高橋孝雄著『小児科医のぼくが伝えたい 最高の子育て』を読みました。
2018年に出版されて各種メディアにも取り上げられるなど話題になっているようですが、私にはあんまりおもしろくなかったです。
子どもの早期教育プレッシャーに押しつぶされそうな親には、肩の力を抜くという意味で良い本なのかもしれません。
目次
私の勝手な読後感想(ちょっと批判的)
・子どもの発達(身長から様々な能力まで)はほぼ遺伝で決まるから、早期教育をしてもたいした意味はない、というメッセージは良く分かる。
・でも、遺伝の影響を強調しすぎていて、我が子のために自分は何ができるだろう…と思ってこのタイトルの本を手に取る親にとっては期待外れな内容だと思う。むしろそういう親を狙ったタイトル?
・基本的に「育児をしているお母さん」を想定して書いてある(育児は母親がするもの、という前提?)。筆者自身、3人の子どもの父親でありながら、我が子の育児については「長女は…遊んでばかりでした(だったと思います、妻によれば)。」などと書かれており、ああご自身は育児していないんだなと思わされてしまった。あくまでも小児科医として、多くの母子に接した経験から書かれている本。
・そして主張のそれぞれにあまり根拠は示されておらず、ご本人の経験や個人的な考えの紹介にとどまっているような印象。せっかく著者は日本小児科学会会長という偉い人なので、もう少し客観的なデータに基づいた主張をしてほしかった
・「おかあさんは女性として生まれもった共感力を駆使して、男の子の共感力が高まるように声をかけ、見守ってあげましょう」(p166)のような記述は私は好きではない。
共感力の低い女性はどうしたら良いの?共感力の高い男性もいるよ?など心の声が邪魔をして、素直に読むことができませんでした。
しかし参考になったこともありました。
参考になったこと
子どもの身長は親の身長から計算できる
ターゲットハイト(予測身長)の計算方法
男児:(父の身長+母の身長+13)÷2 ※±9㎝の幅がある
女児:(父の身長+母の身長 - 13)÷2 ※±8cmの幅がある
私の父は172cm、母は153cmなので、(172+153-13)÷2=156
私の身長は164㎝なので、ちょうど+8cmです。
さらに夫の身長を使って息子たちの身長もだいたい予測できるので、おお、これは大きくなりそうだな…とワクワクしました。
ちなみに日本人の身長は増加傾向にあるのだろうと思って調べてみたところ、国立成育医療研究センターによると、
・戦後、栄養・衛生状態の改善により日本人の平均身長は単調増加を認めていたが、本研究では、1980年生まれをピークに低下傾向に転じている
・その原因は低出生体重児の増加(かもしれない)
・身長の約8割は遺伝的に決定されるが、約2割は栄養状態や健康状態などの幼い頃の生活環境で決定される
とのことです。意外なことに日本人の身長は小さくなってきているんですね。
今のところ息子たちは3000g超で産まれて栄養状態はとっても良いので、基準内(高め)におさまってくれるだろうと期待しています。息子を見上げる日が楽しみだなぁ。
ポジティブワードは事前にリスト化しておく
ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えて言うべき、というのはよく育児書に書いてあります。私もなるべく実践していますが、「よく使う言葉をリストにしておくといい」(p148)というのは納得でした。とっさに否定形を肯定形に変換するのは難しいです。
例(否定形→肯定形)
・廊下は走らないで → 廊下はゆっくり歩こうね
・うるさいな、黙りなさい → 元気な声だね。今は静かにできるかな
・字が汚い → ゆっくり書いてみようか
・忘れ物しちゃだめ → 一緒に持ち物リストをチェックしてみよう
私は長男に「歯ブラシしながら歩かないで!」と言いがちなので、「歯ブラシする時は座ろうね」と言い換えるようにします…。
その他、参考になったこと
他にも、
・小学校の先生を「親が」尊敬すべき
・育児はルーティンとノンルーティンに分けられる。親はノンルーティンを大事にすべき
など、参考になることがいくつか書いてありました。
上の方でちょっと批判的なことも書いてしまいましたが、関心のある方は一度読んでみると良いかもしれません。
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