先日の母乳バンクについてのブログ記事に、早産(30週)での出産経験のある友人から大変参考になるコメントをもらいました。
友人(早産経験者)からのコメント
人間の身体って不思議なもので、出生体重やら時期やらによって適正な母乳が出るんだそう。お腹の中で供給してあげられなかった栄養やら免疫やらが多く含まれる母乳が出るんだと看護士さんに言われた覚えがある。
結果的に早産児の母親の母乳の方が「濃い」傾向にあるんだとか。特に初乳。バンクの母乳を使う場合は、修正週数の近い子を持つ母親の母乳を使う方がいいらしい、みたいな話も聞いた気がする。
より母乳を必要とするのは超低出生体重児(1000g未満)だから、早産児をもつ母親のドナーがより必要ってことなのかな。
いや、そもそも、最初の頃って胃が小さいから10ccとか20ccずつとかに分けて冷凍してたのよね。母乳バッグ代はバカにならなかった。
当然母乳は余るわけで。全部捨ててたの勿体無かったなー。当時この仕組みがあれば(母乳バッグ代さえ負担してくれるなら)、いくらでも提供したかった。
自分の子どもが飲めなくても、とにかく搾乳しないと出なくなるからと搾乳して捨てていた時期もあった。その後も乳腺炎になるから出る間はとにかく絞れ、と。
出るようにはしておいて、ストックもしておいて、結局大して飲めるようになる前に亡くなった子もいたんだろうなと思う。ストックしてた分は全部廃棄したんじゃないかな。そういうのをバンクに送るのはとても有意義だと思う。
(私)ものすごく勉強になるわ、ありがとう。コメントの最終パラグラフが辛すぎてまた泣きそう。
母乳バンク協会のドナー募集には早産の母親とは明記されてないけど、きっと選べるなら修正週数が近い子の母親の母乳が最適なんだね。
正期産の母親の母乳は、早産の母親の母乳に比べてDHAなど早産の子に必要な成分は薄いけど、母乳だから粉ミルクより消化がよく、3日ほど早く点滴を外せるというメリットは残るのかな。
そしたらさ、広く一般に母乳ドナーを募集するより、これまでのNICUでの「もらい乳」を低温殺菌して保管する仕組みができたほうが使い勝手良さそうじゃない??
保育器入ってる子の点滴って痛々しいものね...
消化機能に障害がないかも早めに分かるだろうし、いずれにせよ母乳入れるのは利点が多いんだと思う。
粉ミルク入れる→下痢→脱水予防に点滴増の負のサイクルが容易に想像できる。
病院で殺菌するには工数とか機材の問題があるんじゃないかね?
母乳の再冷凍は避けるように言われてたけど、バンクでは一度解凍して殺菌してから再冷凍するのかなぁ。
あと、母親同士が顔見知りだったりすると何かトラブルになった時に問題になりそう。
「ドナー」と呼ぶ以上、「レシピエント」とは知り合いじゃない方が都合がいいと推測。かなり勝手な推測だけど。
娘が入院してた病院だと、搾乳機ごとには仕切りとかなかったから、電動搾乳中の20分とかで母親同士仲良くなったり、ロッカールームで挨拶したりって結構普通の光景だったのよね。
(私)ちょっとこれめっちゃ参考になったわ…ありがとう。
このテーマでもっかいブログ書きたいんだけど、名前は出さないのでコメント引用しても良いかしら。
ぜひぜひ!NICU/GCUと新生児科って隔離されてるからお互い知らないことだらけなのよねー。私からしたら母子同室とか未知すぎる。笑
もうひとつ提起したい課題
そして、母乳バンクとは別の話をもうひとつ。
産後すぐに母乳を吸わせ始めたほうが母乳が出やすくなるというのは重々承知していましたが、産後のボロボロの体で赤ちゃんを抱えて体を起こし、授乳するのは結構大変でした。
みんなやってるんだから仕方ないと思っていましたが、宋美玄先生の発信をみて目からウロコが落ちました。
海外では、出産で疲れ切ったお母さんに赤ちゃんに何度も直接母乳を吸わせるよう励ますことを母乳育児推進と呼ぶ時代は終わっていました。
そして、医療従事者やテクノロジーが出産後早期に介入することで母乳の量が格段に増えたり母乳育児率が上がったりすることが常識となっていることを学びました。
搾乳機の会社主催のシンポジウムであることは考慮しなければなりませんが、母乳は、片方の乳頭を刺激するより両側の乳頭を刺激する方が約2割母乳を飲む量が増えるため、赤ちゃんが片方から吸っている間に反対側を電動搾乳機で吸ったり、両側に搾乳機を頻繁につけたりすることで、母親の労力を最小限にしながら「不都合な真実」に対応することがスタンダードとなってきているそうです。
引用:
その「液体ミルク批判」誰のため? 世界に取り残されている日本の母乳指導(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
産後すぐから、産院のベッドの上で電動搾乳機を両側に装着して搾乳してくれたら、もっとスムーズに母乳育児をスタートできたかもしれないんだ…!
是非日本もそうなってほしい…!
ふたつの課題を一度に解決できないか
・出産直後の「初乳」を母乳バンクに集めたい(早産の母親の母乳がベストだが、正期産の母親の母乳も次善の策として集めたいのではないかと仮定)
・出産直後に電動搾乳機で搾乳してほしい
このふたつの課題を解決する策として、
・すべての産院で、早産の母親も正期産の母親も、(本人の希望があれば)ベッドの上で電動搾乳機を装着して搾乳できる
・そして、退院のときに余った母乳は母乳バンクに寄附する
という仕組みができないかな、と想像しています。
私個人の経験からは、
・母乳の出が良くなるならば、是非産後すぐから電動搾乳機で搾乳したい
・でも、電動搾乳機で搾乳した母乳を自分の赤ちゃんにすべて与える必要はない(どうせ直接授乳もするので、わざわざ哺乳瓶を出して洗って搾乳した母乳をあげるのは面倒)
・退院のときに、あまった母乳を持ち帰る必要もない(同上)
よって、この仕組みができれば喜んで自分の母乳を母乳バンクに寄附すると思います。
さい帯血バンクのように、母乳バンクが広がると良いな
ちなみに私は2度の出産で2度とも臍帯血(さいたいけつ)を臍帯血バンクに寄附しています。
産院から臍帯血バンクの協力のお願いをされたので、特になんの抵抗もなく寄附しました。
臍帯血バンクと同じように、母乳バンクも日本中の産院と協力できると良いな…と思っています。
まぁ一介の母親の妄想でしかないし、きっと母乳バンクに携わる人々は既に色々な検討をされていることと思いますが、こんなことができたら良いな、という提案でした。