制に対する批判として「女性にげたを履かせるのか」という意見があります。しかし今の社会は、男性がものすごく高いげたを履いているんですよ。

(下記記事より引用)

woman.nikkei.com


 

 

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