おたまの日記

都内で働く二児の母(東大法学部卒)が、子育てしながら考えたことや読んだ本、お勧めしたいことを書いてます。

公立高校から塾に行かずに東大法学部に挑戦した記録② 高校2年生〜3年生

公立高校から塾に行かずに東大法学部に挑戦した記録①のつづきです。

高校2年生

・4月、以前「東大医学部を目指せ」と言ってくれたK先生が担任になる。

・部活に新1年生が入部してきて、先輩風を吹かせまくっている様子。

・「図書館にいってしまうと勉強にならない(小説を読んでしまう)」と悩んでいる

・部活で悩むことが多い。大喧嘩したり、私がやらかして皆に謝罪したり。そうすると勉強に身が入らないらしく、テストの結果も悪い。学年1位はとれなくなってきた。

・5月、校長先生に「この学校の授業のレベルは低いと思います」と言いに行く。夏目漱石全集を貸してもらって帰ってくる。ちょっと謎。

・教頭先生に「脳を鍛える」という本を借りて読む。東大の講義って面白いな、と思う。

・6月、初めて東大を訪れる。オープンキャンパスかな。「東大って良いところだ」と書いてる。親身に相談に乗ってくれた現役東大女子学生にメールアドレスをもらい、喜んでいる。誰でも受講できる講義があるので、今度いってみる。

・模試の結果が悪かったので、週末を使って間違えた問題をやり直し、「もう一度同じ模試を受けたら満点をとれる」ようになるまで復習する。

・6月、東大の講義を聴講。テーマは中国の環境問題。ものすごく面白かったらしく、感動している。

・高校の先生の中に1人だけ東大卒の先生がいたので、話を聞きに行く。東大受験は大変そう、と書いてある。

・校外の英語のスピーチ大会で優勝を逃す。でも高校の同級生が優勝したので、嬉しい半分、悔しい半分。

・交換留学で高校にきた英語圏の女の子と仲良くなり、週末も一緒に遊ぶ

・8月、高校の先生の紹介で、ある国連機関でボランティアとして働かせてもらう(主に夏休み中、部活の無い日のみ)

・東大経済学部の受験を検討するが、いまひとつ惹かれない様子。いつ法学部に決めたのかははっきりしないが、決め手は「外務省にはいるのは東大法学部が多い」という情報。この頃は国連とか外務省のような公的かつ国際的な仕事に憧れる気持ちが強い。

・9月、期末テストで学年2位。

・10月、英検2級に合格

・生徒総会で授業態度の改善を全校生徒に呼びかける。

・11月、ついに東大の青本を購入。5年分の過去問と解答・解説が載っている分厚い本で、青い本だから青本と呼ばれています。こういうの。

 ・週末、初めて東大の青本を解いてみる。難しい。

・11月、スピーチ大会で優勝して2000円もらう。

・部活で「英語の発音指導担当」になり、英語ネイティブの先生に手伝ってもらいながら部員の英語の発音を強化することに。

・12月、「話を聞かない男、地図が読めない女」を図書館で借りて読む。よほど面白かったらしい。

 ・国連機関でのボランティアを「そろそろ受験生になるので一年休みます」と言う。(大学に入ってから再開した)

・ただし部活はもりもり活動しており、自宅でもしょっちゅう自主練・筋トレしている

・1月、溜め込んだお年玉をつぎこんで投資信託を始める

・英語の弁論大会で銀賞

・1月22日、青本の英語を一通り(5年分)解き終える。国語に手を付け始める。※英語を解くのは楽しかったので、まず英語に手をつけた。好きなものを先に食べるタイプ

・1月23日、センター試験の英語を試しに解いてみる(新聞に載ってたやつだと思う)。200点満点中196点をとり、「わたしすごい」と書いている。

・1月24日、センター試験の国語を解く。200点満点中178点。

・1月25日、センター試験の地理を解く。100点満点中61点。

・2月、お父さんと2人で映画「ホテル・ルワンダ」を映画館で観る。すごくつらくて、人類の平和のために働こうと思う。

・担任のK先生に「国家の品格」を借りて読む。日本のために働こうと思う。

・平日朝、忙しくて英語のラジオ(「英会話レッツスピーク」、1回15分)を聞けないことが何度かある。週末にまとめて聴き、なんとか聴き続ける。

・3月、ベネッセの東大受験専門講座「ルートT」を受講し始める。平日夜と週末に取り組む。※親は塾は嫌いだけど通信教育は許してくれた

 

高校3年生

・4月、最後の舞台が終わり、部活引退。号泣。

・受験期に入り、授業の雰囲気が引き締まったことを喜んでいる。

・K先生に「受験生なんだから1日10時間以上勉強しなよ」と煽られ、1日12時間勉強することに決めた。父親の使っていないアナログ腕時計を借りて、朝勉強を始めるときに0:00からスタート。勉強を中断するときはリューズをひいて時間をとめ、勉強を再開したらまた動かす。一日の勉強時間合計を毎日カレンダーに書き込み、週末など多めに勉強できる日は勉強時間を「貯金」しておき、足りない日に回すことで、平均の勉強時間が12時間を超えるように調整した。

・東大(文系)受験のためには日本史・世界史・地理から2科目選択して受験する必要があるが、私の高校は授業ではどれかひとつしか選択できない。私は授業で世界史を選択し、地理は自習でがんばることにする。地理の先生に相談したところ、Z会の通信教育を勧められ、地理だけ受講することに。

・4月、駿台模試で東大B判定が出る。成績優秀者として冊子に名前が載った。

・受験勉強の合間にうっかり浅田次郎の蒼穹の昴を読み始めてしまい、はまる。翌日の二者面談で先生に怒られる。「東大受けるならちゃんと勉強しなさい。甘い。」と。

・Z会から教材が届いたら、(昔、進研ゼミをため込んだ反省を生かして)すぐに取り組み、終わらせるようにしていた

・このころはベネッセのルートT、Z会の地理、そして学校の宿題とテスト勉強、模試の勉強に黙々と取り組んでいる。センター試験の模試を受けたら翌日までには自己採点と間違い直し。(記憶が新しいうちに済ませたほうが効率的だと気付いた)

・5月、世界史の先生のオススメで、「荒巻の世界史の見取り図」と「センター試験への道」を購入。

・同級生と2人で東大の文化祭へ。めっちゃやる気でた。

・6月、数学が苦手なので、数学の先生が放課後に開催してくれる補習に参加。

・駿台模試を受けるが、模試を解いている間に無意識に眉毛ほぼ全てを指で抜いてしまい、ひどい顔になる。受験勉強で結構ストレスが溜まっていた様子。この日は疲れて20時45分に就寝。

・なぜかノルウェーの森を読む。

・6月15日、先生と進路相談。センター試験で95%とることに決めた。

・バランスボールを購入し、英語の音読や世界史の暗記など、ペンを持つ必要のない勉強はバランスボールの上ですることに。部活を引退して運動量が減ったので、悪あがきしている。

・早稲田大学の先生が講義に来てくれて、早稲田もいいなと思う。

武則天を読み始め、はまる。唐の時代だけめっちゃ詳しくなる。

・小論文の書き方を高校の授業で指導してもらう

・7月、高校で「東大対策説明会」が希望者に向けて開催される。同級生の誰が東大を目指しているのか分かり、仲間意識が芽生える。

・クラスメイトと一緒に世界史の替え歌をつくって暗記をしたり、掃除の時間に問題を出し合ったりする。

・7月15日、16日と2日間続けて代ゼミの東大模試を受験。

 ・「このペースでは受験本番に間に合わない」と危機感が高まり、2時起きで世界史の勉強をする。(22時~2時は寝たほうが良いと考えていた)

・7月30日、早稲田大学のオープンキャンパスへ。キラキラして見える。

・8月、東大の過去問をどんどん解く。時間をはかり、実際の受験と同じようなスケジュールで2日かけて解いていく。

・8月15日、小泉純一郎首相が靖国神社に参拝して腹を立てている。

・8月19日、20日と駿台の東大模試。

・8月22日、慶應大学のオープンキャンパス。かっこいい。

・8月末、実力テストが終わり、今度は9月の期末テストに向けて勉強を始める

・9月、「TVでプロイセンの王様のお城について見た。ホモだった」と書いてある。世界史の勉強になるテレビ番組なら見ても良いと考えていた。

・夏休みがあけても継続して1日12時間勉強している。(英語や数学など、東大の受験科目にある授業については、授業時間を「勉強時間」にカウントすることで、平日も1日12時間勉強できていた)

・9月9日、センター試験の世界史を解いて100点満点中54点しかとれず、へこむ。

・9月20日、早稲田2006年の過去問をまとめて解く。難問奇問が多いと脅されていた割には、思っていたより簡単だった。

・9月23日、上智大学のオープンキャンパスへ。教授と話す機会があり、とても気に入る。上智に行きたくなる。

・9月24日、駿台のマーク模試。出来が悪くてへこむ。

・9月25日、東大後期試験の小論文対策を先生に手伝ってもらう。小論文のテーマを先生にもらい、自宅で書いて提出する。

・9月26日、早稲田大学に通う先輩の話を聞く。やる気出た。

・9月27日、東大に通う先輩の話を聞く。やる気出た。

・マーク模試と東大模試の復習と、慶應大学の過去問を解く。センター試験実戦問題集を買う。

・10月8日、2004年東京大学文Ⅰの後期試験で出題された論文問題への解答を作成してみる。テーマがコンコルドの誤りで、とても面白い。

・10月23日、二者面談で「お前は安心」といわれて嬉しかった。(東大に受かるかどうかは分からないけど、それなりの大学にはひっかかるだろうという意味の「安心」だと思うけど)

・10月22日、センター試験の国語を解いて200点満点中176点とる。嬉しい。

・10月29日、制限選挙を提案する小論文を書いた。内容について母親に話したら「エリート意識だね」と批判される

・11月12日、早大プレ模試(代ゼミ)。英語と国語はなかなかの出来だが、世界史はダメ。

・11月14日、生まれて初めてインフルエンザの予防接種を受ける

・11月18日、19日 駿台の東大模試。

・11月21日、「ちょっとうつ気味。世界史と数学がつらい」

・11月26日、慶應模試。難しかった…

・11月27日、世界史の先生が希望者に昼休みにNHK「映像の20世紀」を見せてくれる。問題意識が高まり、モチベーションアップ。

・12月、センター試験の数学ⅠAは満点とれるようになってきた

・この頃は毎朝4時に起きて勉強

・1月、センター試験の国語は安定して190点以上とれるようになってきた。文系科目だけなら90%以上とれる。理・数学と合わせると85%くらい。

・1月8日、願書を書く

・1月19日、センター試験の前日、ひたすら世界史の暗記。

・1月20日、センター試験1日目。英語の発音問題でひとつ間違えた。

・1月21日、センター試験2日目。数学ⅠAはよくできたが、ⅡBは撃沈。

→センター試験結果は、英語198/200、リスニング50/50、政経89/100、世界史92/100、国語189/200、生物94/100、数学ⅠA100/100、数学ⅡB73/100。センター試験の結果が良かったので、「センター試験利用入試」で早稲田と慶應は二次試験なしで受かるかも。

・2月7日、上智大学(法)受験。帰宅したら、センター試験利用で早稲田(法)に合格していたことが判明。しかも奨学金がもらえる。大喜び。

・さらに慶應もセンター利用で合格。結局、上智も受かったので、上智・早稲田・慶應の法学部合格という素晴らしい状況で東大受験に挑むことができた。なお、この3つの大学はどれもとても気に入っていたので、東大に落ちても浪人せずにどれかに行こうと思っていた(なんとなく慶應かなと思っていた)。

・2月25日、東大1日目。周囲がみんな賢く見えるし、都内有名進学校からは何十人も受験するので友人同士にぎやかに話している中、私は教室で1人ポツンとしていた。しかも隣に座った受験生(男)が、「いやー、周りがみんなバカに見えるな!」と言っていてへこんだ。きっと私のことだ…。

※なお、この受験生とは入学後に再会し、友達になりました。

・2月26日、東大2日目。リスニングがきつかった。

・翌日からは東大前期試験は落ちている前提で、東大後期試験の勉強を始める。

・3月10日、東大合格発表。1人で見に行って、自分の受験番号を発見。携帯を持っていないので、公衆電話から自宅に電話して「うかった!!!」と報告。

 

なお、東大に入学してから「自分の受験結果の開示」というのをしてみたところ、ちょうど合格者の平均点(370点)でした。国語77/120、英語85/120、数学28/80、世界史38/60、地理40/60で、センター試験835/900と合わせた総合換算点370/550。なおこの年の合格最高点は444点、合格最低点は344点だったそうです。

※総合換算点は、センター試験(総得点900点を110点に換算)と2次試験(総得点440点)を合算し、550点満点としたもの

 

余談ですが、親戚のおばさんに「女の子が東大なんていったら嫁に行けなくなる」と嫌味ではなくまじめに心配されました。

公立高校から塾に行かずに東大法学部に挑戦した記録③につづきます。