公立高校から塾に行かずに東大法学部に挑戦した記録②のつづきです。
ここまで長々と書いてきて、なんとか「なぜ受かったのか」まとめようとすれば
・高校入学までに、読書と学校の勉強でそれなりの「読解力」が身についていた。※ここでいう読解力は、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で書かれている読解力をイメージしてます
・ただし自分の学力に自信がなく、中学3年の通知表には「こんなに優秀なのに本人は高校受験に不安を抱いている様子で不思議」と担任の先生に書かれている。この不安感は高校時代も持ち続けており、誰に強制されなくても自分で自分を追い込んで勉強していた。※なお、いまも「私は本当は能力が低いのに過大評価されている。いつか馬脚をあらわすのが怖い」という感覚を持ち続けています。インポスター症候群というやつかもしれません。
・早寝早起きの生活習慣が身についており、授業中に眠くなるということがほぼ無かった。また、授業は真剣に聞くものだと思っていた。←これは、母親が「うちは親が勉強を見てあげられないから、授業をちゃんと聞くんだよ。分からないことがあったら学校の先生に聞くんだよ」と小学生のころから言っていた影響か。
・高校の先生たちに、東大受験を意識させてもらい、かつ、受験勉強についても多くのアドバイスをもらった。受験の先をみすえて本を貸してくれたり、相談に乗ってくれたりした。
・素直な性格だったので、先生に言われたことはきっちりやったし、貸してもらった本もすぐに読んだ
・高校の雰囲気がとても明るく、クラスでも部活でも陰湿ないじめ等は一切なく、部活と勉強に真っ当に集中できる環境だった。また、受験勉強を(お互いをライバル視せず)協力して乗り切る雰囲気だった
・家事のほとんどを母親がしてくれており、休日は一日12時間以上勉強するなど、本当に勉強しかしなくて良い環境だった(母の手伝いを少しするのと、あとは犬の散歩くらいしかしなかった)
・親は勉強こそ見てくれないものの、小論文のテーマなどを夕飯時に話すとちゃんと聞いてくれて、議論になった。視点が増えるし、自分の頭の中も整理できるので、両親と議論ができるのはとても良かったと思う。
・3年生の4月まで部活を続けたことで、体力がついた。また、自分は受験勉強に出遅れているという焦りをもって本格的な受験勉強を開始できた。
・もともと中学生のころに英語が好きになり、高校でも英語劇部に入ったことから、英語が得意だった。英語だけは、特に受験勉強をしなくても普通に授業を受けているだけでセンター試験は満点近くとることができ、大きなアドバンテージになった。二次試験の過去問を解く際も、英語の過去問を解くのが息抜きになっていた。一方、数学は地獄のようだった…。
・オープンキャンパス等で気軽に都内の大学に行ける場所に住んでおり、モチベーションを高めることができた
・あえて携帯電話を持たなかった(携帯デビューは大学入学時)ため、勉強に集中できた。同級生で携帯を持っていないのは珍しかった。部活の連絡網を家のPCのメールアドレスとFAXでどうにかしており、他の部員には迷惑だったと思う
・ちゃんとインフルエンザの予防接種を受けて、受験当日は万全の体調だった
・運良く、出題された試験問題と相性が良かった
という感じでしょうか。
「こうすれば受かる」というよりも、受験勉強とは合格確率を少しずつ上げていく作業で、どんなに頑張っても100%にはならないという感覚です。だから、落ちた人を単なる「努力不足」とは言えなくて、頑張って頑張って99%まで来たのに、たまたま試験当日の問題と相性が悪くて残りの1%に入ってしまう、ということはあると思っています。
なお、具体的な各科目の勉強方法も思い返してみましたが、
・東大の2次試験は、奇抜な問題は出ないので、基本的に学校の授業とテストをきっちり受けて教科書を完璧に理解していれば受かると言われていたので、授業を大事にした。分からないことがあれば授業中に質問して解決する。(蛇足ですが、このクセが抜けずに東大の大教室で授業中に質問して大ひんしゅくを買いました)
・センター試験と、受けたい大学の過去問を解いて、間違えた理由を考える。理解が足りていないなら理解できるまで解説や教科書を読み、暗記が必要なら暗記する。
・過去問は受験本番までに手持ちの青本を解き終えることを目標に、逆算して大まかなスケジュールを立てた
・高校3年生のときは、お風呂に入りながら、通学電車に乗りながら、犬の散歩をしながら、いつでも何かしら暗記していた。覚えたいことを紙に書いて音読したり、電子辞書に覚えたい世界史の用語を登録して、暇なときに眺めたり。
・数学の問題を解くと疲れるので、しばらく数学に取り組んだら気分転換に英語の問題を解くなど。
私の場合は「ダメでもともと」という気持ちで東大受験していたところがあるので、冒頭のnoteの方のような親プレッシャーは一切ありませんでした。それでも眉毛を失うほどにはストレスを感じながら受験勉強を頑張っていたようですが、結果としてとても楽しい大学時代だったし、いまの仕事もとても好きなので、受験勉強を頑張ってよかったなと思っています。
12年前の記憶をたどりながら書いたので、ちょっとあやふやなところもありますが、当時ちゃんと日記を毎日つけていた私、えらい。
あと、中高時代の通知表とテスト結果をなぜか保管してきた母がすごい。
そしてこんなまとまりのない超長文を読んでいただきありがとうございました。なにかの参考になれば幸いです。
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